福永光司のレビュー一覧

  • 荘子 古代中国の実存主義

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    最近は、自分の内面を批評的な目で見て、勝手に傷つくことの多い日々でした。そんな中、精神科医にこちらの本を紹介して頂きました。

    欧米の思想家の机上の哲学とは違い、荘子の思想・哲学は具体的で実践的であるため、大変取り入れやすく感じます。

    人間は非合理的な存在であるため、合理的・分析的な思考は人間の精神を抉ると述べられています。
    人間は渾沌な存在で定まった形をとらないことを認めると、自分自身を人の目や規範に合わせた形に成型する必要はないと改めて感じ、救われました。

    生命なき秩序より、生命ある無秩序を愛していきたい。

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    2023年02月06日
  • 荘子 古代中国の実存主義

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     中国古代の思想家として知られる荘子の思想を「実存」の観点から解き明かした本。

     荘子は春秋戦国時代の政治闘争が人を狂わせることを激しく認識していた。生者の世界は絶望、不自由、侵略、飢餓に満ちているのだ、と。彼の哲学はそんな悲惨な時代に「それでも生きていかなければならない」ということを前提に成り立っている。

     だから、孔子など儒家とは異なり、相手が凡愚、小人であっても彼らが有意義に生きることを肯定し、人間のありのままを捉えようとした。

     そんな彼が理想としたのは「真人」、「至人」という存在。何ものにも囚われない知恵は「真知」であり、それを会得した人間のこと。

     自分が、相手がどうであれ

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    2011年06月05日
  • 荘子 古代中国の実存主義

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    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

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    2011年04月02日
  • 荘子 古代中国の実存主義

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    あとがきを読んで、荘子よりも作者の人となりに興味が湧いた。
    荘子の哲学は面白いし、共感したり、なるほどと膝をうつところも少なくないが、ぶっちゃけ現実的ではない。宮本武蔵に似たようなぶっとんだところがあると思う、ある意味で。
    この直前に加地伸行の儒教の本(やはり中公新書)も読んだが、二人の著者の性格が真逆すぎておもしろかった(書籍の質としては荘子がよかった)。

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    2023年07月25日
  • 荘子 古代中国の実存主義

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    ここに書かれていることは、
    すごく親近感が湧くことでしょう。
    古代に、このような思想を持ち、
    混乱の世を嘆くものがいるとは…

    特に出てくる内容、
    古代だろうが、現代だろうが、
    問題の根本はぜんぜん変わらないものですね。
    言っていることは簡単で「流されない」ということ。

    だけれども、流されやすいのも
    また人間であるということ。
    もしも、本当に平和を望むのならば
    人を思いやる気持ちがなければ
    けっしてありえないということ。

    特に「流されない」部分は
    ああ、と思いましたね。
    なんと自分もそうですが、そういうことが多きことか。

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    2014年11月27日
  • 荘子 古代中国の実存主義

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    ヘーゲルが自由なき生活と決めつけた古代中国の専制支配のまっただ中に生きて、泥まみれの現実と苦闘しながら、自由なき生活の中の自由、不自由の自由を必死に追求したところに荘子の自由の独自性があるのである。

    自由とは荘子にとって、それぞれの自己がそれぞれの自己として、それぞれの自己の直面する極限状態の中で、なおかつ生きてゆくことであった。古代アジア的専制支配下の最も不自由な歴史的現実、人間の現実的な在り方の極限状況の中から追及された自由であるところに、荘子の哲学の特異性が考えられるのである。

    「わたしの哲学が実存主義であろうとなかろうと、それはわたしの知ったことではない。実存主義であるというのであ

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    2013年03月09日
  • 荘子 古代中国の実存主義

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    荘子の思想の解説書です。

    「あとがき」には、「私としてはただ現在の私が理解する私の『荘子』を、私なりの表現で説明する以外にいかなる方法もなかった」と述べているように、『荘子』のテクストの内容を読み解き、著者自身の観点からその内容についてわかりやすい解説がなされています。

    従来の解釈では、『荘子』の「内篇」が比較的古い部分であり、荘子そのひとのほんらいの思想に近いとみなされてきたと著者は説明し、そうした理解を基本的には正しいものとして受け入れつつも、「最近の私はむしろ内・外・雑篇の形式的な区別を重視することよりも、その枠をはずした全体の中で荘子的な哲学の本質のようなものを選択してゆくことによ

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    2023年07月08日