【感想・ネタバレ】検閲官―発見されたGHQ名簿―(新潮新書)のレビュー

あらすじ

敗戦後の日本では、手紙、電話、雑誌、映画まであらゆる言論がGHQによって検閲された。その職を担ったのは、英語を解する日本人エリートたちだ。著者が発掘したGHQ名簿をはじめとした資料、時を経て口を開き始めた経験者たちの証言によって浮かび上がってきたのは、日本人検閲官たちの葛藤、待遇、そしてその経歴を隠し続けた意外な著名人の名――第一級史料をもとに、今日にも通じる問題を炙り出す戦後裏面史。

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Posted by ブクログ

本書を読む限り日本の占領時代は終わっていない。新憲法制定に反してGHQによって行われた検閲の全貌を明かす一冊。

敗戦後のオキュパイドJAPAN。手紙、電話から雑誌、映画まで広く検閲が行われていた。しかし多くの日本人関係者は検閲に携わったことについて口を閉ざしている。

本書は筆者により発掘された公文書等の資料や関係者の証言から日本人検閲官の実態に迫った作品。

検閲により集められた資料は占領終結後にメリーランド大学にブランゲ・コレクションとして保管されているという。いわば拉致された資料、これらが返還されるまで、日本の被占領時代は続いているといえるだろう。

単独講和か全面講和か、その他冷戦下での日本の進んだきた道。憲法改正論が出てくる今日、過去の日本をもう一度振り返ることも必要に思える。

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2021年07月20日

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