東京都市圏の現状を踏まえた上で、世界各国の大都市の動向、東京都市圏の課題、今後のシナリオ、最良のシナリオに向かって実施すべき方策等を構想した本です。
東京都市圏は、世界最大3000万人を擁する巨大都市圏であり、経済的指標・研究開発指標等を中心に、世界の他都市を越える水準にあります。ただし、高齢化率
...続きを読むの急激な上昇、生産年齢人口の減少、老朽化するインフラなど、大きな課題も抱えています。またアジアの大都市圏(上海・シンガポール・香港・ソウル)等の都市・インフラ戦略等を整理しています。
これらを踏まえた上で、4つのシナリオ(豪雨・長雨・曇天・晴天)に分けて方向性を検討しています。晴天にたどり着くためには、規制緩和・オープン化、競争促進・選択と集中、パラダイムシフト・社会構造改革が求められるとされています。
その後晴天シナリオに向かうための実行メニューを羅列しています。ここのメニューは「こんなことやったらよいのでは」レベルなので、☆1つ減点。
とはいえ、シナリオプランニングを含め、全般的に良い切り口で分析されているので、☆4つです。大都市東京の行く末に関心のある方は読んでみるとよいかもしれません。