秋元雄史のレビュー一覧

  • 直島誕生 過疎化する島で目撃した「現代アートの挑戦」全記録

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    ネタバレ

    凄かった!ライターをしていた著者が、ベネッセの学芸員として採用され、直島に現代アートを展開する経緯が克明に語られる。当初からの計画ではなく、いろいろな制約を受ける中で突破していくうちに美術館の外側にも展開し、島全体に及んでいったものだったとは。圧巻なのは最終に近い、地中美術館を生み出していくくだり。著者は途中、直島でやっていることの説明として、キュレーター中心からアーティスト中心への変化を語っていたが、地中美術館はキュレーターである著者も作品を読み込み、それに相応しい場所を創造し、ほぼ同じアーティストとして(もしくはアーティスト、建築家とがっぷり四つに組んで)生み出したものであると言えるだろう

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    2024年07月21日
  • アート思考――ビジネスと芸術で人々の幸福を高める方法

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    人間は、社会の成熟の中で作られた概念を通して世界を見ている。アートシンキングには、ありのままの身体感覚で接することが必要。
    AIは言葉の意味がわからない「シンボルグラウンディング問題」がある。身体性がないと言葉と現実の物事を結び付けれない。身体性がフレーム問題も解決しうる。
    アートに触れて感動した時、アーティストが見た世界を追体験している。
    人間は、自分の認知の範囲内で世界を理解する。アートは認知が完全でない、「わかる」部分と「わからない」部分を整理して、「すべてがわかったわけではない」と考えて、「わからない部分には、自分の知らない、なにがあるのか?」と思わせてくれるため役に立つ。
    デザイナー

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    2024年03月27日
  • 直島誕生 過疎化する島で目撃した「現代アートの挑戦」全記録

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    今年の夏休みに直島を訪れた際に感銘を受け、アートの島がどのように形成されたのか興味をもちこの本を手に取った。
    期待通り、直島が瀬戸内の小島から現代アートの聖地と呼ばれるまでに変貌を遂げていく様子が現場のアートディレクターという立場から臨場感をもって描かれておりとても面白かった。福武さん、安藤さんやアーティストたちといった主要プレーヤーを繋ぎ、支える著者の働きがあったからこそ直島はここまで変われたのだろう。
    現代アート市場の交渉現場や、タレル、デマリアなど直島に作品を展示するアーティストのリアルな姿などアートシーンの記述も興味深かった。

    直島を訪れた方、これから訪れる方にぜひお薦めしたい本。

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    2023年09月23日
  • おどろきの金沢

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    吉祥寺の街々書林さんの店長さんに勧められて追加購入。ホント店長が言われた通りオモシロイ!金沢に旅行に行くのが楽しみになりました。

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    2023年08月05日
  • 直島誕生 過疎化する島で目撃した「現代アートの挑戦」全記録

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    直島は、2014年1月に回ったけど、有料施設は入らない主義なので、この本に書かれているベネッセミュージアムや地中美術館は見てなかった。次回、行けたらゼッタイ観て回りたくなる本です。

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    2022年11月17日
  • 直島誕生 過疎化する島で目撃した「現代アートの挑戦」全記録

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    瀬戸内海の小さな島がなぜ世界的な現代アートの聖地となったのか?その答えが得られる本。
    直島のアートシーンをつくり上げる中核を担った筆者が、アーティストや島民など関係者との関りも含めて、アートの背景にある物語を詳細に描いている。
    直島のアートだけではなく、現代アート全般に関する理解にもつながる話があり勉強になる。
    その場所に行かなければ見られないもの、体感できないもの。
    この本を読めば直島でのアート体験が格段に違ってくる。

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    2021年03月17日
  • アート思考――ビジネスと芸術で人々の幸福を高める方法

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    デザイン思考とアート思考は異なる
    デザイン思考は、自分がどうしたいかではなく、顧客のベネフィットのためにはどうすれば良いかをロジカルに考えるもの

