吉村博次のレビュー一覧

  • 裏面:ある幻想的な物語

    Posted by ブクログ

    寝てる時に「今絶賛悪夢見てるんですけどね」っていう時ないですか?箱の中に電気点いてて、影絵見てるような?
    不快で恐ろしくしんどいけど、中距離競争みたいな感じで、いつか終わるのは、あらかじめわかっている。その悪夢のテンションと言うのでしょうか、座標と言うのでしょうか、周波数と言うのでしょうか、雰囲気そのものなんですよね。悪夢だから友達が変幻自在に、夢の国を創造し、君主になることもなんら特別に不思議なことではない。

    最近よく、幻想、幻想って安易に聞くけど、本来の幻想的ってこういう作品のことだと思うわ。

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    2019年02月10日
  • 裏面:ある幻想的な物語

    Posted by ブクログ

    19世紀後半のボヘミアに生まれた画家が
    20世紀初頭に執筆した小説に自ら挿絵を添えた作品。
    作者の分身とも想像される
    ミュンヘン在住の「画家」が
    旧友クラウス・パテラの招きを受け、
    莫大な財産を相続した彼が中央アジアに築いたという
    独立国へ妻と共に赴いたが、
    待っていたのは理想郷の面白おかしい生活とは
    到底呼び得ない暮らしだった――。

    画家は「国王」パテラに、
    かつての学友の誼で招待されたはずが、
    行ってみると特別待遇を受けるわけでもなく、
    街の治安もよいとは言えず、
    妻はストレスで精神を病んでいく……という、
    まるで楽しくないストーリー(笑)。

    作者が描きたかったのは
    外界と隔絶したパラ

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    2017年10月08日