フローレンス・ウィリアムズのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ自然の中にいるとリフレッシュする感覚。
自然がこのような人の気分やウェルビーイングだけではなく、思考力にも及ぼす影響を数値で示そうとしている。
記憶し、計画を立て、創造性を発揮し、集中する力、社交能力までもが自然によって左右される。
自然の中で15分過ごせば血圧とストレスが低下して気分がよくなり、45分過ごせば認知機能や活力、熟考する力が増し、3日間過ごせば創造性が50%向上するという実験結果もある。
バイオフィリアとは
人間が他の生きた有機体と情緒の面で生まれつき密接な関係をもっていること
注意回復理論(ART)カプラン夫妻
自然の風景の写真をみた後や実際に戸外で過ごしたあとには被験者の思考が明晰になり、不安感が減る
自然には脳を回復させる力がある。それはトップダウン処理を行う部分が解放されて、そのあいだにじっくり時間をかけて回復できるから。
自然は視覚だけではなく、五感に作用する。
森の香りや鳥のさえずりもリラックスさせる効果がある。
フラクタルパターンとは(数学者マンデルブロ)
一見複雑で混沌としている膨大な配列のなかに単純な幾何学的ルールがあること
荒削りな自然の中によく見られる。
フラクタルパターンが脳を活性化させる
視覚系のフラクタル構造が、視野に入ったフラクタル映像と適合すると、生理学的な共鳴が起こり、ストレスがやわらぐ
うつうつとした気分を改善するには、1ヶ月に5時間自然の中で過ごす。一回あたり30分程度を週に二回過ごせばよい。
スウェーデン、デンマーク、フィンランドは世界幸福度は高いが、自殺率も高い。(長く暗い冬が原因か?)
電話で話しながら歩く人たちは、トップダウン処理を行っている注意ネットワークが休まず動き続けている。歩く、聞く、話すというマルチタスクを行っている。特に話す行為は多大な注意を向けなければならない。
自然の中で過ごすと、反芻思考(うつや不安につながる)が改善される
発達過程にある子供の脳には自然が必要
自然の中で遊ぶと、子供の認知機能と情緒的発達において、運動と探検遊びが強化される。
4才から18才のこどもが体を動かすと、脳内物質の働きが活性化し、知覚能力、IQ、言語能力、数学的能力が向上するうえ、学習に向けた下地もできる。
思春期のこどもの前頭前野は、環境刺激によって形成される
都市部で活かす方法は、身近な場所に自然があること。
都会の隅々まで緑で埋め尽くすには、政府の確固としたビジョンが必要(シンガポールの例)
ところどころに少し野性味を加えると、都会の自然は最大の効果を発揮する。
ネイチャーピラミッド(ビートリー)
毎日;庭、観葉植物、街中の公園で一息つく
毎週;緑豊かな大きな公園、川辺などでリラックスする
毎月;ハイキングや森林浴に出かける
毎年;大自然に畏敬の念を抱く
準備、エネルギー、感性がこの本の源泉
樹木は地球のお役に立つべく、すでに気をつけの姿勢で立っている -
Posted by ブクログ
なぜ私は自然が好きで、走ることや園芸が好きなのか、その理由がわかった。
本から
Nature Fix
「どこにいるか」が幸福度を左右する
予測誤差
人間の細胞が環境を敏感に察知するのを知っていた
人はどんな文化であれ時代であれ「見晴らしが良く、かつ安全に身を隠せる」自分の城が欲しいと思っている
自然には人間を元気にする力がある
「自然欠乏症」
