ヘザーヤングのレビュー一覧

  • エヴァンズ家の娘

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    ネタバレ

    ルーシーの手記で語られる過去と、ジャスティーンの現在というふたつのパートで語られる。過去に何があったのか。その手記の内容、出来事のなかにあるたくさんの感情、後悔や償い。そういうものが物語の根底にあって静かに語られながらも揺らぎが感じられる。さまざまな出来事のあった過去と現在に生きるジャスティーンの生活が徐々に交わっていく。さりげなく、でも確実に過去の出来事と重なり合っていき迎えるラスト。派手ではないからこそひとつひとつの細部まで情感に溢れ不安や悲しみが伝わってくる。

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    2018年06月11日
  • 円周率の日に先生は死んだ

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    タイトルが気になって手に取った本。もっと青春ミステリ系を期待していたけれど、アメリカの田舎の息苦しい物語だった。暗くて重くてつらくて、でも主人公の少年が幸せになって欲しくて、じっと時間を置きながら祈るような気持ちで読み続けなければいけなかった。はあ。

    現在アメリカに蔓延する薬物問題に類するテーマが含まれていて、依存してしまう人の社会的な孤独や辛さ、人種問題移民問題貧富の問題全部が物語に感じられてとにかくやりきれない。

    主人公の少年に、これから楽しいこと幸せなことがたくさん降り注ぎますように。

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    2025年10月02日
  • 円周率の日に先生は死んだ

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    3月14日〜この円周率の日に数学教師アダムの焼死体が発見された。
    第一発見者は、教え子のサルで近くに先生の車があったから…偶然見つけたと。
    同僚の社会科教師ノラは、この不可解な死に疑念を抱きアダムのことを調べ始める。

    寂れた町で起こった事件は、親や祖父母の代からの知り合いという濃密で小さなコミュニティであるが故に限られた登場人物ではある。
    そのなかで謎の中心にいるのは、少年サルである。彼が大人たちを惹きつけるのは、観察力があり物静かで注意深く、賢さと共感力を持ち人の心の機微に敏いからだろう。

    サルが見たものの全てが明らかになるが。
    果たしてそれは…。

    どうしてここまですることができるのだ

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    2023年07月25日
  • 円周率の日に先生は死んだ

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    幸せな未来を願わずにはいられない… 悪魔に取りつかれた大人と少年の物語 #円周率の日に先生は死んだ

    ■きっと読みたくなるレビュー
    悪魔…人間を蝕む悪魔の恐ろしさが痛いほどわかる作品。

    本作に登場する大人たちは、様々な悪魔に取りつかれ、自分自身を失ってしまいます。少しの運のなさやタイミングの悪さによって、最悪の事態を招いてしまう。それが周りにどんな不幸をもたらしてしまうのか…海の底よりも深い罪を、まじまじと見せつけられるのです。

    ほんのちょっとの興味、苦しみからの逃げから始まる地獄への階段。なにより、どんなことよりも最優先になってしまう現実は本当に恐ろしかったです。

    本作の一番の読みどこ

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    2023年06月17日
  • 円周率の日に先生は死んだ

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    3月14日――円周率の日――に、数学教師アダム・マークスの焼死体が発見された。第一発見者はアダムの教え子サル・プレンティス。死体は偶然見つけたと言ったきり口を閉ざすサルに、社会科教師ノラ・ウィートンは疑念を抱く。
    11歳の孤独な少年サルとアダムの出会いから焼死事件までの数ヵ月間と、平凡な教師ノラが真相解明のために奔走した焼死事件後の数週間。それぞれの視点が重なるとき、すべての謎が明らかになる。

    初めて読む作家。タイトルに惹かれて読んでみた。
    アダムとサルの語り合う場面が印象に残った。

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    2023年05月04日
  • 円周率の日に先生は死んだ

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    小さな田舎町で起こった焼死事件。亡くなったのは数学の教師アダムで、発見したのは教え子の12歳のサル。現在と過去のパートがあり、サルは事件以前から、現在は教師の同僚などの視点から進む。サルの生い立ちや、閉鎖的な町での暮らし、数学教師アダムとの出会い、交流。そこからサルの日々が変わり始めていくけれど、それが読み応え抜群。大人たちに飲み込まれていってしまいそうなサルと、どこかで離れなきゃと思うサルの揺れに緊張感が伝わってくる。終盤のサルの葛藤には読んでいて辛くなるほどの感情が溢れていた。前作『エヴァンス家の娘』同様に素晴らしい作品。

