フェリクス・J・パルマのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「時の地図」の続編。前作と同じくH・G・ウェルズが狂言回しを演じ、上巻は殆ど「遊星からの物体X」の19世紀版。それはそれで面白いけど、同時進行する時間の帝王ギリアム・マリーとアメリカのお嬢様エマ・ハーロウの恋愛ヨタ話は何処でどう物体Xと絡んでSFになるの?と心配しながら読み進んでいると、下巻でチャールズ・ウィンズロー、シャクルトン将軍、妻のクレア等「時の地図」の登場人物が出てくるあたりから物語は加速、必死の逃避行の末、上巻ではギリアムに見向きもしなかったエマは地下道で一緒に死ぬことを選び宇宙人を道連れに二人で自爆!(ほとんどエイリアン2) 究極の純愛に涙したところで怒涛のエンディングに突入、ラ
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Posted by ブクログ
ネタバレ下巻に入り、関係者達の相関関係はどろ沼状態。
それぞれがどんな思惑で動いているのかなかなか見えて来ない中、挑戦ゲームの日が刻一刻と近づいてくるところに緊迫感を感じる。
怪しい奴は湧いて出てくるが、すべからく空振り。
″怪物″は本当にディエゴの小説の中から解き放たれたのか!?
犯人逮捕に漕ぎ着けないため、結果的に三度目の挑戦ゲーム(一度目は犬の糞を完食し、二度目は拷問器具の拘束に7時間耐え、、、)に臨むことになったディエゴだが、さすがに肉体的にも精神的にも限界を迎え。。。
下巻中盤、第二部として突如犯人側からの視点で語られる。
まさかの『模倣犯』的展開!
ちょっとテンション上がっちゃいました -
Posted by ブクログ
前作「時の地図」がとっても面白かったので、何とあの続編が!と期待に満ち満ちて読み出したのだが…。うーん、どうだろう。
「時の地図」は名作SFを換骨奪胎したおふざけが本当に楽しく、最後には正当派SFらしい大きなまなざしが感じられて、いたく感心した。本作でも「宇宙戦争」をはじめとするよく知られたSFが自在な手つきで料理されているのだが、上巻の段階ではどうにも心が弾まない。下巻の半分を過ぎたくらいになってようやく流れに乗ることができたが、そこまでは正直辛かったなあ。
冒頭で全体の仕掛けは見えている。まあ、作者も特に隠そうとはしていない感じだ。そこがなあ、タイムトラベルものとしては興趣をそぐ気がす