「ネイチャー・ニューロン(自然の神経細胞)
自然こそが人のふるさと
芳香性揮発物質、フィトンチッド
土から採取したカビの胞子からペニシリンをはじめ重要な抗生物質を人工的に作ることが出来る。土には人間を癒す力があるのだ。
マインドフルネス その時の自分の内面的・外的経験にフルに注意を向け、あるがまま受け入れること。
スマイスによれば、ごく短時間でも自然に触れるようにすれば、いま脚光を浴びている瞑想などのストレス解消法より大きな効果が得られるそうだ。
ジョン・ワッツラスキン
「静寂なる大気は甘美にあらず。音ともつかぬほどのものがあたりに息ずくとき初めて心地良さが生まれるー鳥が奏でる三連音符、低く高く鳴く虫の音があってこその静寂である」
「聴力は、僕たちのて天賦の才だ。積極的に外に出て、繊細で美しい音を聞き逃さないように努力しなければ、宝の持ち腐れになる」
緑がある環境にいると向社会的行動をとりやすくなり、地域社会との連携感も強まる。
「低木、木立、岩々を眺めていると、人間が欲する共鳴がつ伝わってくる」
べートーベン
新奇性効果
目新しい新鮮な経験をしていると気分が明るくなる
歩き始めると私たちの足はひとりでに草原や森に向かいます。もし庭園や木陰のある散歩道しか歩かないとしたら、どうなるでしょうか。
ソロー
「歩くことで解決する」 聖アウグスティヌス
「真に偉大なる思想は散策の賜物だった」 ニーチェ
「黙想できるのは歩いている時のみである。足を止めると、思考も停止する。私の頭が働くのは、足を動かしている時だけだ。」 ルソー
自然はカフェインのようなものだ。いや、ヘロインのようなものか。もっと、もっと欲しくなる。
一日に四十分間、ゆったりとしたペースでウォーキングを続ければ、加齢による脳の認知機能の衰えを防げるうえ、実行機能と記憶力が向上し、判断力と行動力のスピードが増す。 クレイマー
「賭けてもいい、自然に囲まれていれば前頭前野に負荷がかかり過ぎることなどありえない」 ストレイヤー
スピリチュアルな感覚は信仰心のみから生じるものではない。自然の中での超越的な経験からも生じるのだ。
スウェーデンの研究によれば、自然の多い環境では男子と女子の運動量のさgあ縮まるという。運動量の男女差を、自然が詰めると言ってもいい。森の幼稚園に通う子どもは、室内で過ごす時間が多い園児に比べて病気になりにくく、より多様でより健康的な細菌叢が体内に大量に宿っている。
ADHDの子どもたちはいわば前衛部隊だ。環境をその子どもたちの脳に順応させる方法がわかれば、ADHDでない者にも道が開ける。ひとつだけ、明確なことがある。人間の脳はそれなりの時間を戸外ですごしているときにもっとも成長する、ということだ。
脳は水が好きだ。ゆえに、川などを都市計画の中心に据えるのは理にかなっている。
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Posted by ブクログ
「自然」はストレス軽減や健康促進に良さそう。だれもが直感的に感じていることだと思いますが、それを証明し、都会暮らしの現代人である私たちにもできる「自然」との接し方を示してくれる本でした。
少し冗長で、目次を見ただけでは何が結論かはっきりせず、レビューを書くにもまとめづらかったことは否めませんが、著者が参加した調査・実験の数々が、面白かったり、ちょっとつまらなかったり・・・何が凄いって、これだけの実験に自ら参加する著者の行動力でした!
