ヘザーヤングのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
3月14日〜この円周率の日に数学教師アダムの焼死体が発見された。
第一発見者は、教え子のサルで近くに先生の車があったから…偶然見つけたと。
同僚の社会科教師ノラは、この不可解な死に疑念を抱きアダムのことを調べ始める。
寂れた町で起こった事件は、親や祖父母の代からの知り合いという濃密で小さなコミュニティであるが故に限られた登場人物ではある。
そのなかで謎の中心にいるのは、少年サルである。彼が大人たちを惹きつけるのは、観察力があり物静かで注意深く、賢さと共感力を持ち人の心の機微に敏いからだろう。
サルが見たものの全てが明らかになるが。
果たしてそれは…。
どうしてここまですることができるのだ -
Posted by ブクログ
幸せな未来を願わずにはいられない… 悪魔に取りつかれた大人と少年の物語 #円周率の日に先生は死んだ
■きっと読みたくなるレビュー
悪魔…人間を蝕む悪魔の恐ろしさが痛いほどわかる作品。
本作に登場する大人たちは、様々な悪魔に取りつかれ、自分自身を失ってしまいます。少しの運のなさやタイミングの悪さによって、最悪の事態を招いてしまう。それが周りにどんな不幸をもたらしてしまうのか…海の底よりも深い罪を、まじまじと見せつけられるのです。
ほんのちょっとの興味、苦しみからの逃げから始まる地獄への階段。なにより、どんなことよりも最優先になってしまう現実は本当に恐ろしかったです。
本作の一番の読みどこ -
Posted by ブクログ
ネタバレ・あらすじ
パイの日(3.14)に数学教師のマークルが殺された。事件の真相を第一発見者である生徒のサル(過去編)と同僚教師のノラ(現在)+αの視点で展開する。
・感想
住人全員が知り合いというアメリカの田舎町が舞台・
登場人物たち其々が場所、人物、過去に雁字搦めに囚われていてそれらから逃げたい人、諦めてる人、受け入れてる人…様々な人間模様が書かれてた。
ミステリーというよりは人間模様中心の作品で事件もその真相も結構ベビーだった。
悠久の歴史と語られなかった物語とそれらを観察するものの話。
でも最後はちょっとした希望が残されていたので、サルにはどうかこれから幸せに生きていってほしいと思う。