小西行郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
かつて、身体障害者、発達障害者、知的障害者のように他のモノと違うものを異端、キツネ憑き、などと称して排除するという風習のあったムラ社会の時分、彼らは他の子どもたちと一緒に「花いちもんめ」や「かくれんぼ」「だるまさんがころんだ」などの遊びをしたのだろうか。
「かくれんぼ」は誰から隠れるのか?鬼からであり、神様からであり、異端のモノから隠れるわけで、そういう意味では、サヴァン症候群の症状を持つ子どもは正にそういう遊びの中心だったのではないか?
サヴァン症候群を持たなくとも、それこそ周囲の人間の視点次第で障害者は劣る故に劣らぬ者と映る。
いついつの時代には受け入れられ、いついつの時代には弾かれ -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
脳の発達に必要な刺激は、普通の育児の中にこそある!
本当に早期教育は効果があるのか?
赤ちゃん研究の第一人者が様々な視点から検証する。
さらに育児不安やテレビ視聴問題、虐待問題などにも触れ、親と子どもにとって最も幸せな育児とは何かを考える。
[ 目次 ]
第1章 早期教育と脳(過熱する早期教育 「臨界期」と脳の発達 ほか)
第2章 乳幼児と英語教育(乳幼児から英会話ブーム 日本語を追放した家族 ほか)
第3章 育児不安と孤独な親(心身ともに不安定な産後 育児不安とは ほか)
第4章 地域社会と子ども集団(限界にきた「母親ががんばる育児」 地域の保育力を奪った学校 ほか)
第5章 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
極端な育児観をもつ親が増えている。
赤ちゃんが集中しているからと一日七時間もテレビを見せる、手当たりしだいに育児教室に通わせる、赤ちゃんが思いどおりにならないからと自信喪失する。
これらの行き過ぎた現象の背景には、二〇世紀的な右肩上がりの成長、発達観があるのではないか。
「子どもの成功」にこだわりすぎることで、子どもからの自然な成長のメッセージを無視しているのではないか。
本書では、脳科学、発達行動学を専門とする小児科医が、親を駆りたてる早期教育、臨界期等の"科学的根拠"をもう一度科学的に検証しなおすことで、「普通の育児」こそが今まさに重要であると説く。
新し -
Posted by ブクログ
赤ちゃんの育て方に関する本は数多ありますが、そこに根拠があるのか……本書はそうした巷の噂レベルの内容ではなく、脳科学/発達心理学の研究者が書いた幼児教育に関する知見を述べた本です。
中心となっている考えは、海外留学で著者が得た教訓、「これまでの発達観を見直し、広い視野で子どもを見る」です。親は子供に成長してほしい一心で、胎教をしたり勉強させたりしますが、必ずしも成長しなければいけないわけではないのだ、あるところでもし止まってしまったとしても、広げていくことを楽しめるのが人間、広い視野で見守ってあげることが大事だ、という考え方を提唱しています。
これを読むと最近流行りの「脱成長」の文脈で見てしま -
Posted by ブクログ
☆3
読んで良かった本だよ。
赤ちゃんとの関わり方について、重要な見解が書かれている気がするよ。
とくに「神経ダーウィニズム」と言う仮説。脳で過剰に作られた神経細胞の自然淘汰が行われるという「シナプスの過形成と刈り込み」は、赤ちゃんの正常な発達にとって重要みたい。
ADHDの患者のシナプスは健常児より多い、つまり刈り込みがちゃんと行われないことが原因かもしれない、という著者の話はかなり納得できる。
そして、刺激が過剰な現代の弊害も、興味深い。
テレビ過剰で言葉が遅くなる、という見解に納得。テレビは受けとるだけの刺激だから、言葉や視覚と体との連携がとりづらくなる。
それを防ぐには、親の語りか