森林浴の最先端を行く(?)我が日本、お隣韓国、フィンランドやスコットランドなどのヨーロッパ、そして著者が住むアメリカ、最後には国をあげて都市の緑化を進めているシンガポールなど、さまざまな国での、調査や実験に実際に著者が参加し、その過程や結果がどうだったかが多く記されています。
”NATURE FIX”まさに自然が私たちの不具合を治癒してくれそうだというエビデンスがどんどん出てきます。
嗅覚、聴覚、視覚に関する調査実験は身近でわかりやすかったこともあり、とても面白かったです。ヒノキの香り、小鳥のさえずり、水の音、自然が生み出す造形美・・・どれもストレス軽減などに大いに貢献してくれそうという結果でした。
騒音がどれだけ弊害となっているかを調べるための空港近くに住む子供たちへの実験や、同じ集合住宅に住む人たちでも、中庭が見える部屋に住む人と、そうでない人との違いを調べた実験など、結果はわかっていたこととはいえ、数字としてきちんとしたエビデンスが出ていていました。
そのほかにも、元軍人女性たちが参加したラフティング合宿、ADHDの子どもたちが自然の中で過ごすという取り組みをする学校などでの体験は、完璧という結果ではないにしろ、著者が思うような結果が出ていたようです。
実験の中には「バーチャルな自然」も含まれていて、時代を感じました。自分が過ごすならバーチャルではなく本当の自然がいいですが、こういった研究も大いに意義がありそうです。
2008年に世界人口の半分以上が「都市部」に住むようになったそうで、本来私たち人間は自然とともに進化してきたのに、急速に「自然」から離れてしまっていることは容易に理解できます。都市に住む私たちにできることとして、本書では「一か月に5時間」自然に触れる習慣をつけることを提言しています。これならどうにか出来そうではないでしょうか。ひとくちに「自然」と言っても近所の公園から、遠出してやっと行ける海や山まで様々ですが、まずは一本の木からでも良いようです。さらに、著者は「自然から得られる恩恵は、そのなかで過ごす時間と正比例の関係にある」と考えており、その考えにぴったりのネイチャー・ピラミッドが紹介されていました。
上から、
毎年、大自然に畏敬の念を抱く
毎月、ハイキングや森林浴に出かける
毎週、緑豊かな大きな公園や川辺でリラックスする
毎日、観葉植物や庭、町中の公園で一息つく
というものです。
どこまでできるかはわからないですが、自然はカフェイン中毒のようで、もっともっとと欲しくなるという著者の言うとおりになるといいな~と思いました。
完全な偏見ですが、イギリス人はフットパスを散歩し、フランス人はセーヌ川沿いでのんびりし、ドイツやフィンランドなど北の方の国になると、しょっちゅう森に行く、と思っていて、そんなヨーロッパの生活にずっと憧れていました。ということは、私も自然を欲しているのだな、と本書を読んで思い出しました。
とにかく週末には(まずは)公園に行かないと!と思わずにはいられない本でした。好きな習い事にせっせと通って忙しい我が子たちをどう巻き込むかが課題となりそうです。 -
Posted by ブクログ
タイトルの「NATURE FIX」を訳すと、「自然が回復させる」「自然が治す」となります。
本書は、人が自然に触れたり自然を体験することによって、日々のストレスから回復することがどうやらできるようだ、ということを解説しています。そればかりか、アメリカ、日本、韓国、イギリス、フィンランド、スウェーデン、シンガポールなどの自然と人間の研究やそれらを踏まえた実践的取り組みを取材した著者の経験をまじえながら、おおよそがドキュメンタリータッチで、認知力や創造性などの向上にまで自然の効果が認められることを教えてくれるのです。
近年、都市部に人口が集中し、2008年には世界人口の半分が都市生活者となりました。自然と疎遠になった都市生活は、人が本来発揮できるはずの認知力や創造性を押しとどめてしまっているのかもしれません。そう考えると、認知力や想像力が自然の力によって「向上する」のではなく、もともと備わっている力を「回復する」手助けになっていると考えることだってできます。