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    2023年04月30日
  • エヴァンズ家の娘

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    ネタバレ

    3世代にわたる、どこかいびつな人生と対峙している女性たちの物語。

    はたから見るとそれぞれ自己中心的と思えることばかりしているような彼女達だが、人間は完璧ではないので、それぞれが折り合いをつけて生きていくしかない。そんな息苦しい現実とその中に時折のぞく光をうまくドラマに仕立てた筋の中に過去の少女失踪の謎が挟み込まれながら進んでいく過程がおもしろい。

    ありがちではあるが全く予想していなかった背景に、そうきたかと思った。がらりと物語の見え方が変わった瞬間。その瞬間までその線は完全にノーマークだった。

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    2018年06月23日
  • 円周率の日に先生は死んだ

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    円周率の日=3.14に焼死体としてみつかった数学教師。その教師と親交の深かった少年と、同僚教師の過去と現在の視点をベースに進む。終盤で明らかになる真相は残酷……。

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    2024年10月09日
  • 円周率の日に先生は死んだ

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    ネタバレ

    ・あらすじ
    パイの日(3.14)に数学教師のマークルが殺された。事件の真相を第一発見者である生徒のサル(過去編)と同僚教師のノラ(現在)+αの視点で展開する。

    ・感想
    住人全員が知り合いというアメリカの田舎町が舞台・
    登場人物たち其々が場所、人物、過去に雁字搦めに囚われていてそれらから逃げたい人、諦めてる人、受け入れてる人…様々な人間模様が書かれてた。
    ミステリーというよりは人間模様中心の作品で事件もその真相も結構ベビーだった。
    悠久の歴史と語られなかった物語とそれらを観察するものの話。
    でも最後はちょっとした希望が残されていたので、サルにはどうかこれから幸せに生きていってほしいと思う。

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    2024年02月25日
  • エヴァンズ家の娘

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    リリスとルーシーとエミリーの三姉妹のうち、エミリーが湖畔の家で行方不明となる。ルーシーの死後、リリスの孫娘にあたるジャスティーンが二人の娘を連れ、湖畔の家にやってくる。男から逃げるためだ。時代が異なるルーシーとジャスティーンを中心に物語は展開する。エミリーがいなくなった謎は最後に解かれる。謎解きの要素はほぼないが、楽しむべきは、ルーシーやジャスティーンの周辺にいるどこか普通ではない人々が醸し出すサスペンスの要素だろう。前半はそうでもないが、後半は怪しさが増してくる。日常から非日常へとだんだんと連れていかれた。

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    2018年07月03日
  • エヴァンズ家の娘

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    過去と現在の物語が同時進行し、ラストで重なり合うというストーリー。けれど、途中までとにかく話が進まない。退屈で読み進めるのが大変でした。表現も曖昧で、察して理解という箇所も多々。ラストはほぼ納得の終わり方でした。けれど、これだけ書き込まれたから理解できる結末と言えるのかも、です。

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    2018年06月10日
  • エヴァンズ家の娘

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    ネタバレ

    多分に既視感のある設定で、言ってしまえば目新しいものは何もない。あれに似ている、これに似ているとついつい思ってしまう。またか…と思う鬼畜の仕業も、サイコパスのストーカーも食傷気味。長い時を経た老人たちのプラトニックな愛。湖畔の家で昔起こった事件の真相は…、うう。
    ただ、落ち着いた筆致で、盛りだくさんな内容を時代と視点の違う語りを交互に持ってきて、最後まで引っ張っていくところはうまいので、新鮮な目で読めたらとても面白い小説なのでは。とても悲しい静かな物語。
    すみません、すれっからしな読者で。

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    2018年04月28日
  • エヴァンズ家の娘

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    原題がgirlsなのはエミリー以外に誰を指しているんだろう?
    メラニーとアンジェラもパトリックから見たらロストしてるけど。

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    2018年04月05日