冨島佑允のレビュー一覧
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面白かった。物理学史の解説なので、一つ一つの数式がよく分からなくても面白く読めた。これだけ天才たちが挑んできたあれこれを小中学校の理科で教えて子どもが理解するのって本当は無謀じゃない?という気がした。
電磁誘導の法則、磁石の周りをコイルが移動して磁場が変化することでコイルに電流が流れることを応用して、Suicaや発電が行われているというのになるほどと思った。火力も原子力も、発電所というのはコイルのついたタービンを磁石の周りで回しているので、そのタービンの回し方をどうするかの違いだけなのだと初めて知った。
アインシュタインが出てくると一気に難しくなった印象。光は粒子なのか波なのか、スリットを通し -
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新聞広告を見て本屋で買った本。面白く読めました。
「独習法」とありますが、本書は本格的に数学を習得したい人向けの本とは違います。むしろ「方程式を解いたり数理モデルを作ったりといったことは得意な人たちに任せておけば問題」ないという立場です。「数学とは何か、どう考えるのか、何の役に立つのかという『数学の俯瞰図』を頭の中に作り上げることが「本書の目的」です。
著者の冨島祐允さんは数学者というよりも証券アナリスト。数学の全体像や発想方法をいかにビジネスに活かしていくかを読者にストレスを感じさせることなく説明してくれます。
本書では数学の根幹をなす4つの分野、代数学、幾何学、微積分学、統計学を「数学四 -
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シミュレーション仮説についてわかりやすく解説。
そもそも人間は感覚器官で捉えた情報をもとに脳が再現している仮想世界に生きているということ、水槽の脳やマトリックスの話、ボストロムの論文からこの世界がシミュレーションである確率が限りなく高いことを説明したり、シミュレーションである場合に都合がよいと思われるこの世界のつくり、22世紀半ばには世界全体のシミュレーションが可能になるであろうこと、ゴルディロックス・エニグマについて、進化論だけでは説明できない生物の仕組み、無限後退の問題、などなど。
自分が死ぬまでにもっとこの世界のことがわかるかな。長生きしよう。 -
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「シンギュラリティ」の次にイマジンの中で熱いバズワードが「シミュレーション仮設」。
「テクノロジー」の分野の対局側にある「スピリチュアル」。この2つの分野が合わさったかのような「シミュレーション仮説」とは「我々はシミュレーションの中で生きている」という解釈。
グランドセフトオートやレッドリデンプション、ウォッチドックスなど最新のゲームをやっていると、本当にその箱庭ゲームエリアの中に人が存在しているのか錯覚するほどの制度なのは身を持って感じている。
ムーアの法則でべき乗的に演算処理やストレージが進化していくと、今ぼくらが住んでいるこの世界も実は高次元な未来人なのか宇宙人、もしくはシンギュラリ -
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簡単なグラフを読める人は多い。だが、統計となると読める人は少なくなる。
私たちの生活には本著の言うところの数理的思考(物事や問題を論理的に整理し、データやパターンを発見し、数値化や抽象化を通じて本質を明らかにしながら、根拠に基づいて最適な解決策を見つけていく思考法)を求められることが多い。世論調査や街角のアンケートに至るまで様々な場面で意識しないだけでも多くの数字を浴びているのだ。
そもそも、義務教育では簡単なグラフの読み方までは教えるが、その先は科によって異なるだろう。大学に行けば尚更だ。社会人になっても全くとは言わないが深く読めることは仕事の種類に応じて大小で異なる。本著が掲げる数理的思考 -
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代数学
指数関数は対数グラフで見るとわかりやすい。
対数と指数は逆の形
PHは、-log水素イオン濃度。水は0.0000001mol/Lなので、logをとると10のマイナス7乗で7になる=中性。濃度が10倍上がると1増える。
幾何学
幾何学の基礎は三角形。図形の中で三角形を探し、それと相似な三角形を考える。
フーリエ変換で波を三角関数の合成と考える。
複雑な波の周期の整数分の一の三角関数を足すと、分解できる。
データ圧縮に使われる。
微分積分
積分はグラフの面積を求めること、微分は傾きを求めること。
速さは距離を時間で微分したもの。もう一回微分すると加速度。
統計
ナイチンゲールの功績は -
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たしかに著者の言う様に、数学的思考は大事そうだよなと、本屋に行ってこう言う本を見かけるたびに思っていて、買って読んでみたのだが、やはりと言うかなんというか、学生時代それこそもう中二の相似とか関数くらいから苦手になってしまったそのまま、読んでいてもあまり理解できなかった。残念!
それでも全く忘れていた微分積分とはなるほどこういうものなのかって触りは感動だったし、他で読もうとしてすぐ挫折した統計学の本にもう一度挑戦してみようと思えたのは少しは収穫だったと言えるのかもな。
この本については、スタンスは良いと思うので、著者の言うよりもっと数多くの世の中のこう言うことを知るために解決するために、代数や幾 -
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シミュレーション仮説とは、この世は何者かが作った「仮想現実」で、私たちはその世界に生きている、とする説である。
そもそも人間は、周囲の情報のうち、ごく一部しかキャッチできない。そのため、私たちが「現実」だと思っているのは、人間の感覚器官で捉えられる限られた情報を元にして脳が再現した、仮想現実世界であるといえる。
シミュレーション仮説の大前提は、「人間の意識はコンピューター上で再現できる」というもの。その論拠は、次の通り。
・人間の意識は、脳内の電気信号のやり取りを通じて“計算”が行われた結果、生じる。従って、その計算を電子的に再現すれば、コンピューターの中に心を生み出せる。
・心を電子的に