    アート思考は、「何が問題なのか」という問いから始める

    自然界には線も丸も遠近法もない。人間が世界を視覚認識で、捉えるために生み出した方法にすぎない。

    問いを見つけるセンスは、まずは自分の曇った眼を取り除くこと。

    視覚機関は教育されやすく、文化的な影響を受けやすい

    現代アートの鑑賞の基本は、感じるとともに考えろ

    「今を最優先して時代をテーマにしていること」
    「目の前のモノとそれが指し示す意味内容には、ある距離、あるいは断絶があり、そこに様々

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    2021年02月27日
  • アート思考――ビジネスと芸術で人々の幸福を高める方法

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    問題を解決するのがデザイン思考で、問題や課題を抽出し問うことがアート思考である。
    第1章からスッキリと腹落ちする。
    そしてアートと科学の関連性についても、非常によくわかる。
    現代アートについては、自分もみていてよくわからない作品は多いが、自分の頭からは絶対出てこないだろう作品に出会うと、その分からないことが面白いと感じる。
    美しい作品を愛でる美術ではなく、コンセプトなどを読む、理解することがアートなんだろう。
    アートは読み物ということだ。

    わからないを否定するのではなく、わからないを楽しむ。
    これがアートを楽しむコツ。

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    2020年03月31日
  • アート思考――ビジネスと芸術で人々の幸福を高める方法

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    ▼アートとは
    ■世界的に見れば7.5兆円もの規模がある美術市場(2018年)
    ■アートとは0→1を作り出す創造的活動であり、ビジョンと情熱が必要
    ■アーティスト=問いを発する人

    ◉アートをアントレプレナーと読み替えても同じ

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    2020年02月03日
  • アート思考――ビジネスと芸術で人々の幸福を高める方法

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    ネタバレ

    ■読む前の準備
    ・デザイン思考がビジネスシーンに通ずる普遍的考え方であるという理解でいたが、正直、アートとデザインの明確な違いが分からなかったことから、アート思考に特化した本書を読みたいと思った。
    ・美術・芸術がビジネスパーソンに好まれていることから、これまで理解の無かったその教養に馴染む示唆としたかったため。

    ■読んだ後の理想の姿
    ・ビジネスシーンにおいて、何が物事の本質で何が課題なのかを見極められるようになりたい。
    ・また、この読書をきっかけに美術館やアート教室に通ったりし、さらにアートに関するスキルや教養を向上させていきたい。

    ■エッセンス
    ・デザイン思考は、顧客側のニーズに寄り添い

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    2019年12月31日
  • アート思考――ビジネスと芸術で人々の幸福を高める方法

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    最近、商売で「アート思考」を売り出している人も多いので、気を付けたいと感じていた。

    そんなときに、この本に出会った。
    アート思考を学ぶなら、この本です。

    アートはアート、ビジネスはビジネス。
    違いを認め、通じるところは何か?

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    2019年11月17日
  • 直島誕生 過疎化する島で目撃した「現代アートの挑戦」全記録

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    芸術の島直島の立ち上げ頃からベネッセ中途入社社員として関わってきた秋元氏の直島誕生の回想録。
    芸術がひとつの島を聖地にし、瀬戸内を活性化した経緯を克明に記す。
    金と人が両方うまく回った稀有のケース。
    そういう意味では越後妻有はパトロンという意味ではホント凄い。

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    2019年08月25日
  • 直島誕生 過疎化する島で目撃した「現代アートの挑戦」全記録

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    あれは2000年か2001年だった。かねてから興味を持っていた直島を知人の紹介で訪問し、全くの素人ながら、現代アートの島に激しい衝撃を受けた。本書に登場した地元の菊田さんに案内してもらい、恐らく秋元氏にも会っていたのではないか。本村地区の家プロジェクトは、開館時間を過ぎていたのに、案内いただき、そこには福武夫人もいらっしゃった。最も印象に残ったのは、安藤忠雄建築でジェームズ・タレル作品の南寺である。暗闇に案内され、待つこと15分、微かな光を認識するようになると見えてくるアートに、完全に心を奪われた。そして翌日に大阪に行くと、梅田茶屋町で真っ白なスーツ姿の安藤忠雄氏に遭遇。以来、ずっと直島が自分

