スナック研究会のレビュー一覧

  • 日本の夜の公共圏:スナック研究序説

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    スナックの歴史、法的位置づけ、立地に関する統計分析などをまとめた一冊。序説ならではの「いいとこ取り」のような気もするが、かなり面白い。
    人口当たりのスナック件数の上位は宮崎県、青森県、沖縄県、長崎県、高知県となりパブやバーが都市部に多いのと対称的である。なお、最下位は奈良県である。
    歴史的には「カフェー」を源流としつつ、法的規制をかいくぐるための変容を経て現在の姿になったという。どうもネガティブ・リストに基づいて定義づけられるようだ。
     
    「荷風が通ったこのカフェー・タイガーでは、女給の人気投票があった。ビール一本を買うと投票券一枚がくるというどこかで聞いたことのあるようなシステムである。菊池

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    2018年12月30日
  • 日本の夜の公共圏:スナック研究序説

    Posted by ブクログ

    スナックはどんなまちに行ってもあるという観点から関心を持った。スナックについて研究を行ったまとめ。
    スナックの法規制について調べることで、いかにスナックの創業を行うかなどがわかる。
    コミュニケーションの訓練をする場としてのスナック。
    スナックは、以下のことと負の相関関係を持つ。他の市区町村への通勤者数。自治体の実質収支比率や財政力指数。公共施設の数。
    もののあわれ論などとからめてスナックについて語っており、学生の頃に読んでいても理解できなかったと思う。

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    2017年10月23日
  • 日本の夜の公共圏:スナック研究序説

    Posted by ブクログ

     いつも聴いているpodcastの番組に著者の谷口功一さんがゲスト出演していて、「日本の水商売ー法哲学者、夜の街を歩く」という近著の紹介をされたのですが、その際、本書についても触れられました。
     こちらの方が先行して世に出た著作で、「サントリー文化財団」が助成金を出した際に話題になった法学・政治学・行政学などの専門家・教授陣による多角的な考察とのことで興味を持ちました。
     各執筆者が自身の専門領域を基点に自由に論考を拡げているので、様々な切り口からの思いも寄らぬ気づきが得られました。なかなか面白い試みの著作ですね。

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    2023年10月13日
  • 日本の夜の公共圏:スナック研究序説

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    ・日本のカフェの歴史と純喫茶の違いに関する言及が面白い。フランスのいわゆる文化カフェと、日本のカフェって全く別物。初期の日本のカフェは、もともとかなり安い給料だったそうで、チップをいかにもらうかが要だったと。そのために風俗としての側面が強かったらしい。風呂場のあるカフェまであったというから驚き……だけど時代背景とともに書かれていて妙に納得。純喫茶に対し、カフェは特殊喫茶、という位置付けだったそうな。

    ・スナックの原型はカフェ(特殊喫茶)。カフェに対する取り締まりが厳しくなり、そこからスナックが広がっていった。

    ・スナックがお酒を飲むための場所ではなく、コミュニティとして機能しているという点

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    2020年03月03日
  • 日本の夜の公共圏:スナック研究序説

    Posted by ブクログ

    あまりお酒を飲まないし、飲み会のようなお付き合いとも縁が薄いのでスナックにはおそらく1度しか行ったことがありません。
    自分の生活とは縁遠いスナックですが、最近興味を持ったところにこの本を知り、一読。
    スナックの歴史から、開業の仕方まで様々論じられており、面白かったです。

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    2019年07月07日
  • 日本の夜の公共圏:スナック研究序説

    Posted by ブクログ

    僕はお酒を飲めませんので、あまり行ったことはないですが、スナックは好きです。昔会社の先輩に連れられて行ったスナックのポテトサラダが美味しかったのです。この本では、公共性と書いてありますが、スナックの良さは覆面性だと思います。スナックで客同士や店員と客の交流も深まるようですが、基本的には、相手の素性が分からないところが良いのでは、と思います。だからこそ自分(その人)も、色々と雄弁に語れるのではないでしょうか。

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    2018年01月13日