えぐい。最近の注目されている研究や概念のメタ分析。
一つのトピックに対して、複数の論文を出しながら、成功に紐づく行動様式を分析していく。
メタ分析は精度が高いと言われるが、本当にその通りだと思った。たとえば、外向性と内向性で外向性が良いという研究結果が多いので、まずはそれをメタ分析して、結論を出し
...続きを読むていく。その上で内向性のメリットも出して、両方をフラットに見ることに成功している。
おおよその研究はポジションをとって、ある特性のメリットを中心に描かれるので、本質的な理解が難しい場合がある。というか思考が偏る。
ただしこの本ではメタ分析という手法を通じて、フラットにニュートラルに研究結果を分析できており、多面的な理解、本質的な理解、偏らないフラットな理解が可能になる。
ただのメタ分析だけなら、まあ、という感じだが、この人は、最近世間的に認められている様々な研究者と繋がりがあり、その性質や考え方の精度も高いと思われる。
(GIVE &TAKEのアダムグラントがよく登場する。ドラッカーからはインタビューを断られているが。。)
さらに特筆すべきなのが、翻訳の素晴らしさ。難解であるはずの本書だが、すいすいと頭に入ってくる。
比較したいのはドラッカーのマネジメントで、非常に難解なまま、翻訳されていて、よくわからない抽象的な表現が多い。途中で本を閉じたくなるくらい。
本書は非常にわかりやすく、外来語をそのまま使うことすくなく、難解な日本語を使うこともなく、日常的な用語を中心に使用し、非常にわかりやすい。
この本は傑作だ。
100回読みたい。