佐藤亜紀のレビュー一覧
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イカした小説だった。ナチスが幅を利かしていた時代のハンブルクを舞台に、ジャズにかぶれた連中(スウィング・ボーイズ)がしたたかにしなやかに生き抜いていく物語。
レジスタンスのように真っ向から抗うのも尊いけど、この小説のスウィング・ボーイズのように軟派を装ってカッコつけ、相手にしないようでいて器用に裏を...続きを読むPosted by ブクログ -
第2次世界大戦前夜から戦中にかけ、いわゆる敵性音楽であるジャズに魅了されたドイツのティーンエイジャーたち、"スウィングボーイズ"の物語。
懇切丁寧なガイド付き小説とは違い、あれ、これについてなんか説明あったかな? とポヤポヤしているとあっという間に置いていかれそうな、まさしくインプロヴィゼーションが...続きを読むPosted by ブクログ -
ナチス政権下ドイツの、新たな局面を見せてくれる快作。大戦に突入する中、あくまで自分たちのやりたいことを貫いた青少年。戦時には避けられない不条理や死の描写も出ては来るけど、抑制の効いた筆致の妙もあり、いかにも”戦争もの”というところからは、一線を画す仕上がりになっている。終戦とともに迎える本作のクライ...続きを読むPosted by ブクログ
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西欧社会を舞台として純文学と大衆文学の間を自在に往来する独自の小説世界で知られる著者が、ナチス政権下のドイツで、政権への反発心から禁止されたスウィングジャズに耽溺した少年たちの姿を描いた一冊。
特に明確な政治思想があるわけではない。だが、ヒトラーユーゲントに代表されるようなナチスの姿は余りにも”ダ...続きを読むPosted by ブクログ -
佐藤亜紀さんの作品は10年前に読んだ『ミノタウロス』以来だと思います。相変わらずひとつひとつの文章の密度が驚くほど高くて、相当な力作かつ労作であることは疑いないのですが、自分の場合はあまり物語に入っていくことができませんでした。
それは一にも二にも登場人物の問題で、現代の「反戦平和」に何となく染まっ...続きを読むPosted by ブクログ -
佐藤亜紀女史のちくま文庫版エッセイ集の2冊目。こちらを先に購入し、後でちくま文庫版外人術を手に入れる。正直、佐藤さんのエッセイは創作よりも文体が尖っていて一遍目を通すだけでズタズタになる。よって2冊とも偶に開くだけの積み本になっている。Posted by ブクログ
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佐藤亜紀の小説はとても面白いし好きだけど、エッセイは苦手だ。読んでいる間ずっと怒られているような感じで(もちろん自分の勉強不足のせいなんですが)、とても疲れる。バカが小説を読まなくなったら、出版社も書き手も彼らの方を向かなくてよくなり文学市場はもっと落ち着くとかそんなことが書かれているもんだから、私...続きを読むPosted by ブクログ