マクドナルドのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ジョージ・マクドナルドの短編(彼の場合、フェアリー・ストーリーと言ったらしいが)も初めて読んだが、なかなか面白かった。
先だって読んだ長編物語もそうだったが、描写が細に入り、非常に美しく、また、ところどころに持ち前のユーモアが垣間見れたりする。
また、ここに収録された二編となると、訳者泣かせだと思うが(原書では)たぶん、言葉遊びや歌のパロディなども味わいどころなはず。マクドナルドと縁の深いルイス・キャロル然り、シェイクスピア然り、イギリス文学の面白さの一端がよくあらわれている。
例えば‘軽い’(light) ‘ 明るい’、そして‘重さ’(gravity)には、‘真面目さ’という意味もあるので、お姫さまは、重さと同時にきまじめさも失ったわけだ。
同じ魔女の企みがらみでも、表題の『かるいお姫さま』とは、また少し趣が違うもののもう一作の『昼の少年と夜の少女』も、なかなか印象深い作品だった。おそらく、作者独特の死生観も投影されているのだろうが、幻想的な描写の数々がとても象徴性を感じさせる。
いずれにせよ、面白いので、いろいろ読んでみたくなりますね。 -
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その友人にはルイス・キャロルがいて、トールキンやC.S.ルイスが愛読し、多大な影響を受けたという、いわばイギリスファンタジーの源流ともいわれるジョージ・マクドナルド。
その古典的作品とは知っていましたが、岩波少年文庫の表紙絵が、なぜか現代的コミック風だったのにはちょっと戸惑いがあったのも否めず(笑)どこかで見たような気もしてたら、竹宮恵子さんの絵だったんですね(挿絵は違います、ちゃんと古風な雰囲気)…読み終えてみれば、怖れを知らない勇敢で可愛いお姫さまと品のいいカーディの要素は伝わるので、まあいいか。
たしかに面白い。独特の語り口と、美しい情景描写、不思議で惹きつけられるおばあさまという、善を導く幻想的存在…おとぎ話のような切り口から、邪悪なゴブリンたちと戦う冒険物語へと、見事に話に引き込まれます。
また、人によって見ているものや見えるものが違うという、一見、不可思議な要素や世界も、実はないとはいえないということ(哲学)が、おばあさまやカーディのお母さんなどを通して、穏やかに語られているのも印象的でした。
続編があり、読みたい気もするけど、そちらはやや暗いとか?(先入観はいけませんねー) -
Posted by ブクログ
この本には表題作と一緒に「昼の少年と夜の少女」が収録されているんですけど、どちらかと言えばこちらの「昼 & 夜」の方が KiKi 好み♪ 「かるいお姫さま」の方はその設定からしてナンセンスで面白いと言えば面白いんだけど、怖いと言えば怖いお話だと思うんですよね~。 待ち望まれて生まれてきたお姫さまが悪い魔女の呪いによって重さをなくしてしまう・・・・と、何だか「眠れる森の美女」を彷彿とさせるようなおとぎ話の王道(?)でスタートするんだけど、ただただ体がフワフワと浮いているだけならいろいろ不便はあっても、それはそれで楽しそうにも思えちゃう。 でもね、どうやらこのお姫さま、失ってしまったのは体の重さだけではなく、オツムの重さ・・・・というか、人間らしい感情が少し欠落しちゃっているような危うさを感じるんですよ。 どんなに深刻な状況でも笑っていて、挙句お姫さまのために、干からびそうになっている湖の水を堰き止めようと命を投げ出そうとしている王子さまを見てもケラケラと・・・・。 ここまでくると「いつもニコニコ、明るくていいねぇ♪」というレベルはとっくに通り越して、何だか寒気がしてきちゃうんですよね~。 とは言っても、そこはマクドナルド。 単なる「荒唐無稽」のお話で終わらせないあたりはさすがです。
(全文はブログにて) -
