高梨健吉のレビュー一覧

  • 日本奥地紀行

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    JALの機内誌で紹介されていたことがあり、興味はあったのだが、
    それからだいぶ経ってしまった。

    明治11年の夏、47歳の筆者は
    横浜から、東京、粕壁(春日部)、栃木、宇都宮、今市、日光・・・
    新潟、米沢、秋田、弘前、青森そして、蝦夷へ。
    函館、室蘭、紋別・・・別とはアイヌ語で川。
    伊藤という18歳の通訳の少年を連れて。

    所持した荷物が簡易ベッド、ゴム製バスタブ、蚊帳・・・と驚くが、
    当時は蚤と蚊だらけの不潔な宿ばかり。
    襖と障子の部屋にプライバシーはナシ。障子のたくさんの穴の向こうに目が。
    外人をひと目みたいと、見物人が数百人集まってしまう。

    当時の暮らしぶりがよく記述されている。
    地方の農家では夏は男女とも上半身裸で、
    女性は明治になっても、子どもが生まれるとお歯黒し眉をそる。
    そのため20歳は年寄りに見える。
    かなりの酷評をされる一方、治安の良さと親切さには感銘を受ける。

    後に金谷ホテルを創業する金谷さんの金谷カッテージ・イン。
    きれい過ぎて落ち着かないほど。
    東照宮とその周囲の杉並木の立派さに感銘を受けた日光。
    桃源郷だと最高の評価をされている米沢。
    天候以外は文明化された町が気にいった様子の新潟。
    ヨーロッパの要素がないにもかかわらず、貧乏臭さのない久保田(秋田市)。

    もっとも詳しいのが、原住民アイヌの描写。
    野蛮人だが、正直で、人をだますことなしない。
    日本人と全く異なるきれいな顔立ち。住居。
    日本人以上に、子どもを大切にする。驚くことにほとんど病人がいない。
    しかし、彼らは酒のみが楽しみで、収入のほとんどをそれに使ってしまう。
    風呂に入ったり、髪を洗うこともしない。
    トリカブトの毒矢で熊を殺して食べる。

    日本人の食事は米と味噌汁、豆の煮物、卵、塩魚くらい。
    牛乳は子牛のためのものであって、それを飲むなど卑しいこと。
    緑茶はスコットランド人にも非常に香りがよいとされた。

    三味線や琴は雑音にしか聞こえなかったようだ。

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    2022年03月21日
  • 日本奥地紀行

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    読み終わって、僕が知っていた明治時代の印象が大きく変わりました。外圧や災害で時代が激しく揺れ動いている今、外からの視点がとても大事だということを改めて思い知ったように思います。当時の中央が外国人に見せたくなかった現実が生々しく描写されていて、貧乏と清貧を混同して語ってはいけないなと改めて痛感しました。
    それにしてもイザベラバードの旅好きから高じたタフさ加減には脱帽。あの時代にあのルートを外国人女性が愉しみながら旅してたなんて、やっぱりイギリスは先進国だったんだなーとしみじみと思いました。

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    2012年03月24日
  • 日本奥地紀行

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    民俗学では欠かせないアイテムのこの本。江戸時代に英国夫人であるイザ・ベラ・バードが一人で東北地方へ旅をし、(海外からの)客観的に見た当時の日本を知るなら持ってこいの一冊。
    人文学科、コミュニケーション文化学科の人は見ておくべき!?

    生協学生委員会お勧めの書籍です。

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    2012年03月18日
  • 日本奥地紀行

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    山形県金山町は、イザベラバードに絶賛された町ですというのを前面に押し出していて碑まであるので、どんな紀行だろうと読んでみました。ほぼ愚痴、そして後進国で不衛生というのが前面に出されていてイギリスでブームを起こしたのもなんだかなぁと。肝心な金山町は半ページほど。三角の木(金山杉)が生えて、ロマンチックな町と記載があるのみ。あとは虫刺されで酷い思いをした事がつらつらと。そっちの方がメイン。皮膚病、脚気、蚊やネズミ、ご飯が酷い そんなことばかりで読んでいてつまらない。ああ、あの道を通ったんだなと頭の中で地図を思い描く。ただそれだけ。
    新潟が太平洋側と比べると不愉快な気候。というのは納得だし昔からそうなんだなぁと思った。
    途中で「空気がうまかった」と書かれている箇所があり、訳が男性故にここだけ読む時に引っかかり変に目を引いた。