この観点からみてみれば、都市生活というものは、人のポテンシャルを伸ばさず、そればかりか悪影響を与える度合いの高いものと思えてしまいます。異常に混雑した環境の中に猫たちを閉じ込めるとみんな横暴になりいじめが発生し、それがラットたちだと巣作りを忘れて自分の体を食べ始め、霊長類だとホルモンバランスが崩れて生殖能力が落ちたのだそうです。これらは極端に密度の高い環境での実験例なのでしょうが、人口密度の高い場所に暮らす人間たちはどうなのかを考えてみれば、あまり良い影響は受けていないのかなあという気持ちに、容易になるのではないでしょうか。
しかしながら、各国でなされている「自然が人間に与える好影響の研究」の成果が行政の分野で取り上げられてもいます。植樹や公園の整備など都市部の緑地化に生かされ始めているのは、人の精神面への働きかけでもあるのでした。また、日本がパイオニアとなっている森林浴の分野に代表されるように、森などの深い自然で1日でも1週間でも過ごすことによって、血圧の正常化やストレスホルモンであるコルチゾールの低下などが認められるようです。
また、女性の退役軍人たち、それもPTSDを負った女性たちが急流下りのプログラムを通じて活力を取り戻していくのですが、その取り組みについて著者自らが体験取材の模様で伝えてくれたり、ADHDの子供たちが自然で過ごすプログラムを多く取り入れた学校で過ごしながら、症状が緩和していく様子をその傍らから伝えてくれたりなどもしています。自然からの効果はまだまだ未知の部分が多いですが、それでもこれだけの強い力を深く秘めていることが示唆されるのでした。
これら広範な内容のなかでも、自然による嗅覚での影響、聴覚での影響、視覚での影響について割かれている部分が、僕にはもっとも興味深かったです。嗅覚ではフィトンチッドと呼ばれる森の匂いの成分に効果があるという研究があり、聴覚では、鳥の鳴き声や川の流れる音による癒しの研究があり、視覚では、自然の中にみられるフラクタル(全体の形とそれを構成する部分の形が相似形であること)による癒しの研究があるというのがそれでした。これらすべてをいっしょに体験できるのが、やっぱり森林浴になるのです。
以前、僕は4シーズンほど自然がいっぱいの観光地で働いていました。四季の移ろいがほんとうに身近に感じられるといいますか、自然と一体となって過ごしていた感があります。ウグイスが鳴き、エゾシカが草を食みにあらわれ、桜が咲き、ルピナスなどの野の花が季節ごとに咲き誇り、晴天や雷雨、暑さや寒さを、扉が開け放たれた小さな一軒家型の受付兼カフェで体験しながら働いていました。接客商売のストレスだってあるのですが、それでもやっぱり、基本的に気持ちの良い仕事でした。脳にも身体にも好かったんだと思います。比較的楽観的にモノを考えることができ、そして感情の抑制も周囲の人たちと比べてできるほうなのは、こういった影響も大きかったのかもしれないです。
最近は屋内にいることがとても多いです。本書の内容を踏まえると、またどこか自然に溶け込めるような場所で過ごしたくなりました。車で15分くらいのところに自然公園があるので、そこに行ってみようかなという気持ちになってきます。一月に5時間、自然のなかで過ごすと効果が出るようです。みなさんもいかがですか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読書の動機→自然が心身に良い影響を及ぼすのではないかという仮説を持ち、その検証のために読んだ。
人類が誕生してきてから自然に囲まれ、守られ、自然と共生してきたのにも関わらず、現代は自然との繋がりが希薄になっているのは奇妙ではないか?
この疑問から始まる本書は、自然が心身に良い影響を与えることを証明する(証明しようとしている)研究を紹介する。
驚いたこと
・森林浴は日本発祥
・都心部を歩いている時と比べて森林を歩いている時では、ストレスホルモンと呼ばれているコルチゾールの値が下がる
・森林で過ごすことでNK細胞が増大し、それは持続する
・樹木が発するフィトンチッドがNK細胞に影響を与える
・実行、空間知覚、デフォルトネットワーク
・血圧が正常値に近ずく
・自然界にある幾何学的パターンのフラクタルは、視覚野にも見られる
・フィンランド国土の74%が森、人口500万人でコテージは200万個
・畏敬の念を覚えるには、「はてしない広がり」が必須、簡単には分類理解ができず、好奇心がかきたてられる、恐怖と謎と美が一体になった時に、記憶に焼きつく
・シンガポールの取り組みーバイオフィリックシティ、国土の緑地は年々増えている(2007年で47%)
その他
・研究の信頼性や妥当性を保つのが難しそう