Posted by ブクログ
あの「金の鍵」に感銘を受けつつも、どうしてもこの本に手が伸びなかった理由。 それは、この「カーディとお姫さまの物語」の表紙の絵にありました。 どこかで見たことがある画風。 決して嫌いではないものの、明らかに「漫画」のソレに何となく抵抗を覚えちゃったんですよね~。 今回 KiKi が読んだ「お姫さまとゴブリンの物語」は少年文庫特装版の方なんだけど、今、巷で売られているものは「カーディ~」と同じコレ(↑)だし・・・・・。
でも、この挿絵。 あの竹宮恵子さんの挿絵だったんですねぇ・・・・。 KiKi が中学生ぐらいの頃一世を風靡し、KiKi も夢中になったあの漫画家さんにこんなところで再会できるとは思ってもいませんでした。 で、人間っていうのはゲンキンなもので、誰の作品なのかわからなかった頃には「敬遠」のネタだったこの絵が、あの懐かしい時代の思い出深い漫画家さんのものだとわかった瞬間に親しみを覚えてしまうのですから・・・・・・ ^^;
(中略)
「お姫さまとゴブリンの物語」の軸をなしているのは、「正しい心のありようとはどんなもの?」という問いかけのような気がします。 大きな大きなおばあさまの存在がそれを象徴しているように KiKi には感じられました。 若く美しい外見を持ちながらも老成しきった雰囲気を纏い、「信じて貰えなければ存在を確認することも難しくなってしまう不確かさ」を秘めた存在。 相手を信じることや理解し思いやることは、言うは易し行うは難しの筆頭みたいな人としてのありよう、心の持ちようだと思うんですよね。 疑われることは悲しいし、辛いし、苦しい・・・・・。 でも、人は自分が信じようとしていないときにはそこに想いを馳せることはありません。
(全文はブログにて) -
ネタバレ 購入済み
う~~ん、難しい。
ゾクッとするほど残酷で、不気味なお話だと思った。
訳者のあとがきに寄れば、イギリスの児童文学に、大きな影響を与えた作品らしい。底辺に有るマザーグースの歌や、本来の言葉に含まれる言葉遊びが、良く理解出来ないので、面白いというよりは、難しいと感じてしまった。
子供の頃のように、何も考えずに読めば、アハハと笑って読めたかもしれないけれど….…. -
Posted by ブクログ
美しくて優しいメルヒェン。
「かるいお姫さま」魔女の呪いのせいで重さのないお姫さま。湖の中では重さを取り戻すことができたが、魔女の企みによって湖は干上がってしまう。王子が栓になり湖を取り戻そうとするが。
軽やかなお姫さまの声が聞こえそうな物語。重さがないだけに、悲しい気持ちや重々しい気持ちになることがなく、涙を流さないというのが面白い。
「昼の少年と夜の少女」少年は昼の光の中で育ち、少女は闇の中で育った。少女が月の光に出会い、少年が夜に出会ったとき、2人は何を見たか。
少女が月の光から日の中へ、少しずつ考えながら歩んでいくのに対し、少年の夜への恐怖が強いこと。勝手な魔女の子育てにも考えさせられる。
ふたつの物語はどちらも懐かしい雰囲気。マクドナルドが生み出したこれらの物語はいつの時代も読者を楽しませることだろう。いつまで経っても古びることなく、優しく包み込んでくれる。 -
Posted by ブクログ
子供の頃、日曜日の朝にやっていた海外製のテレビ番組で童話を何週かにわたって放映していました。まだ布団が敷いたままの中に潜り込んでテレビを見るのは至福の時間。
お姫さまや王子さまの出てくるお伽話やファンタジーが中心だったと思うのですが、ちゃんと覚えているのはこの『かるいお姫さま』のみ。昔は『ふんわり王女』というタイトルでした。
呪いによって重さをなくしたお姫さまがフワフワと飛び交う様子とか、いかにも特撮なんですが全体的に絵本みたいなかわいい映像だったと記憶しています。
重力がないので物事を真剣に受け止めることができないお姫さまという、ファンタジーでありながら風刺のきいた物語。
