杉谷庄吾【人間プラモ】のレビュー一覧
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「映画大好きポンポさん」の続編。
若き映画監督・ジーンはポンポさんの祖父である映画プロデューサー・ペーターゼンの復帰に伴い、名だたるベテラン俳優を起用した大作の監督を担うこととなる。
それにより、ポンポさんは映画プロデューサーの役割を一旦退き、年相応の学生生活を送るのだが、そこで出会ったのは類まれなカメラのセンスを持つクラスメイトだった。
紆余曲折を経て、ジーンはペーターゼンと共作する映画とポンポさんの手掛ける映画を同時に監督するのだが……。
大団円を経た後、ジーンとポンポさんが見出す答えは最高である。
一つの作品が完成したら、それはもう過去の遺物に過ぎないからだ。
ジーンとポンポさん、両人の -
Posted by ブクログ
良い子は絶対に真似してはいけない。
凄く、凄く楽しいのですが、冷静に見るとこれは非常に危険な面白さ。
この作品は、人としての何もかもをかなぐり捨てて、たった一つの事だけを追い求める事を、余りにも甘美に描いています。
単にやりたい放題というわけではなく、ジーン(達)の行動に対し適宜ツッコミは入るのですが、何故か気が付いたら「んなバカな」って展開になっちゃってる。
…基本的に誰も止めないんですよねぇ…どうかしてるよ(とニヤニヤする)。
「そんな無茶な」と思わせる事を嬉々としてやり遂げ、読者があっけにとられている間に次の無茶、次の暴走、次の台無し…がポンポンと繋がっていって疑問を差し込む余地なく -
Posted by ブクログ
天才が羨ましい、というよりも。
天才ならば、「世界を猥雑に埋め尽くす既存の価値観を何一つ障害とせず、ただひたすら自分の望みを叶えるために突き進める」事が羨ましい。
今回のポンポさんはサイドストーリー。
これまで登場したサブキャラクターにスポットを当てたお話です。
映画・映像を作るという面白さ、役者やカメラマン、映画に関わる人達の矜持…そういったものがダイナーでの雑談という形式で語られていきます。
ナタリーの可愛…ダイナーに集う常連たちの他愛もないやり取りは楽しいし、まだ何も知らない少女達の純粋な映像への憧れは美しい。しかし、やはり何と言っても「じいちゃんの思い出編」が白眉でしょうか。