コルム・トビーンのレビュー一覧

  • ノーラ・ウェブスター

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    ネタバレ

    年頃が近いからだけでない深い共感と、感情抑制への敬意。連れ合いの死の喪に3年は長いか短いか。SNSのある時代にこれを読む不思議。いや、今だからこれが小説としての力を持つのか。

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    2018年03月03日
  • ノーラ・ウェブスター

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    コルム・トビーン。アイルランドを代表する作家だそうだ。ノーベル賞の下馬評にも名前が挙がっているとか。はじめて読んだのだが、こういう作家さんがノーベル賞をとってくれたら嬉しいなあと思う。
    『ノーラ・ウェブスター』は自伝的小説だそうである。主人公は作家の母と同じく46歳で夫に死に別れ、父の死後、吃音症になった息子は作家本人に重ねられる。
    それまでは世の煩いごと…お金を稼ぐということから、小さい村での人づきあいまで…を人望の厚い教師だった夫にたのみ、それを「自由な生活」だと居心地よくおさまっていたノーラ。夫の死からすべてが現実的に彼女の双肩に乗ってきた。
    頭の切れそうな妹には「言いたいことが何もない

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    2018年02月07日
  • ノーラ・ウェブスター

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    舞台は1960年代後半のアイルランドの保守的な町エニスコーシー。夫を亡くし空虚な日々をおくる40代半ばの主人公ノーラの心の変化が静かにゆっくりと内省的に綴られる。「秋から冬にかけての数ヶ月間、彼女の目標は、息子たちのために、そしておそらくは自分自身のためにも、涙をこらえることだった。」"Her aim in those months, autumn leading to winter, was to manage for the boys’ sake and maybe her own sake too to hold back tears."
    モーリスの生前、ノーラは自分

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    2025年09月02日
  • ノーラ・ウェブスター

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    なんか、こう、女の強さと弱さとしたたかさと脆さがいい塩梅で描かれていて、なにも取り繕ってない感じが素敵でした。
    女の嫌なところ、素敵なところ、だめなところ、良いところが、所狭しと詰まってました。

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    2019年04月13日
  • ノーラ・ウェブスター

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    地味な物語である。夫を失った46歳女性が4人の子と一緒に生活を立て直す話なのだが、これといってドラマチックなことは起こらない。全てがちゃんと時間をかけて少しずつ変化していく。関係が消失するということは、守るべき義理やしがらみのような制限もなくなり、自由になることでもある。また、主人公がわりと人を突っ放したような性格で容易には共感できないのもすごい。音楽に出会ってからの活きいきした描写は読んでいて楽しい。

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    2018年05月12日
  • ノーラ・ウェブスター

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    夫を亡くしたノーラの3年間。
    お金のこと、仕事への復帰、子どもたちのこと、親戚のこと、政治、音楽。考えなきゃいけないこと、やらなくてはいけないことがたくさんあった。
    3年なんてあっという間だということが驚くべき筆致で描かれている。(ヨーロッパ的な節目に疎いせいもあるのだろうけど、一回忌などもしないし、そんな感傷にひたるひまもノーラにはないので、恐るべきスピードで年月がすすむ。読み終えた時、はじめてこれで3年も経ってしまったの?と感じるのだ。)

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    2018年01月21日
  • ノーラ・ウェブスター

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    この人も、ハズレのない作家だなあ。
    ノーベル文学賞に近い1人。
    手に入りにくくなっているものもあるのが惜しまれる。

    人生には大なり小なり避けることの出来ない荒波があるわけだけれど、静かに骨太に揺られる。

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    2017年12月13日