【感想】
冒頭の、「ウォーレン・バフェットでさえ、1億ドルの資産を築くまでに50年もの歳月を要した。」という文章。
あのバフェットでもそれだけの時間が掛かるのか・・・と一瞬愕然としたが、
いやいや。1億ドルの資産を1代で築く方が余程すごいでしょ!!!!
と、まずは全力でツっこんだ上で・・・
この本に関してはバフェットの人間性や生い立ちなどのストーリーには軽く触れる程度で、彼の仕事哲学や投資案件にどのように取り組んだのか、そのエピソードについて書かれていた。
タイトル通り、正に「どのようにして資産を築いたのか」というHOW要素の非常に高い1冊だった。
(だから、株をやったことのない自分には殆どチンプンカンプンな内容だった。)
なんと6歳から金儲けをやっていたという生粋の商売人であるバフェット。
世間の評判やアナリスト達の意見だけに惑わされず、自分の目で1社1社鋭く分析し、選別し、取引を行ない、撤退する。
信念を持った上で行動し、それが結果に結び付いている点が、やはり成功者たる所以なのだろう。
目先の甘い話に惑わされる事なく、「ゲット・リッチ・スローリー・アプローチ」で資産を増やしていく姿勢は大切なんだな。
勿論、勝負を仕掛けなくちゃいけない投資も(分散しつつ)決して無視はできない。
そのあたりのバランス感覚は投資をしていく上で必要不可欠なんだろう。
「誰でも稼げる株取引」的な安易なタイトルの本が蔓延しているが、長期的に成功する上で、(当たり前だが)学びと観察を怠ってはいけないですよね。
楽して稼ぐなんて、結局はごく短期的かつリスキーな夢なんでしょう。
とほほ。
【内容まとめ】
1.ウォーレン・バフェットでさえ、1億ドルの資産を築くまでに50年もの歳月を要した。
投資家は常に完璧でなくてはならないと考える事こそが最大の過ちなのだ。
気持ちの上で投資家は多くの過ちと辛い経験を覚悟し、そこから這い上がらなければならない。
2.投資の3つの定義
「投資とは詳細な分析に基づいて、元本の安全性と満足できるリターンを確保する行為だ。これらの原則を満たさない行為は投機と言える。」
・詳細な分析
・元本の安全性
・満足できるリターン
3.詳細な分析
以下の質問を投資の際に自分自身に問う。
→売上高と利益の過去の推移はどうか?
→顧客からの評判は?
→資産は潤沢で負債は少ないか?
→競争環境は?
→経営陣は有能で誠実か?
4.企業についてよく考えよ。
短期的な問題で株価が下落することが時々ある。
だがその多くの場合、長期的な企業価値に変化はない。
短期的な問題だけにマーケットの関心が集中しているとき、強力なフランチャイズと優秀な経営者を持つ非常に優れた企業を割安で買える機会が訪れる。
「直近の業績停滞期間が終わった後に、その企業がどうなるのかを考え、機関投資家を出し抜くように心掛けよう!」
5.資産を活用して大きな利益を出している会社を探そう。
ある会社が利益を再投資してその事業からより高いリターンを上げているのであれば、その会社は非常に価値が高いかもしれない。
そうした状況では利益は急増し、株価の動きもついてくる可能性が高い。
【引用】
ウォーレン・バフェットは1億ドルの資産を築くまでに50年もの歳月を要した。
バフェットも過去には多くの間違いを犯しており、歩みは決して順風満帆ではなかった。
大成功の中にも、長期に及ぶ挫折の時期があったのだ。
投資家は常に完璧でなくてはならないと考える事こそが最大の過ちなのだ。
気持ちの上で投資家は多くの過ちと辛い経験を覚悟し、そこから這い上がらなければならない。
p29
・投資の定義
「投資とは詳細な分析に基づいて、元本の安全性と満足できるリターンを確保する行為だ。これらの原則を満たさない行為は投機と言える。」
1.詳細な分析
以下の質問を投資の際に自分自身に問う。
→売上高と利益の過去の推移はどうか?
→顧客からの評判は?
→資産は潤沢で負債は少ないか?
→競争環境は?
→経営陣は有能で誠実か?
2.元本の安全性
株式を買うときにも安全性に余裕を持たせることが肝要だ。
株式を買うときも取得価格とあなたが計算した企業の本質価値の間に大きな安全性がある時のみ買うべきだ。
3.満足できるリターン
過度の楽観主義や強欲に犯されるな。
p38
・投機家と投資家の線引きを明確に。
二者のラインを明確にしておくことが、リスクや失敗を減らし、財産を築くために必要。
ゲット・リッチ・スローリー・アプローチ
「ゆっくりとお金持ちになる」
p39
バフェットは、1930年8月に生まれた。
1929年の世界恐慌の時期で、貧困とはどういうものかを痛感し、金持ちになることを決意した。(ちなみにバフェット家は強硬でも大きな傷は追わなかった。)
子供の頃から、あらゆる手段を尽くして小銭を稼ごうとした。
・他人の見失ったゴルフボールを集めて売る
・コカコーラをパックで仕入れて小分けで売る
・古いロールスロイスを買って貸し出す
・ピンボールマシーンを買って近所の散髪屋に置かせてもらい、店主と儲けを分け合う
熱心に働いたため、バフェットは十代半ばには数千ドルを貯めていた。
15歳の時、農地を購入して農家から利益の一部を徴収し、5年後に買値の2倍で売却した。
彼は6歳の頃からビジネスをしており、すでにある程度の収入を稼いでいた。
大学はその成長を遅らせるだけなので、中退した。
p49
・資産を活用して大きな利益を出している会社を探そう。
ある会社が利益を再投資してその事業からより高いリターンを上げているのであれば、その会社は非常に価値が高いかもしれない。
そうした状況では利益は急増し、株価の動きもついてくる可能性が高い。
p94
アメリカンエクスプレスでの教訓
・企業についてよく考えよ。
短期的な問題で株価が下落することが時々ある。
だがその多くの場合、長期的な企業価値に変化はない。
短期的な問題だけにマーケットの関心が集中しているとき、強力なフランチャイズと優秀な経営者を持つ非常に優れた企業を割安で買える機会が訪れる。
・勝算が高い時は集中投資せよ。
・定性的な情報は足を使え。
噂話は自分で調べよう。
金融街のアナリストの意見だけを鵜呑みにするな。
p98
・ディズニー
「今年のメリーポピンズは素晴らしかったが、来年に同レベルの作品は製作できない。となると、利益は下がる」という世論に惑わされない。
7年経てば、別の世代の子供たちに再上映し、新たに収穫でき、その度に価格を上げる事も見込める。
そんなシステムはほかにない!!
直近の業績停滞期間が終わった後に、その企業がどうなるのかを考え、機関投資家を出し抜くように心掛けよう!
p101
・売り急ぐな!
バフェットは1967年にディズニーの株式を55%の利益(400万ドルの投資で5%獲得、翌年に620万ドル)で売却した。
彼はそのことを後悔している。
ディズニーの株価は1967年?1995年にかけて、なんと138倍になったのだ。
「1966年に取得するという決断は非常に素晴らしく思えましたが、1967年に売却することで、その決断を無駄にしました。」
p148
・優秀な騎手は優秀な馬に乗ると素晴らしい腕前を見せるが、怪我をしている馬の上ではそうはいかない。
有能だと評判の経営者に経済環境が悪い評判の会社を任せても、変わらないのは会社の評判の方なのだ。