ユーザーレビュー 日本の夜の公共圏:スナック研究序説 谷口功一 / スナック研究会 スナックの歴史、法的位置づけ、立地に関する統計分析などをまとめた一冊。序説ならではの「いいとこ取り」のような気もするが、かなり面白い。 人口当たりのスナック件数の上位は宮崎県、青森県、沖縄県、長崎県、高知県となりパブやバーが都市部に多いのと対称的である。なお、最下位は奈良県である。 歴史的には「カフ...続きを読むェー」を源流としつつ、法的規制をかいくぐるための変容を経て現在の姿になったという。どうもネガティブ・リストに基づいて定義づけられるようだ。 「荷風が通ったこのカフェー・タイガーでは、女給の人気投票があった。ビール一本を買うと投票券一枚がくるというどこかで聞いたことのあるようなシステムである。菊池寛はお気に入りの女給に投票するためにビールを150本(1本60銭)も購入し、飲み切れるわけがないので車で持って帰った。この珍事件を荷風は…「田舎者の本性を現したり」と辛辣なコメントを書きつけている(『断腸亭日乗』1929年4月5日条)。公共圏におけるはしたない振る舞いを嗤っているのである。」 すごく菊池寛っぽいエピソードで笑った。 Posted by ブクログ 日本の夜の公共圏:スナック研究序説 谷口功一 / スナック研究会 スナックはどんなまちに行ってもあるという観点から関心を持った。スナックについて研究を行ったまとめ。 スナックの法規制について調べることで、いかにスナックの創業を行うかなどがわかる。 コミュニケーションの訓練をする場としてのスナック。 スナックは、以下のことと負の相関関係を持つ。他の市区町村への通勤者...続きを読む数。自治体の実質収支比率や財政力指数。公共施設の数。 もののあわれ論などとからめてスナックについて語っており、学生の頃に読んでいても理解できなかったと思う。 Posted by ブクログ 日本の夜の公共圏:スナック研究序説 谷口功一 / スナック研究会 いつも聴いているpodcastの番組に著者の谷口功一さんがゲスト出演していて、「日本の水商売ー法哲学者、夜の街を歩く」という近著の紹介をされたのですが、その際、本書についても触れられました。 こちらの方が先行して世に出た著作で、「サントリー文化財団」が助成金を出した際に話題になった法学・政治学・...続きを読む行政学などの専門家・教授陣による多角的な考察とのことで興味を持ちました。 各執筆者が自身の専門領域を基点に自由に論考を拡げているので、様々な切り口からの思いも寄らぬ気づきが得られました。なかなか面白い試みの著作ですね。 Posted by ブクログ 日本の夜の公共圏:スナック研究序説 谷口功一 / スナック研究会 ・日本のカフェの歴史と純喫茶の違いに関する言及が面白い。フランスのいわゆる文化カフェと、日本のカフェって全く別物。初期の日本のカフェは、もともとかなり安い給料だったそうで、チップをいかにもらうかが要だったと。そのために風俗としての側面が強かったらしい。風呂場のあるカフェまであったというから驚き……だ...続きを読むけど時代背景とともに書かれていて妙に納得。純喫茶に対し、カフェは特殊喫茶、という位置付けだったそうな。 ・スナックの原型はカフェ(特殊喫茶)。カフェに対する取り締まりが厳しくなり、そこからスナックが広がっていった。 ・スナックがお酒を飲むための場所ではなく、コミュニティとして機能しているという点にめちゃくちゃ未来を感じた。ある種SNSと近く、同じ共通言語を持った人たちが集う場所。「同じ地域に属している」という人たちが集えるわけで、一人で言ってもその場に溶け込めるのが特徴ともいえる。 ・バー:終夜営業可能、お酒を提供する ・スナック: 終夜営業は不可、お酒以外の軽食(スナック)も出す cf. 芸術サロンを作るための情報収集として Posted by ブクログ 日本の夜の公共圏:スナック研究序説 谷口功一 / スナック研究会 あまりお酒を飲まないし、飲み会のようなお付き合いとも縁が薄いのでスナックにはおそらく1度しか行ったことがありません。 自分の生活とは縁遠いスナックですが、最近興味を持ったところにこの本を知り、一読。 スナックの歴史から、開業の仕方まで様々論じられており、面白かったです。 Posted by ブクログ スナック研究会のレビューをもっと見る