統計的には母親と父親ではどうしても子どもにあげられるものが異なるようです。
母親は優しさから安心や安らぎを、
父親は外との繋がりをもたらし社会性を、
子どもは伸びるそうです。
今のご時世、イジメやネット依存など、沢山の不安が身近にあるとも言えます。こうしたものとうまく付き合うには親子の繋がり、特に自分は見守られているという安心感が重要。それは普段の接し方、親の真剣な触れ合いが支えとなります。口下手だろうが屋根の下に一緒に暮らしていれば伝わるものがあるのです。
今、自分も子育てする父親ですが、子どもとの関わり方は真摯に向き合いたいと改めて思わせてくれました。
以下は自分が特に心に響いた部分の抜粋です。
・愛情を強めるオキシトシンは、愛や絆を邪魔する相手に対して攻撃性を強める働きもします。たとえ夫でも、育児に非協力的な態度を見せれば、攻撃の対象になりかねません。ときには夫婦関係に破綻を招くほどの攻撃性です。オキシトシンの分泌ふ哺乳類共通の生理作用ですが、動物も子育て中は子どもを守るためかな容赦ない行動に出ます。愛を守るために攻撃性が高まることは、心得ておくべき重要事項です。(33ページ)
・オキシトシンとママのリラックス度を調べた実験です。リラックスしてオキシトシンが高まる場面は2つ。
1つは授乳中、もう1つは夫と子どものことについて話している時。夫が妻と向き合い、まじめに育児の悩みを聞いているとき、妻は心からリラックスしていたとのこと。アドバイスがなくとも、自分の話が受け入れられ、夫が寄り添ってくれていると感じるだけで、妻はリラックスできてオキシトシンがよく分泌されました。(34ページ)
・「反抗期の子どもにどう働きかけるか」
もちろん思春期になってから子どもに関わろうとするのは無理があります。子どもの耳を自分ほ言葉に傾けさせる準備は、生まれたときから始まっています。寝返りをうってハイハイをし、自分ほ足で立って歩いて、言葉やいろいろな力を獲得してきた成長の軌跡をともに過ごしたからこそ、むずかしい年頃になっても親の言葉に耳を傾けるのです。自立に向かう子どもが助けを必要とするときに備え、それに応える土壌を家庭につくっておくのは親の側にしかできないことです。
パパと過ごしてその生き方にふれておくことは、子どもにとって、将来起きるかもしれない苦難に対処する力を受け継ぐことを意味します。男親の荒っぽい遊びを通じて、攻め方や身を守る術を学べます。パパとのお出かけは、他人との協力のしかた、交渉のしかたや取りまとめ方など社会性を習い覚える機会になるでしょう。こうした積み重ねが、アドバイスを聞き入れる親子関係を築いていきます。共通の経験で育んだ信頼の絆ゆえのことなのです。(98ページ)
・「子どもは親の本気度を見ている」
子どもへの言葉かけや接し方のテクニックの上手、下手よりも、子どもが見ているのは親の本気度です。真剣に自分を見てくれているか、自分にどれほどの関心を向けているか、子どもたちは独特のアンテナで敏感に感じとってしまいます。同じ屋根の下に暮らしているのですから、小手先のテクニックでは長持ちしないし、そうした働くかけをしたところで返ってくるのはやはり表面的な反応にすぎません。
誰であれ自分に関心が向くのは、うれしいものです。親の真剣さを、子どもは喜んで受け止めます。
小学生にもなれば、厳しいことをいい渡さなければならない場合もあります。しかし本気くら出た言葉が自分への思いやりがこもったものであることを、心のどこかで子どもは了解しています。