金子大栄のレビュー一覧

  • 歎異抄

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    他力本願の本質を教えてくれる書物である。人間の持つ社会性について考えさせられた。仏教が高度な哲学を持つようになってしまい、民衆から離れていき、そのような中で生まれてきた新しい仏教の形なのであろうか。

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    2022年11月04日
  • 歎異抄

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    21世紀の言葉で言えば、浄土真宗は『インクルーシブ』だなぁ、と言うのが第一の感想。
    庶民に広く親しまれた理由がよく分かる。
    (当然だけれど)日本史の中でもトップレベルの名著、古典。一文一語の重みが凄まじい。
    歳を重ねる度に、この本の奥深さが分かっていくんだろうなあという生への"悦び"も感じられた。

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    2022年04月07日
  • 歎異抄

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    ネタバレ

    浄土真宗の開祖・親鸞の弟子である唯円によってまとめられた、親鸞の言っていたことをまとめた前半10章、後半は親鸞没後に浄土真宗内で乱立する間違った解釈を正す
    ため、陥りやすい間違いをまとめている。

    なによりも、親鸞のラディカルさを感じる。
    短い経典ながら、強いコンセプトがいくつか。

    ・悪人正機(善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや)
    努力する→善人であるから救われる、といった公正世界仮説に似た直観にもとづく認識から転換、それはあらゆる人を救う阿弥陀の本願とは違う。悪人(=あらゆる煩悩を抱えた人=わたし)だからこそすくってくださるのだ、善人ならばなおさら。
    仏教を救済型の宗教に変えた法然の

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    2020年06月01日
  • 歎異抄

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    あまりにもモダンな考え方で衝撃を受けた!

    歎異抄は親鸞(1173-1262)の教えを直弟子の唯円がまとめたと言われる書。親鸞の没後作られた。親鸞の教えをやさしく説明したもので、大きく分ければ前半が親鸞の言行録、後半がそれに対する唯円の解説となっている。

    わたしにはどんな宗教に対しても信仰はなく、他力本願という言葉くらい聞いたことはあるけれども…… 「他力本願なんて、なんてテキトーで安易な教えなの。修業するとまではいかなくても、生活に気をつけるとか、よいことをするとか、そういうのはないの?」というふうに考えていたけれども、ぜんぜん違った。

    ここからはわたしの読み。

    「他力本願」とは、簡単

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    2018年09月23日
  • 歎異抄

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    今ではウェブ上に様々な現代語訳の歎異抄をよむことができる。本書が出版された昭和33年当時も「現代語訳の優れたるものが続出している」とのことで、本書はあえて解題と解説のみ付したスタイルとなっている。歎異に書かれた思想が時を選ばず読まれていることを感じた。
    近代につまずく時、人はたびたび親鸞を参照する。時にイエスと似通いながらも対峙する煩悶者として。時に西洋哲学に対する日本的思想の強靭な代表者として。現世における価値判断の欺瞞性の暴露や、近代的教育ではありえない絶対的な他力本願は、西洋思想に比する風格があると見なされてきた。
    自らが内包する根元悪に対してどうしようもない絶望を感じ、それでも己の弱い

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    2018年05月18日
  • 歎異抄

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    念仏唱えてれば救われるという通念が頭にあって、どうしても胡散臭く感じて手を出せずにいた。
    ところが、親鸞のことばというものはそういうものでは決してなかった。彼のことばというものは、決して教えだとかそういう指導的なものでは決してなく、彼が思惟することで知ってしまった驚きから発せられたものだった。
    念仏をひたすら唱えてれば救われるだなんて、彼は一言も言ってない。そんなの知らないとまで言い切っている。彼ならきっと、地獄に行ってもそこでも念仏を唱えているだろう。彼にとって念仏とは、それしかできないからそれをするより他ない、そういうものなのだ。
    弥陀の本願という存在しない(知ることのできない)ものによっ

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    2016年03月08日
  • 歎異抄

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    いい呪文がたくさんある(*^^*)

    「弥陀の誓願不思議にたすけられまひらせて往生をばとぐるなりと信じて、念仏まふさんとおもひたつこころのおこるとき、すなはち摂取不捨の利益(りやく)にあづけしめたまふなり」

    「本願を信ぜんには、他の善も要にあらず、念仏にまさるべき善なきゆへに。悪をもおそるべからず、弥陀の本願をさまたぐるほどの悪なきゆへに」

    「とても地獄は一定すみかぞかし」

    「善悪のふたつ、そうじてもて存知せざるなり」

    「よろづのこと、みなもてそらごと、たわごと、まことあることなきに、ただ念仏のみぞまことにておはします」

    自分が悪人であるという実感に痛めつけられてどうしようもないころ

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    2013年03月04日
  • 歎異抄

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    これが一番薄くて良いです。「善悪はこの世の都合」みたいなセリフは、並の人間ではなかなか言えるものではありません。

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    2009年10月04日
  • 歎異抄

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    唯円(1222-1289)の著。1300年頃刊。浄土真宗の開祖親鸞の直弟子である唯円が、親鸞の没後、真宗に対する諸々の誤解を払拭すべく、親鸞の言葉をまとめている著である。本文自体は非常に短く、すぐに読める。原文に加え、十分な解説が列記されていて非常に分かりやすい。「絶対他力」「悪人正機」「自然法爾」といった真宗の教義が非常によく分かる名著である。岩波文庫の売り上げランキングにおいても上位に位置しており、多くの人々に読み継がれている名著である。

