津崎良典のレビュー一覧

  • デカルトの憂鬱 マイナスの感情を確実に乗り越える方法

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    デカルト哲学は、この時代の哲学が理性の改善を追求した中で、方法を中心とした技術的なマニュアルを、掘り下げていった。学校教育を自身で振り返り、確実な何ものも得られなかったと反省した後、自分自身の改革として一から全てを組み替えていったデカルトの人生は、その哲学とともにスリルに満ちている。そんな事も含めて、多岐にわたる話題から語り出されるデカルトを交えた講釈が、本書の魅力。退屈なしに哲学に触れられる楽しい一冊です。

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    2018年04月12日
  • デカルトはそんなこと言ってない

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    デカルト研究者の大家(翻訳者の師匠)における、デカルト「入門書」。

    入門書とは紹介されているけれども、デカルト一般として流布している「心身二元論」や「コギト・エルゴ・スム」などの前提知識がないと厳しい内容かな。その常識を矯正するという試みが本書の論旨となっているので、中級者向けといった印象。

    デカルトの理性至上主義で冷徹な印象がなんとなくあったけど、本書を通して「情念」や「身体」といった面にも重点を置いていたのではという主張には目を見張るものがある。上澄みだけをくみ取って知った気でいることの浅はかさと危うさを学問によって突き付けてくれる心地よさを感じる。

    とはいってもデカルトの一般的な概

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    2023年06月11日
  • デカルトはそんなこと言ってない

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     2021年8月に初めて「方法序説」を読み、「ひょっとしたら、近年最もネガティブな評価の与えられている哲学者の一人ではないかと思っている」などとここで書いたら、偶然にも次月にこのような訳書が出版されていた。「物事が真たりえる基準」それ自体を深く検討したほとんど唯一の哲学者デカルトは、明晰さと判明さを重んじ自らの原理を絞り込んだために、後世の読者の間にその思想はシンプルな言説で要約可能だという誤解をもたらした。現代におけるデカルト研究の第一人者である著者は、本書で21の典型的なデカルト解釈を例示し、直接の一次資料を引用しながら、その要約的な言い換えやクリシェに含まれるノイズを取り除いてゆく。

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    2022年01月02日
  • デカルト 魂の訓練 感情が鎮まる最善の方法

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    デカルトの情念論を中心に、感情のコントロール法を解説した一冊。哲学書の解説ではあるが、哲学くささはなく、読みやすい。

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    2020年05月05日
  • デカルトの憂鬱 マイナスの感情を確実に乗り越える方法

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    デカルトという人が好きになる本。一度は見たことある名言の裏側に流れる文脈を知ることができるから、デカルト哲学をちゃんと自分の問題に応用する際の貴重な手引きになる。ということで、ビジネスにも役立つ。

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    2018年04月11日
  • デカルトはそんなこと言ってない

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    表紙はかわいらしいし、タイトルもとっつきやすそうだが、内容はむずかしめ。
    デカルトのイメージ的解釈からデカルトの書いてあることの著者なりの解釈をする、という順序であるので、余計にややこしいのかもしれない。哲学書の翻訳はむずかしいが、それもあるかも。

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    2022年12月22日