江添佳代子のレビュー一覧

  • 犯罪「事前」捜査 知られざる米国警察当局の技術

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    【変化しているのは法執行機関なのではなく社会全体であって、それに対応するために法執行機関も変化していると考えるべきなのだろう。その答えのひとつが事前捜査だ】(文中より引用)

    米FBIが隠密に取り入れてきた犯罪「事前」捜査の手法。最新テクノロジーも駆使した方法から浮かび上がってきたのは、プライバシーとセキュリティ、法執行と諜報といった論点を含む、複雑な変化であった。著者は、サイバー関係の小説も多数世に送り出している一田和樹と翻訳家の江添佳代子。

    なんとも渋いテーマなのですが、犯罪捜査手法・議論の最先端を知る上で大変参考になる作品。アメリカの事例を参考としつつ、日本における取組・議論にも触れて

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    2023年09月29日
  • 犯罪「事前」捜査 知られざる米国警察当局の技術

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    本書ではタイトルの通り、 犯罪が起こる「前」にどんな「捜査」が行われているのかを著した本。

    今や誰もがと言っていいほど携帯電話等を持ち、 メール以外にSNSなどが連絡手段として使われている。
    一般的なインターネットの他、ダークウェブといった世界もある。
    そこから犯罪の予兆等を発見するためにどんなことが行われているのか。

    当然のことながら、捜査手法など積極的にオープンにはされない。
    著者はあらゆる資料の断片をつなぎ合わせ、 本書を作り上げたと想像する。
    その努力に敬意を表するのみである。

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    2017年08月18日
  • 犯罪「事前」捜査 知られざる米国警察当局の技術

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    ネタバレ

    【258冊目】犯罪の事前捜査が必要となり、可能となった時代という分析から入る。ここからして、日頃から薄々考えていたことと符号して興味深い。
    ●必要性…テロやサイバー攻撃等はいったん被害が発生すると(生命・身体・財産への、及び公の秩序や民主主義という価値への)被害が甚大であることから、犯罪を事後的に捜査するのではなく、事前に予防することが必要かつ重要な時代となってきた。
    ●可能性…犯罪者がICTの発展により地理的・物理的制約を超えるように、捜査機関側にもそれが可能となり、犯罪の芽を摘むことが可能な時代となった。

     また、上記2点のイントロダクションで筆者は本書を貫く重要な指摘をしている。すなわ

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    2020年01月07日
  • 犯罪「事前」捜査 知られざる米国警察当局の技術

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    ネタバレ

    犯罪への対策は犯罪が起きてからの事後対策ではなく、犯罪が起きる前に、どの人間が犯罪を起こす可能性があるのかデータベース化しておき、未然に犯罪の発生を防ぐといった事前対策にシフトしつつあると訴える書籍。ただ未然に防ぐとなると、犯罪をしていないにも関わらずプライバシを侵害されるといった弊害も発生するため、特に日本においての実現性は低いものと考えられる。本書では、事前対策にまつわるエピソードだけでなく、偽物の通信局となるスティングレイや児童ポルノサイトのプレイペンなどのエピソードを交えており、犯罪捜査に関する事例も学ぶことができる。

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    2017年09月05日