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    2009年10月04日
  • 歎異抄

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    弟子の唯円が著した親鸞の言行録。「悪人なおもて往生す。いわんや善人をや」というあまりに馴染み深い一節がある。

    歎異抄とは、「異論を歎く」とあるように、親鸞の教えに対するさまざまな誤解に応えたものである。

    「阿弥陀に全て任せて良いなら努力もいらんよね」とか「念仏だけで良いわけねーだろ。修行が必要だろ」みたいな当時よくあった誤解について答えている。

    ルターの免罪符の否定、教会信仰によって救われるといった考えと通底しているようで面白かった。

    岩波の本作は逐語訳ではなく、大意と単語説明がある程度なので、細部までの理解は難しいが、親鸞の教えを知っていれば、細部に拘泥せず読み通すことができるだろう

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    2025年11月25日
  • 歎異抄

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    親鸞の口伝の教えを弟子の唯円が門徒のためにまとめたもの
    。師の存命中に異端論争が起きることから、真宗とは難解なものなのでしょうか。また、この書が明治の世まで秘されていたことは、どういう理由なのでしょうか。なんとも、不可解なテキストです。

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    2021年08月14日
  • 歎異抄

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    親鸞を師とあおぐ唯円が、その教えに対する異説があるのを嘆いて書いたという『歎異抄』。

    「善人なをもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」
    いわゆる悪人正機説で有名な親鸞。

    とはいえ、善行を積まずとも「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えるだけで成仏して浄土に行くことができるという他力本願の思想は、当時においても違和感を持たれており、そうはいっても善行は大事だよね、というような他力本願思想の徹底さを欠く異説がたくさん出ていたという。自分がまさにその言葉を聞いたときに持った違和感は時代を越えておそらく多くの人が共有するものだろうし、そういった反応があったという状況は容易に想像できる。親鸞はその他力本願の思想の

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    2021年08月14日
  • 歎異抄

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    読書会課題本。久しぶりに手にとったが、文句なしの名著。格段ごとに入れている解説も簡潔にまとまっていて、読みやすい。しかし仏教学の素養がないと理解しづらいかもしれない。

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    2020年11月09日
  • 歎異抄

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    ラジオか何かでこの本が取り上げられており興味を持って手に取って見る。
    親鸞に師事した唯円(ゆいえん)によって鎌倉時代に書かれた仏教書でとのことであるも、無学なワタクシには少々難解。五木寛之さんの著書から概念を掴んだ上で改めて読み直したい。

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    2017年11月18日
  • 歎異抄

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    浄土真宗の聖典。
    読んで初めて分かったけど結構危険思想じゃないかこれ??
    念仏唱えてれば基本的に他力で往生できるし・・・。
    そう思って色々調べてたらなんとベルギーでカルト認定されてたw
    新興宗教じゃなくてもカルト認定ってされるのねw

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    2011年12月10日
  • 歎異抄

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    専修念仏。
    浄土を願い、ひたすら念仏を唱える。
    すると他力で浄土へ参ることができる。
    そこに善人悪人の区別はない。
    ただただ仏を信じて念仏を唱えること、それが光明。
    ということですかね。

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    2009年10月07日
  • 歎異抄

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    対訳ではなく、「大意」が付されるのだが、よく読むと相当に省略されていることがわかる。特に13章は解題でも扱いかねている様子がみえる。

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    2025年09月25日
  • 歎異抄

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     読んだのではない。、聞いた。情けないのだろう、わからない。どんな内容か調べてみた。
     親鸞聖人の思想を記した「歎異抄」は阿弥陀仏の救いを信じる者の心情を描く書である。だがその言葉は一見簡明ながら深淵な意味を孕む。「善人なほもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」という逆説的な教えは人間の罪深さと仏の慈悲を鮮やかに示している。その核心は自力ではなく他力に委ねる信仰の重要性だ。親鸞の教えに触れることで私たちは自己の弱さを見つめ直し、救いの意味を問う旅へと誘われる。この小さな書物は時代を越えて信仰の本質を問い続けているとある。

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    2024年12月27日
  • 歎異抄

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    歎異抄。親鸞のお弟子さんとは言ってはいけないのかな。晩年を共にした唯円が著者という。歎異抄は異議者を嘆いているのであって、論破しようとしているのでは無い。なので歎異抄なのだと知る。嘆いているのだね。しかし難しい。一回読んでも分からない。だから解説本があるのかな。現代語のところだけを流し読んだからか。他力の念仏。仏教は深いね。

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    2020年08月05日
  • 歎異抄

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    「善人なをもて往生をとぐ、いわんや悪人をや。」
    で有名な歎異抄を再読。あの司馬遼太郎さんが「無人島に一冊の本を持っていくとしたら『歎異抄』だ」と語り、映画化されたようだ。
    正直、前半の「教義」で予習しても、よくわからない。ただ、鎌倉時代に革新を起こしたであろう平易な文章に、現代のブログ的な自然体を感じた。今後も読み深めたい。

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    2019年09月16日