虻川枕のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
どんな願いも一つだけ叶えることができるとしたら、何を願うだろうか?
私ならこうだ。
「無限に願いを叶えられるようにしてほしい。」
少なくない人がこう考えるのではないか。
物語で耕太郎が目にした屋上の水たまりは、飛び込んで強く願うと1つだけ願いを叶えられる。
こうした力の可能性は、使い手の想像力次第だ。
その想像力の欠如によって、魅力的なプロットが惜しいことになってしまっている。
耕太郎が出会う女の子・水原は、ある目的があって世界を改変しているのだが、もっとやりようがあるだろうと思ってしまうのだ。
彼女は何かと「消す」ことを選ぶのだが、何かを追加するとか行動を変化させることで、リスクを -
ネタバレ
ラストのなぜ?で大きく減点
あのラストはやはり納得できません。
「パドル」はいわばチート能力。
なのにどうして主人公もヒロインもああいう道を選んだのか?
パドルの能力を使えばもっとできることがあったでしょう?
校舎を解体されないようにするとか、時間を引き延ばすとか。
その上でどうすれば誰も傷つかないような世界を構築することができるかをじっくり考えて、
成功するまで何度も実行してみることができたでしょう。
なのにそういうことはまったくしない。可能性があるのにしない。しない理由も弱くて納得できない。
特にヒロインの少女からすると死を選ぶも同然。なのにあまりに達観し過ぎている。主人公も同じく。
ああいう結末を