王様がお妃に向かって「一人くらい子供を産んでくれ」というあたりとか、ジェンダー的に読むこともできそうです。
ほかの話は忘れちゃったのに本屋でこの本を見つけた時、あ、これはあのときの物語だと思い出したのは、ほかの童話とはちょっと違ったからなんでしょうね。
同時収録は『昼の少年と夜の少女』。こちらは魔女によって昼しか知らずに育てられた少年と、夜しか知らずに育てられた少女の物語。
こちらの方がより観念的で「あなたの昼とわたしの夜」なんて言葉もあったり、訳が硬すぎることもあって難しいです。こんな育て方をした魔女の闇が気になる。
元気いっぱいの少年よりも、夜の庭園の美しさを讃えたり、知的に真実に近づいていく少女の勇気が光ります。
ジョージ・マクドナルドはルイス・キャロルとも親交のある作家なんですが、今まで意識して読んだことがなかったので他の作品も続けて読んでみようと思います。
以下、引用。
王さまは、お祝いの会にみんなを招くための招待状を、全部自分で書きました。そして、言うまでもなく、書き忘れをしでかしました。
そんなときお姫さまは、笑いの精になったかのように笑いますが、ただ、その笑いには何か足りないものがありました。それが何だったのか、私にはうまく言えません。あるいはそれは、悲しむことのできる人にしか出せない、細やかなニュアンスのようなものかもしれません。とにかくこのお姫さまには、「ほほえむ」ということはなかったのです。
たぶんお姫さまにとっていちばんいいのは、恋に落ちることだったでしょう。しかし、重さのないお姫さまとしては、落ちろと言われても困りますし、落ちることができるくらいなら、そもそも何も困ることはなかったわけです。お姫さま自身が恋というものについてどう思っていたかというと、世の中にはそんな蜂の巣があって、落ちると甘い蜜とするどい針の両方にぶつかるなどということは、夢にも知りませんでした。
この王子さまが、そんなに完全な相手を求める権利があるほど完全な人だったのかと聞かれても、私にはなんとも言えません。
フォトジェンは横柄に言いました。男というのはみんなこんなふうに横柄で、女の人に教えてもらわないかぎり、決して直らないものなのです。
いいえ、それどころか、よく考えてみると、いま見ているこの姿のほうが、この小さな生きものの本来あるべき姿に近いのかもしれません。なぜなら、全体の形が完璧に見えるのは以前も同じなのですが、いまは各部分がそれぞれに完璧で、その完璧さによってそれぞれの部分がうまく結びつきあって、全体としてより高い完璧さに達しているからです。
君のきれいな目が見えるのだって、その中に光があるからなんだよ。その光のおかげで、ぼくは君の目を通して、まっすぐに天国までも見ることができるんだ。君の目は、空の彼方の天国にむかって開いている窓なんだね。星はそこで作られてるのに違いないと、ぼくは思うよ。
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Posted by ブクログ
「かるいお姫さま」
なかなか子どもに恵まれなかった王様とお妃様のところに、とりわけかわいいお姫様が生まれました。
赤ちゃんの洗礼式のお祝い会、王様はうっかり意地悪な姉王女を招待するのを忘れてしまったのです。
招待されなかった洗礼式に堂々とやってきた王女はお姫様に呪いをかけたのです。重さをなくす、呪いを。
眠れる森の美女のような冒頭に、良くある物語かと思ったら、王様は見栄っ張りで我儘だし、お妃様はヒステリックだし、お姫様はフワフワと飛び回りながらケラケラ笑う、とにかくカルイお姫様。
登場人物たちがリアルでそのままドラマに出来そう。
「昼の少年と夜の少女」
谷に住む魔女、ワトー。
こっそりと2人の赤ちゃんを育ててる。
夜を知らない輝く容姿の少年。
昼を知らない物静かな少女。
ある夜、2人は偶然にも出会うことになり。
魔女が何をしたかったのかが良くわからないのだけど、少女のしっかりぶりが少年の情けなさを支えてカッコイイ。