三谷太一郎のレビュー一覧

  • 日本の近代とは何であったか 問題史的考察

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    明治以降の日本の体制について研究した本。政治体制、資本主義、帝国主義、天皇制について詳しく述べている。知らなかったことが多く、勉強になった。ただし項目によっては、特に、植民地獲得の拡張的政策については違和感のある論述もあった。はっきりとは言えないが、なにか違うような気がしてならない。学術的ではあった。
    「日英の政治には、決定的な違いがありました。英国には自由主義的伝統、とくにその主要な要素である「個人の尊重」の伝統が影響力をもっていたのに対し、日本にはそれはたしかになかったのです」p18
    「(マックス・ウェーバー)合議制というのは行政任務の専門家が進行して、専門家が不可欠となってくるような状

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    2018年10月21日
  • 日本の近代とは何であったか 問題史的考察

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    政党政治・資本主義・植民地・天皇制を切り口に日本近代史を総論しようとする一冊。
    大ベテランの先生こそ専門の研究領域の総論を書くべきだと思うので、こういう本は大事。「青春期の学問」ではできない「老年期の学問」として総論を書くというスタンスもある意味正しい。ただ「最近の研究成果を踏まえていない」という批判をかわす方便というか、開き直りにも見えて、なんだかなぁという気持ちにもなる。。。

    自分には少し難しかったので要再読だけど、資本主義の章はちょこちょこ気になった。たとえば不平等条約の下では外資に依存しない資本主義にならざるをえなかったとか、自国文明への「恥」の意識が近代化の促進要因になったと書かれ

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    2018年07月30日
  • 日本の近代とは何であったか 問題史的考察

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    日本の近代について、政党政治、資本主義、植民地、天皇制という4つの点から考察。

    教科書で習うような近代の概念をさらに深掘りし考察を加える。

    部分的に見れば、近代の概念を覆される。特に意識をしなければ、戦前=近代は遠いものだとどこか自分の離れたところに置いていたが、その形成過程を見ることで、当時を生きた人々がどのような考えに基づいて「近代」を作ったかが考察でき、その制度の合理性および非合理性について整理することができる。

    ある程度まとめて言えば、制度とは、なんらかの一貫した意図を持って形成されるのではなく(もちろん形成する当初は一貫した意図があるのだろうが)様々な意図や環境が混じり合って出

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    2018年07月20日
  • 日本の近代とは何であったか 問題史的考察

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    日本の近現代史に疎いので勉強しようと買ったのだが、知りたかったものとは違ったので当てが外れた。

     序章から第二章まではよくわからなかったので読み飛ばした。ただ、教育についてと良妻賢母については記憶にとどめたい。
     後半は面白かった。特に教育勅語はいかに作られたのか、はとても興味深い。井上毅についてもっと知りたい。

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    2017年12月09日
  • 日本の近代とは何であったか 問題史的考察

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     副題に「問題史的考察」とあるように、「政党政治」「資本主義」「植民地」「天皇制」という近代日本の根源に関わる4つの問題を歴史的に考察した書。著者は政治史学界のいわば「レジェンド」的存在の大御所だが、分析視角の鍵としてウォルター・バジョットを持ってきたり、日本の近代化の特殊性を相変わらず西欧(というより英米)との偏差によって規定するあたり、レジェンドであるが故の「古臭さ」は否めない。明治前期の非対外募債主義を幕末の「倒幕派」に遡及している点などおかしいところもある。とはいえ、最近はアプリオリに自明の前提として等閑視されている歴史学の根源的問題、すなわち「なぜ日本は非欧米圏で唯一植民地にならず、

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    2017年09月05日
  • 日本の近代とは何であったか 問題史的考察

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    幕末以降の歴史が、なぜそういうように進展していったのか、その時々での岐路を明らかにしようとする、著者なりの通史を描こうとする試みであろうか。政党政治、資本主義、植民地帝国、天皇制という四点の側面をとりあげている。
    なるほど、これだけの内容を書き込もうと思えば、歴史の大家と呼ばれるような人でないと無理だろう。だが、「天皇制」や「植民地」という古い符丁をわざわざ持ち出しているというところで、著者の立脚点にそもそも違和感を抱く。

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    2018年10月20日
  • 日本の近代とは何であったか 問題史的考察

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    日本の近代成立の過程を、「政党政治」「資本主義」「植民地帝国」「天皇制」から読み説く。
    天皇制の成立や教育勅語制定に関する当時の為政者の苦労が興味深い。

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    2017年07月06日
  • 日本の近代とは何であったか 問題史的考察

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    <目次>
    序章   日本がモデルとしたヨーロッパ近代とは何であったのか
    第1章  なぜ日本に政党政治が成立したのか
    第2章  なぜ日本に資本主義が形成されたのか
    第3章  日本はなぜ、いかにして植民地帝国となったのか
    第4章  日本の近代にとって天皇制とは何であったのか
    終章   近代の歩みから考える日本の将来

    <内容>
    歯ごたえがありました。ただ近代資本主義の成立、日本の植民地が欧州とは違うところがあること、天皇を明治政府がどう利用したのか、いろいろと示唆があった。

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    2017年06月24日
  • 日本の近代とは何であったか 問題史的考察

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    金解禁と軍縮条約はセットだった、東亜新秩序の地域主義への位置付け、等々自分にとっては新たな視点を提供して頂きました。全ての事柄、歴史には、透徹した論理、理屈、考えがあったんだなあ、と再認識。 ちょっと難しかったけど。またじかんを置いて再読してみようかと思います。

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    2017年06月23日
  • 日本の近代とは何であったか 問題史的考察

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    ネタバレ

    日本の近代を西欧をモデルとした機能的近代化を中心に考察した本。私の知的レベルでは十分な理解ができないので評価は3にしたが、読む人が読めば素晴らしい考察の本なのだと思う。

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    2017年06月07日