新共同のレビュー一覧
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新書版新約聖書の後半である本書には、
使徒言行録、書簡集、そしてヨハネの黙示録が収められている。
聖書というものは、断片的に触れることはままあるが(コリントの信徒への手紙などは、結婚式で聞いたことがある向きも多いだろう。)、通読する機会はなかなかない。
今回、一連の福音書とあわせて通読しいくつかの点と点が繋がった。
たとえば、使徒・信徒たちを迫害する側であったサウロ(パウロ)の回心というのはキリスト教が伝搬していく上で非常に重要な出来事だったことが伺える点や
そのパウロの思想が手紙から汲み取れ、またそれがときとともに変わる点、そして異なる使徒・信徒により異口同音に語られることでキリスト教の本 -
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世界で一番読まれている書物の中の書物らしい。
1巻は4つの福音書と佐藤氏の解説が収められている。
聖書を読むのは初めてなのだけど、
お釈迦様との比較という罰当たりなことをしてしまうと、
お釈迦様の彼岸は現実を認めるところから始まり、
イエス様の神の国は理想に生きるところから始まっている。
お釈迦様のお説きになった事は頑張ればまだ出来るが、
イエス様のお説きになったことをやるのはとても難しい。
なるほど、お釈迦様は真に目覚めた人で、イエス様は神の子だ。
そして神の子の言うことを聞くことが出来ない我々は罪深い。
しかし、入り口は反対側だが、仏教徒もキリスト教徒も同じく、
自分の持ち物を捨てて、 -
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生まれて初めて通読した聖書は、佐藤優氏による新書となりました。
現代語訳で書かれる、ここまでわかりやすくなるのか、と驚きます。
また、これまで忌避していたのは、その内容以上に
「版が古すぎて文字が小さ過ぎる」とか、
「かなの遣いが自分の感覚にしっくりこない」というような副次的な要因だったかもしれません。
何より、読む理由がなかった。
今回は参加する読書会のテーマ本ということで手にしましたが、そうでなければ手に取ることも無かったでしょう。周りでも、読まずに一生を終える人も多いに違いありません。
読んでみてどうだったのか、と問われたら。
一番は、「宗教を信じるか、信じないか」という究極的 -
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「わたしはアルファであり、オメガである。」
今作では、使徒言行録、手紙、黙示録が収められている。その中でも、ヤコブの手紙、ペトロの手紙、ヨハネの手紙、ユダの手紙が読んでいてい面白かった。それぞれ12使徒の一員としてキリストをたたえながらも、それをどのように説くかについて、また、どのような言葉を使うかについて個性が見られたからである。その中でもペトロの手紙が、いかにもキリスト教っぽい内容になっている。ヨハネは書き方が中二チックである(このような言いぐさが許されるのなら)。
ヨハネの黙示録はとても恐ろしいものだった。7つの天使が吹くラッパは災いをもたらし、裁きを行う。ヨハネはこれを神→キリスト -
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第2巻には、使徒言行録、書簡集、ヨハネの黙示録が収められています。
「キリスト教」というあたらしい宗教を立ちあげたパウロの行跡が語られ、信徒たちにあたえられた彼のことばが示されています。
「あとがき」にあたる「もっとキリスト教を知りたい人のために」という文章のなかで佐藤は、「通勤や通学の途上、電車、地下鉄、バスの中で手軽に読むことができる聖書がない」といい、新書版の聖書を刊行することを思いついたと述べています。ハンディ・サイズの聖書は以前からありましたが、電車のなかで読むのは周囲の視線が気になるし、また文字が小さい、ページが繰りにくいなどの問題もあります。「文春新書」という一般の新書レーベ -
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新共同訳の聖書を新書に収録し、佐藤優による解説を付している本です。第1巻には、四福音書が収められています。
巻末に収録されている「非キリスト教徒にとっての聖書」で佐藤は、「私は功利主義者だ。役に立たない読書は基本的にしない」とみずからの立場を明言したうえで、現代の世界が直面しているさまざまな問題をより深く理解するために聖書が役に立つということを、「非キリスト教徒」の読者に向けて語っています。
ここで佐藤は、佐藤は、菅直人が掲げた「最小不幸社会」という国家像に対して、「政治に夢や理想、あるいはユートピアを託すことを初めから諦めている」という問題点を指摘し、いっさいの政治的判断が情勢論にもとづ -
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佐藤優氏が「新約聖書を宗教に特別な関心をもっていない標準的な日本人に読んでもらうために書いた」という、全2巻の第1巻。
第1巻では、イエス・キリストの生涯について記した4つの福音書が収められている。
キリスト教の理解では、イエスが出現し、人間の罪をあがない、十字架上で死んだことによって、人間の救済はすでに始まっており、そのメッセージ(福音)を伝える核になるのが4つの福音書であるという。そしてそれは、大きく、「神の国」をイエスの中心的な福音であると考え、互いに近い関係にある「マタイによる福音書」、「マルコによる福音書」、「ルカによる福音書」と、「永遠の命」をイエスの中心的な福音と考え、言葉(ロゴ -
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佐藤優氏が「新約聖書を宗教に特別な関心をもっていない標準的な日本人に読んでもらうために書いた」という、全2巻の第2巻。
第2巻では、新約聖書27巻中、4福音書以外のすべての文書が収められている。
イエスの生涯について記した福音書に対して、その他の文書はイエスの死後について扱っている。
著者はそれらの文書について以下のように述べている。
「使徒言行録」・・・前半は「ルカによる福音書」に記された12使徒に含まれるペトロやヨハネが活躍し、後半は12使徒ではないパウロの物語である。しかし、パウロがいなければ、イエスの教えはユダヤ教の一分派にとどまり、世界的な広がりを持つキリスト教に発展することはなかっ