小城武彦のレビュー一覧
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日本企業には、構造的に事業衰退をもたらす「衰退惹起サイクル」が備わっている。
①経営陣の意思決定プロセスが予定調和的
②ミドルクラスの社内調整プロセスが高度に浸透
③出世条件が幹部への忖度、社内政治
④経営陣の資質が社内調整に全振りしており経営能力は低い
日本は文化的にもこの衰退惹起サイクルが駆動しやすい特性をもっている。
それが東アジア全域で見られる「相互協調的自己感」である。
では、逆に衰退に向かわない優良企業にはどのような「癖」が存在しているのか。
経営陣の意思決定プロセス
・事実に基づく議論を尊重する規範(衰退企業は予定調和的)
ミドルクラスの社内調整プロセス
・事前調整は論 -
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古代の共同体的活動が資源や労働力の共有を通じて徐々に広がり、地域社会の経済基盤を築く。その後、更に活動範囲が広がるにつれ、より大規模な資金が必要になり、資金調達やリスク分散を目的とした仕組みが進化し、最終的に株式会社という形態が生まれてきた。
しかし、その共同体は必ずしも社会に必要な存在であり続ける事はできない。社会が変化して当初の目的が変わったり、他に目的を果たす類似の存在が誕生する。しかし、雇用や存在を維持し続けるために、やがて存続が自己目的化していく。
本書は破綻企業と優良企業を比較して、破綻企業の特徴を見抜こうとする名著。社員のアンケートなどの調査も活用している。ただ、相関関係と因 -
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ネタバレ破綻を防ぐためには経営陣が高い経営リテラシーを持ちながら互いに侃々諤々の意見を戦わせながら事業を行っていくこと、またその人事的にも上記のことが行える人を適正に判断し登用していくことが大事だということである。そのことにより外部環境の変化に適合していくことができるという話である。現在の環境変化が著しい時代には特に大事なことだと感じました。同時に衰退惹起サイクルに入ってしまった企業の流れを変えるには経営陣を変化させていく必要があり、このことが企業変革を難しくしていることをすごく感じました。ミドルの立ち位置から何ができるのかが定義されているとさらに学びがあったように思います。
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Posted by ブクログ
日本人が多い組織には、衰退惹起サイクルが駆動しやすい文化的な癖があると考えられる。
したがって、日本企業において経営者が気づかないうちに、衰退惹起サイクルが駆動してしまい、事業環境に変化が生じるまで気がつかないリスクが存在する。
(事業環境が良いときには、このサイクルは逆に効率的でうまく回るので、気づかない。)
衰退惹起サイクルの駆動を防止するには、
意志決定プロセスにおいて、予定調和性の低い意志決定プロセスとなるように
事実をベースとした議論を尊重する規範が存在し(くさび1)
出世条件において、正論の展開力と実行力を持つ人材が登用されるように、
人事部局の統制によって公正に登用される人事プ