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    2019年02月24日
  • 直島誕生 過疎化する島で目撃した「現代アートの挑戦」全記録

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    直島を一気に復興させ、アートの島としての知名度を築く過程が詳細に書かれていた。内容が細かいため流し読みしてしまった部分も多いが、アートにかけた熱量が凄く伝わってきて、良い一冊だった。

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    2025年11月03日
  • アート思考――ビジネスと芸術で人々の幸福を高める方法

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    アートとビジネスは異なる。それでも、ビジネスの現場で、アート思考は必要。

    アーティストとは、問いを発する人。わからないものに対して、自分なりに粘り強く考え続ける態度が大切。

    普段の仕事や生活を離れ、ときには一人、自分と向き合って内面から湧き上がるものを眺めてみる。

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    2025年09月24日
  • 直島誕生 過疎化する島で目撃した「現代アートの挑戦」全記録

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    会社員として、直島を現代アートの聖地にした立役者の物語。

    「芸術を目指すとは、なんとも夢見ごちで現実離れしたことか」という言葉が印象的。

    アートという言葉を聞くと華やかなイメージを浮かべるが、実際はアーティスト、建築家、オーナーとの苦闘が続いた先に展示がある。

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    2025年09月22日
  • 直島誕生 過疎化する島で目撃した「現代アートの挑戦」全記録

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     アートは難しい。感性の問題ももちろんだが、有名どころを集めてみてもテーマの一貫性の面で、見る側にも違和感を抱かせるに至ってしまう。
     本書でも、上記のような視点が記載されている場面がある。著者の面接時のエピソードだ。詳しく書くとネタバレになってしまうので割愛するが、ここの描写は思わずクスッとしてしまうような人間味ある話となっているのでぜひご一読いただきたい。
     芸術に関心が薄くとも、本書は多方面で楽しめる作りとなっているので少しでも興味が湧いたのであれば、ぜひ手に取っていただきたい。

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    2025年08月22日
  • アート思考――ビジネスと芸術で人々の幸福を高める方法

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     芸術とは縁遠い自分にとっては、こういった世界に関わっている人の考えがわかる書籍はとても貴重だった。
     アートは現状の価値観を壊してくれるもので大変価値があり、(裕福な人がメインにはなってしまうが)お金だけでは買えない言語では言い表せない価値があるものを通したコミュニケーションの手段なのだと思う。
     近代の権力者に求められたものをつくるための芸術から、それを破壊しその時代の課題を先駆けて提示する芸術の変遷があると言った話がなるほど大変ためになった。今後美術館鑑賞する際の参考にしたい。
     また今の世の中にもの申すためにつくった作品が、結局は現代の資本主義の中に飲み込まれ高値で取引されるなどのジレ

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    2025年06月25日
  • おどろきの金沢

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    憧れの土地、金沢についてもう少し知りたかったため拝読。
    古都の風情が残る街並みはもちろん美しく、工芸や美術的な素養などの文化的な要素も感じるが、そこはかとないというか、説明できない美しさを金沢の街にはどこか感じていたが、それをこの本は解消してくれた気がした。
    土台としての文化があってこそ生活の循環が生まれ人も育つという気風が根付いていて、それを守りながらも、新しいことも必要とあれは受け入れていく、そんな意思が金沢の人と街にはずっと生き続けているから、滲み出る魅力を感じるのだろうと思った。
    金沢に本気で移住したい今日この頃。

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    2023年11月04日
  • アート思考――ビジネスと芸術で人々の幸福を高める方法

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    現代は、論理的に考え、正しい答えを出すことが、良いとされている。
    しかし、正しさは問いによって変わる。
    デザイン思考が最適解を得るための課題解決の思考であるのに対し、アート思考はそもそも何が課題なのかという問題を作り出し、「なにが問題なのか」といった問いかあ始める。

    既存の規則や常識にとらわれていると、ゼロベースで問いを考え出すことは難しい。アートはいったんゼロベースにして、物事や社会を捉えなおす。
    その思考法は、私たちが生きる上での新たな価値感や新たな幸福感を与えてくれるだろう。

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    2023年05月06日