コナン君の出てくる歴史マンガ。娘(八)が読んでいたので読んだ。マンガは、現代からタイムスリップしてしまった少女たちの冒険もの(コナン君の影は薄い)。コラム的にテキストページが何度か挟まれ、そこに歴史解説が書かれている。
以下、主にコラムより、印象に残ったことだけメモ。
■小野篁(おののたか
...続きを読むむら)
“おのおのむらむら”こと小野篁がマンガのお話上の悪役として登場する。百人一首にも取り上げられた和歌「わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ あまのつり船」の詠み手である。
この人は昼間は朝廷に使える役人、夜は地獄に通い閻魔大王に仕える裁判官として働いたという伝説の持ち主なのだそうだ。全然知らなかった。京都市東山区の六道珍皇寺には、彼が地獄通いに使ったと伝わる「黄泉がえりの井戸」が残っているという。
史実上のむらむらは、貴族らしからぬ激しい気性の人だったそうで、上司に歯向かったり朝廷を批判したりして隠岐に流されたことがあり、前述の歌は隠岐へ行く際に詠んだものらしい。上司に歯向かうだとか上部組織?の批判だとかいうのは、その内容ややり口にもよるが別にそれ自体悪いことではない。どんな人だったのか気になる。今後勉強してみたい。だいたい一文字で「たかむら」と読むこの漢字も何なのか。それもいつか調べたい。
■渡辺綱(わたなべのつな)
マンガでの立ち位置はキラキライケメンなのか三枚目なのかよくわからない感じで登場する。残念なイケメンという扱いなのかな…。
大江山の酒呑童子退治伝説や、京都の羅生門(羅城門?)で茨木童子の腕を切った伝説で知られる武士。朝廷に従わない人たちのことを「鬼」として伝えたのではとされる。この辺も知らないことばかりなのでいつか勉強しよう。
■院政
マンガでは語られず、コラムのみ。藤原道長、頼道の摂関政治のあと、頼道の娘に男子が生まれず、藤原氏の権威は弱まっていった(娘さんの受けたプレッシャーたるや…)。そして院政へ。そのころヨーロッパではちょうど、十字軍の時代でしたよというコラムもあり。ちなみにイスラム側の歴史では「十字軍遠征」ではなく「フランクの侵攻」。
なお、娘はマンガしか読んでいないらしく、現代から平安時代に飛ばされてしまった姉妹の「姉妹愛のシーンがアツいから読んだ方がいい」と言ってきた。まあ確かにそういう楽しみ方もできた。謎解きはそこそこに「エラリーがかっこいいからエラリー・クイーンが好き」と言っている私がどうこういうことはできない。どんな形であれ子どもを歴史に親しませてくれる本はありがたい。