笠井スイのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
家を出たお嬢様が大家と兼ねて開く何でも屋に舞い込む依頼を描いていく作品。タイトルが主人公ジゼルの名前になっているだけあってその世間を知らないお嬢様であるが好奇心旺盛な様が可愛らしく、非常に魅力的に描かれている。このキャラ付けから描かれる各エピソードでの彼女の振る舞いが、普通の感覚では予想しにくいのが楽しい。依頼を受けたのに途中で依頼と逆の行動を取ったりという突飛な行動は必ずしも正しいとは描かれず、読者に近い視点に立つ助手役のエリックの存在で抑制をかけているのも巧い。
最後の話は失敗例だが、偶然による失敗なので少々メッセージがズレている気もするので、個々のエピソードで魅力が変わる印象。また、明言 -
Posted by ブクログ
舞台は(おそらく)英国ヴィクトリア朝末期。名家の生まれのお嬢様育ちらしい少女「ジゼル」はなぜかアパートの管理人。急に思い立って「何でも屋」を開業し、まわりがそれに振り回される、というお話。
森薫「エマ」が好きな人ならおすすめ。おそらく作者も森薫には影響を受けているでしょう。作者はおそらくこの時代の英国の習俗が大好きと思われ、描写にもマニアックな愛着が感じられます。こういう少女が主人公の場合男性漫画家だと「萌え」の方に言ってしまいがちですが、こちらも森薫と同じく女性ならではの感性で品のよい「守ってあげたくなる女の子の可愛さ」が描けています。
ただ作品の時代背景としてはエマに近いが、エマが長編