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    2026年08月19日
  • 日本奥地紀行

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    明治時代の女性海外僻地ひとり旅!外国の人から見た日本の人や風景が、少し難解でショック。
    しかしスゴイパワーだなぁ。

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    2019年04月11日
  • 日本奥地紀行

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    ネタバレ

    明治11年(1878)に初来日し日本の奥地(外国人がまだ踏み入れていない地域)を歩きたいというイギリス人女性イザベラ・バード(当時43歳)が北日本・北海道を日本人の通訳兼世話人伊藤を伴っての旅行記。彼女は脊髄彎曲症で健康回復のために旅行に出たとのことだが、そういう病気を持ちながら、長い間歩いたり、馬の背に乗って揺られたりしたのはさぞや大変だっただろうと思う。(普通そういう人は未開発地の踏破なんて考えないでしょう)でもまあ、食事だとか蚊についての愚痴が多いこと。

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    2019年03月19日
  • 日本奥地紀行

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    明治維新後の日本を外国人の女性が一人で旅する、
    そのシチュエーションだけでもすごいな、と思う。
    当時の女性としてはすごい度胸だっただろう。
    詳細な記述により当時の様子が克明に分かって面白い。

    自分が何よりも面白かったのは、当時の英国人がそれはもう
    ナチュラルに日本を見下している事だ。
    何から何まで上から目線。
    日本の馬を毎回のように「駄馬」と書く。
    いらっとする事もたびたびあったが、本人に悪気は全くない。
    これが当時の差別の現状なのだと思った。
    そういう意味でも勉強になった。

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    2012年12月31日
  • 日本奥地紀行

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    けっこう辛辣だけども精密な描写で、100年ちょっと前の日本はこんなだったんだなーと新鮮な驚き。東北地方についてはちょっと似た感じが長々と続いて飽きたけど、アイヌのところは興味深く面白く読めた。たぶんもう、ほとんど消え去ってしまったし・・・。

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    2012年06月24日
  • 日本奥地紀行

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    明治初期、鉄道もなく整備された道さえない山間の農村集落を巡りながら、東北地方、蝦夷へ単身で旅をする。
    今でさえ難しく感じるこの道のりを、言葉も不自由な外国の、しかも女性が成し遂げたという事実を、どれだけの人が知っているでしょうか。

    「だだだ大丈夫!?」―最初の私の印象。
    読み進めるほどに、イザベラさんのタフさに圧倒されます。
    宿では大量の蚊や蚤と戦い、道では馬に落とされたり踏まれたり暴れられたり、川を泳いで渡ったり、首つりになりそうだったり。
    そんな過酷な状況を面白がってるところがあっぱれ。
    加えて、彼女のものを視る目の公平さに心を打たれます。
    美しいものは美しい。
    醜いものは醜い。
    自然も人間も彼女の感性のまま、ありのまま描かれます。

    「ああ、しかしなんとすばらしかったことか!」
    そう彼女に言わしめた数々の景色は、現代ではきっとほとんど失われてる。
    でも、この本の中で、色褪せることなく輝き続けています。

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    2012年06月05日
  • 日本奥地紀行

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    スコットランド出身のイザベラ・バードの1878年(明治十一年)の6月から9月にかけての東北,北海道紀行の記録.交通機関は人力車と駄馬で,この馬にはそうとう困っていたようだ.
    宿屋では外人女性を一目見ようと人々が群がり,プライバシーがなく,おまけに蚤,蚊,悪臭に始終つきまとわれている.さらに夜中の隣室の宴会によって,眠れないこともしばしばだったようだ.食事のひどさも相当だったらしく,肉への執着をしばしば口にしている.

    多くの町はそのひどい様子をこき下ろされるのだが,山形県と秋田市(久保田)は非常にほめられているのが印象に残った.
    (バードが通ったところで私がいちばん行ってみたいと思ったのは,青森県黒石.ねぷたが見てみたい.)

    残念ながら,私は民族学的な興味はあまりないので,この本の価値はそういう記述にあるのだろうなと思いながらも,しばしば退屈に感じることがあった.500ページ以上あるので実際長いのだが,その長さを感じさせるページも少なくなかったということ.

    それよりも私は実際にどのルートを通っていったかにとても興味があって,はじめは地図帳や google map で調べていただのが,これが意外に難しい.地名が使われなくなっていたり,バードが思い違いをしていたり,旧道がすたれてなくなっているからである.それで途中から,参考書を開きながらという読書になった.

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    2012年05月30日