ロジャー・ゼラズニィのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
犬の日記視点で描かれる異色の小説。
ロジャー・ゼラズニイ27年ぶりの邦訳新刊。
舞台は19世紀イギリス、クトゥルフ神話をバックボーンに切り裂きジャックや某「伯爵」、某モンスターや某名探偵が、ある儀式をめぐり駆け引きを行う。
ところがあくまで主人公は使い魔たる犬であり、彼が主に他の使い魔(猫、蛇、梟、鼠、鴉etc…)とコンゲームを繰り広げるのだ。この犬の視点こそがこの小説の醍醐味であり、ゼラズニイの飄々とした文体とマッチしている。
ゼラズニイがクトゥルフ神話を題材にして、動物視点でのコンゲームを描く、とモリモリの作品。
なお、主人公の犬とヒロインの猫の名コンビっぷりは二匹の関係性も含めて特筆に値する。 -
Posted by ブクログ
虚ろなる十月、万聖節前夜(ハロウィン)が満月の時、旧き神々が地球へと帰還するための道が開かれようとする。
その時、適切な数の人間が、適切な場所に引き寄せられ、ある者たちは道を開く手助けをし、他の者たちは道を閉ざす努力をする。誰が敵で誰が味方か。それはその時になるまで、そして終わるまでは誰にもわからない――。
19世紀末のロンドンを舞台に、怪人たちが暗躍と駆け引きを繰り広げるゴシック・サスペンス。
本作の主軸はゴシック✕クトゥルフ神話。小説から映画まで、ゴシック作品で有名なキャラクターたちがプレイヤーとなり、2つの陣営に分かれてゲームを行う。なにより、作中で主に描写されるのが、プレイヤーではなくその使い魔たちというのが、ゼラズニィ特有のユーモアを発揮させるのに役立っている。
しかしプレイヤーたちの駆け引きは紳士的で、物語の大半はゲームの準備に費やされるため、起伏の少ない展開に読者は序盤で本を閉じてしまうかもしれない。勿論作者はそれを想定しており、スパイスとしての副軸として、フーダニット(誰が犯人か?)な事件も用意している。これが双方を惑わせ、プレイヤーには混乱を、読者には面白みを与えてくれる。
クトゥルフ神話の方はと言うと、旧支配者の名前や魔導書の類が登場する程度かな、と思いきや、がっつりとその要素を散りばめている。ネタバレになるためにそのあたりは詳しく言えないが、クトゥルフ神話の "世界観" の方を好む人には、本書を楽しめるだろうし、クトゥルフ神話に無知な人でも楽しめる仕様となっている。