麗澤大学清水千弘研究室のレビュー一覧
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テレビ番組や本で日本はこんなに素晴らしいという主旨のものがはやっている。すばらしい面もあるが、その一方で避けては通れない現実もある。それは、人口減少、高齢者の増加に伴う医療費、年金負担増加などが挙げられる。
今回の本では、地価の下落をキーワードにしてこれからの日本について考える1冊となっている。
人口が減っていくことで議論の対象になるのが外国人を労働者として受け入れるかどうかという問題が浮上してくる。もうすでに日系ブラジル人を受け入れているし、少ないながらもインド人や東南アジアの人も増えている。
東京の東に位置する西葛西は、都心に東京メトロ東西線で一本の場所にあり、家賃も安く、 -
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人口減少で地価下落か、当たり前過ぎてつまらんな、と思いつつ手に取ったが中々楽しめた。タイトルの「3分の1」という数字自体には本文にもある通りさほどの意味はなく、実は地価がメインイシューというわけでもない。本書が最も強く焦点を当てているのは、終盤の対談からも明らかなように実は「移民」だ。冷戦下での高度成長という僥倖により過去の中途半端な成功体験を得てしまった日本が、これから移民という問題にどう向き合うべきかというのは確かに難しい問題。
「生き残る都市」として本書では自由が丘や中野、池袋が「個性が一貫した都市」の例として挙げられているが、一方でこれらの都市は若者が世帯を持った時には他都市へ転出し -
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ネタバレ2040年の日本の地価を大胆に予想します。人口動態から「消滅可能性都市」が発表されたのは記憶に新しいですが、「高齢者と生産性人口の割合が地価に影響するとすれば」という前提で各地の地価を予想します。『日本の地価は3分の1に」でのけぞりましたが、「札幌の地価は4分の1に」でさらにのけぞりました。実際には、高齢者と生産人口の比率のみで地価は決まらず、あくまで需要(住宅を取得したい人)と供給(売りに出したい人)のバランスで決まると思います。地価が下がり続けるのは間違いないと思います。この本の予想で、「高齢者の定義を変え、75歳まで生産人口だ、とすれば高齢者/生産人口の比率は現在と変わらず、「かえって値
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人口動態から予想した、不動産市場の未来を展望している。生産年齢人口(15~64際)と老年人口の割合を分析の基礎にしており、やはり明るい展望は少なく、地価は下がるとしている。状況の悪化を食い止める方法として生産年齢人口の定義の変更が議論されているが、どうやらそのようになる確率がかなり高まったと感じた。75歳まで働かされる世の中になるのだろう。今後はそれを前提とした人生設計が必要になると思われ、真剣に考えてみたい。本書の中では、世界の都市との比較や、移民をどれぐらい受け入れれば地価が維持できるかや、東京圏の中で浮上する街と停滞する街を予測しており、議論の内容が面白い。個人的には豊洲の30年後がどう