エリザベス・ベアのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
決して面白くないわけでは無い作品なのだが、
タイトルから想像するに、サクラ大戦(帝国華撃団)的な
蒸気で駆動されるパワード・スーツ同士の集団白兵戦の描写を
勝手に期待していたので、予想外に地味な展開に肩すかしを食らったかのような読後感。
でも、ゴールドラッシュ時代のアメリカの雰囲気が楽しめたので良しとしよう。
*** 追記 ***
そういえば、日本語の『みしん』とは、
英語の“Sewing Machine”の“マシン”が訛ってできた
和製英語でしたね。
だから語源的には、ミシン(Machine)が
パワードスーツに変形しても問題ないとの理屈なのかしら。 -
Posted by ブクログ
19世紀後半のアメリカ北西部の港町をモチーフにしたスチームパンク小説。
ラピッド・シティの高級娼館モンシェリで働く主人公カレンが、別の娼館から足抜けしてきたインド人の美少女プリヤをかくまうところから物語は始まる。
カレンはプリヤに一目惚れしてしまい、プリヤのために彼女の妹を救出しようとして……っていうお話。
スチームパンク小説なので、いろいろなアナログガジェットが登場するんだけど、なかでも注目はカレンが乗り込む甲冑型ミシン!(いったいどんな構造なのー?)
この小説の世界では、甲冑型の機械っていうのはごく普通の工業製品で、甲冑型ミシンもそのひとつ。
ただ、モンシェリのミシンは、カレンの仲間にして -
Posted by ブクログ
カレン・メメリーは”縫い子”だ。
彼女はモンシェリという館で働いている。
実際に19世紀後半のシアトルで約三千人の女性が”縫い子”として登録されていたそうだ(訳者あとがきより)。
どうして” ”がついているかって?
だって彼女たちは、娼館で働く、娼婦だから。
本書にはアメリカの歴史がそれとなく織り込まれている。
私はなんとなく舞台をイギリスのように感じていたが。
例えばラジウム時計の生産現場で、筆を舐めてその先を尖らせていた女性行員たちに発症した奇病。
放射性物質を摂取したことで起きた顎の骨のガンだ。
この話などが盛り込まれることで、近代と、SFが混ざった独特の面白い世界を作り上げている。