山本武利のレビュー一覧

  • 陸軍中野学校 ──「秘密工作員」養成機関の実像

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    【中野は時局に追われた。時局の変化が速すぎた】(文中より引用)

    前身の組織を含めてわずか7年の活動であるにもかかわらず,日本の諜報史において欠かせない位置を占める陸軍中野学校。近年発見された公文書の内容にも触れながら,その設立と活動の様子,そして履修後の要員の活動までを丹念に記した作品です。著者は,インテリジェンス研究の第一人者として知られる山本武利。

    淡々と事実を書き綴っているために面白さはあまりありませんが,陸軍中野学校に関する詳細な記録として有益な一冊。当初の創立者の思惑とは異なり,戦局の悪化とともにゲリラ戦の方法をたたき込まれるようになるなど,短期に終わったその活動の間にも様々な変

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    2019年09月23日
  • 検閲官―発見されたGHQ名簿―(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    本書を読む限り日本の占領時代は終わっていない。新憲法制定に反してGHQによって行われた検閲の全貌を明かす一冊。

    敗戦後のオキュパイドJAPAN。手紙、電話から雑誌、映画まで広く検閲が行われていた。しかし多くの日本人関係者は検閲に携わったことについて口を閉ざしている。

    本書は筆者により発掘された公文書等の資料や関係者の証言から日本人検閲官の実態に迫った作品。

    検閲により集められた資料は占領終結後にメリーランド大学にブランゲ・コレクションとして保管されているという。いわば拉致された資料、これらが返還されるまで、日本の被占領時代は続いているといえるだろう。

    単独講和か全面講和か、その他冷戦下

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    2021年07月20日