秋元雄史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
芸術とは縁遠い自分にとっては、こういった世界に関わっている人の考えがわかる書籍はとても貴重だった。
アートは現状の価値観を壊してくれるもので大変価値があり、(裕福な人がメインにはなってしまうが)お金だけでは買えない言語では言い表せない価値があるものを通したコミュニケーションの手段なのだと思う。
近代の権力者に求められたものをつくるための芸術から、それを破壊しその時代の課題を先駆けて提示する芸術の変遷があると言った話がなるほど大変ためになった。今後美術館鑑賞する際の参考にしたい。
また今の世の中にもの申すためにつくった作品が、結局は現代の資本主義の中に飲み込まれ高値で取引されるなどのジレンマもある意味では面白い。
ただ生きることについてはだいぶ余裕ができてきた今日この頃、今後芸術を通じて違う世界、考えを取り入れていきたいと思えた本書だった。 -
Posted by ブクログ
直島のアートプロジェクトを手がけた筆者の、立ち上げにまつわる苦労話やエピソードを紹介。
特に、迫力あるのは、ジェームスタレルを招聘した南寺という作品だろう。体験型のこの光のアーティストは、長い時間をかけて光が飛び込んでくる様をアートにした。実際、ちょっと不安になるくらい真っ暗だから、人はいかに暗闇を畏怖するのかと思ったくらい。
そして、モネの睡蓮を飾ることになる地中美術館、これはMOMAで目の前にしたモネの絵の感動と、同じくらい素晴らしい体験だった。教会のようだという表現が本書にもあったが、まさにそんな神聖な感覚を持つ。こんな美術館は他にない。自分がどこにいるのか一瞬忘れるような体験。そして、ジェームスタレルのオープンスカイと、デマリアの作品も本当に素晴らしい。直島に行くと、必ず足を運ばなくてはいけない作品だったし、これからも行くことになるんだろうなと思っている。この建築を安藤忠雄の意図と、各アーティストの作り方とを合わせていくのは至難の技だったはずだが、それを乗り越えて、実現した世界観は本当にすごいと思った。壮大な挑戦の後で行った人には、この困難かつ努力はわかるまい。本書を読んでよかった。 -
Posted by ブクログ
「豊島」に行ったことがある
それも海路を伝い船で行ったことがある
もう何十年も前のことである
瀬戸内海の汚染の傷跡を巡る旅だった
「豊島」の港に降り立った時に
産廃の撤去運動をしておられた
猟師さんのお話を聞かせてもらった
そのすぐ近くに
「直島」という島があることを
教えていただいた
「直島」が現代アートの聖地と呼ばれるようになった
と見聞した時に
東京の「両国」のことを想ってしまった
江戸期に刑場としてあった場所が
そののち見世物小屋、芝居小屋、相撲興業、…
いわゆる庶民が寄り集う歓楽街になっていった
という史実を重ねていた
そんな意味で気になっている場所の
一つが この「直島」である
いつか 行くかもしれない
それが いつのことになるやら
自分でも わからない
ただ わかることは
みんなが 行くなら
私は 行かないなぁ
そんな 場所のひとつになっている -
Posted by ブクログ
ネタバレアートとビジネスというテーマだけでなく、「現代アート」って何?や、どうやって作品を介しアーティストとコミュニケートするかというようなことをサクサク(いい意味で)ライトに説明されているのが入門書として良い。
一点、私はアートに関心がある方ですが、端々の「アート、わかったほうがいいスよ?」なやや上から目線な書きぶりだけ気になった。(日本の文化/美術教育・政策に疑問を呈したいというのは共感しますが)
最も感銘を受けたのは第3章で、茂木先生の事象の読み取り方は「文脈」と「感動」であり、ストーリー(文脈)だけではわかったことにはならず、経験に昇華するには「感動」が必要であるという話を読んでいて、私が好きなアイドルのコンサートが論理的で「わかる」と感じる理由は、セットリストの整合、ブロッキング、視線の流れetc.といった数え切れない程の「文脈」と、演者のパッションであったり、動きや表情の美しさといった「感動」をきちんと受け取ることが出来ていたからだなと非常に腑に落ちた。
(また、第5章で「いい作品とは、いくつもの解釈ができる作品のことだ」とのウォルター・デ・マリアの言葉が引用されているところも。)
それから、第2章、現代アートは常々「わからない」で片付けがちですが、「どこまでわかって」「何がわからないか」を整理することが謙虚な向き合い方に繋がるのではないかというのは目から鱗で、「この人の言ってることよくわかんないけど何となく好き」みたいな、自分の中で批評的に評価する習慣というか、他者に関心を持つきっかけにもなり得るなというようなことを考えました。
あとは余談ですが、Venice Biennaleのことが度々出てきて、私はあの街の冷凍保存されたような、というか、テーマパークのような居心地の悪さがあまり好きではなく、第4章で出てくる西洋美術史は「革命」対する日本美術史は「継承」と表現されていたのが、都市や街においては真逆っぽいのが面白いなと思いました。
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Posted by ブクログ
冒頭に
「どんな角度から考えても『アートとビジネスはまったく異なる』。これが正直な感想です。」
とある。えっ、と思わされるだろう。しかし本書は
「アートは、直接、ビジネスのヒントになるかどうかはわかりません、はなはだ心もとないというところではあるのですが、今の社会を考えるにあたって、これまでの視点では得られなかった考え方やものの見方を得るきっかけになるのではないかと思います。ビジネスもアートも人の暮らしの上にある以上、どこかで共有すべきものがあるでしょう。」
と結ばれている。
この間にあるもの探しながら読んでいくと、いろいろと見えてくるものがあるだろう。
それは簡単ではない。わかりやすくもない。僕も十分に理解できたとは言えない。
しかし、簡単にわかった気になれるものは既知のものであり、そこかれは新しい考え方や視点は生まれない。
腰を据えて読むべき本。速読向きじゃない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・何かを考える上で、判断する上での新しい視点を得ることができたと思う。(特にビジネスにおいて)
・大きなキーワードは「そもそも何が問題なのか」、「ゼロベースで考える」
・起業や新たな取り組みを始める際に、特に参考にしたい。(もちろん既存の取り組みや、何かを判断するときにも大いに参考になる)
・ビジネスにおいては、「改善」ではなく、既存のものとは全く違う発想で、ゼロベースで考えることが、非連続的な成長を生み出すと感じた。
・現代アートを構成する3要素「インパクト:他と違ったオリジナリティ」、「コンセプト:どんな考えによって作品が生み出されているか」、「レイヤー:いくつもの解釈が可能ということ。」これはビジネスを作るときにも大事にしたい。
(2020/5/26)