山口ミルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレゲスな理由だが、筆者が亡くなられたというニュースを見て、手に取った。死に近い人の文章は読みたくなってしまう…
ほぼ会話なので読みやすい。
この本が流行っていた(?)時をうっすら覚えているけど、当時は興味がなかったし、タイトルとポップな表紙から「生きるの大変だけど上手に自分を褒めてあげよう」的な、ふわっとしたエッセイなんだろうと思っていた。
開いてみれば、想像の5倍くらいは病んでいた。全然ゆるふわじゃない。感情的で、彼女の痛みや憂鬱、自責がビシバシ伝わってくる。
医師とのやりとりをこれだけあけっぴろげに本にしていて、まだ治療中であるにも関わらず、そこが素直に凄いと思った。私にはできない。勇気がある。
内容は会社を辞めたところで終わっている。希望でも絶望でもない終わり。彼女は「願い」と書いていた。本が終わっても彼女の人生は続くという、当たり前の事実を強く感じる。
共感する部分もあるし、そうでない部分もあった。
自分について他人について世界について出来事について、考えすぎてしまう人間は魅力的で私は好きだけど、生きづらいよなあと思う…
それにしても韓国のメンタルクリニック(?)は、医師本人がカウンセラー並みに深く話を聞いてくれるんだな、すごいなと思った。 -
Posted by ブクログ
作者自身が体験した気分変調症の治療エッセイ。
最近、著者の訃報を知り、ずっと気になっていたのにまだ読んでいなかったことを思い出して手に取った。
程度の差はあれど、自分にも似たような考えや経験が多く、共感しながら読んだ。
一番共感したのは、全編を通して「わたし」が先生から何度も助言されていた、“全てを二択で捉えてしまう極端な考え方”。
私自身、無意識に何事も白黒つけたがる傾向があることに、最近ようやく気づいたところだ。自分が下した極論や貼ったラベルに苦しめられることも多かったけれど、「物事はすべてグラデーションだ」と思えるようになってから、少しずつ心が軽くなってきた気がする。それでもまだ、意識していないとすぐに二分化してしまうところがある。
だからこそ、付録散文集「人生の課題」にある「天性の気質は仕方がないとして、思考や振る舞いも自分自身から派生して蓄積されるものだから、天性のものと同じぐらい変えるのが難しい。」という一文に深く共感した。それでも“変えようと思えば変えられる”と信じて、これからも自分を見つめ続けたいと思う。
同じく付録散文集「視点を変えなければ」にあった「人生の空洞は無数の気づきによって埋められることを学んだ。」という言葉もとても心に残った。
この「〜変えなければ」という表現には、「自分を良くしようと意識して変わっていかなければ、症状も良くならない」という一種の強迫観念のような切実さが滲んでいて、著者の心理が感じられた。
人生に行き詰まったとき、また読み返したい本。
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Posted by ブクログ
「暗い面をさらけ出すのは、
私が自由になる一つの方法だ。
これも、また私だということ。
私の大切な人々にどうかわかってほしいと思う。」
冒頭のこの文章にとても共感してしまった。
暗い面をさらけ出したいけれど、それを相手に
出すのも気を遣ってしまい勇気がいる行為だなと。
気分変調性障害になった著者と医者の
対話形式のエッセイになっている
昔読んだ「嫌われる勇気」のような対話形式の
文章は読みやすかったです。
読む中で、
著者の抱える悩み(自己肯定感の低さや容姿に対する悩み)が自分にも刺さってきました。
ただ、世界中に自分のように悩み苦しむ人が
いるんだなと思うと、
自分だけじゃないんだなと思えて
少しホッとしました。
病を抱えても淡々と日々は過ぎていく中で
無理せず、1日、1日を乗り越えていくことが
大切なのかなと思いました。
◉本の中で気になった文章◉
「大丈夫、影のない人は光を理解できない
光と影は一体。人生の曲線は流動的。
人は、誰でもみんな不完全な1人の人間。」
「頑張れという言葉、
萎縮せず自信を持てという言葉は、
時には毒だ。それができない人の
心の内側を深く傷つける。
足りなくても大丈夫だし、
未熟でも大丈夫。頑張らなくても、大丈夫だ。」
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Posted by ブクログ
ネタバレ鬱症状のある筆者とカウンセラーの会話記録。そしてその記録からの分析。
ところどころ、共感できるような心に来る分析がありました。
中でも今の自分を過去の自分が見たら成功している、すごいと思ってる、というような内容に元気をもらえました!
p.57
普通夢が実現する前は、「これさえ叶えば、あとは何もいらない」と思うじゃないですか。夢が叶った時の気持ちを思い出せば、今の人生がボーナスみたいに感じられませんか。
p.58
今のあなたはまるで自分の人生と過去が失敗だったみたいに思っている。でも、子供の頃の基準からすれば、今の自分はとても成功しているともいえるんです。
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Posted by ブクログ
私もめちゃくちゃ両極端な思考をしている。誰かに依存してしまう。自己肯定感が極端に低い。今に始まったことではない昔からずっとこんな感じ。
先生のカウンセリングは自分に話しかけてくれてるみたい。それくらい著者の悩みには共感できるから、自分も一緒になってカウンセリングを受けてるみたいだった。カウンセリングって受けたことないけど、こんな感じなのか。話聞いてもらえるだけでもスッキリしそう。
【度が過ぎた容姿コンプレックスと演技性人格障害】の章は分かり過ぎてもう...先生は対話してくれるけど、自分がブスなのは紛れもない事実なので先生が何言ったってそこは変わんねーよと思ってしまった。何も解決しないし救われない。気持ちの持ちようとかではない。金を積んでもブスはブス、何も変わらないのである。(本人談。事実、私は整形してるがそれでも少しだけマシなブスになっただけだし、人並みの顔面には程遠い)
ただこういう思考をしてる時点で病的なんだなと思う一方、いやでもブスなのは事実だし...とスタートに戻る。思考は堂々巡りしている。
この本は私を救ってはくれない。
頭では理解してもそれを実践するのはまた別の話。
自分もこんな思考してんだな、自分ってめちゃくちゃめんどくさい人間じゃねーか、とやっと気付けただけでも読んだ価値はあったかも。
続きも読んでみます。 -
Posted by ブクログ
韓国人作家の本を初めて読んだ。それはさておき、この本は気分変調症と不安障害を長年患う作者が主治医とのカウンセリングでのやりとりを軸に、自らの心境やその変化を赤裸々に綴ったものである。一般的には恥ずかしくて隠したい心理カウンセリングの内容を自らの心境込みで世間に公開しているところ、また、作者は一見普通に暮らしているように見えて(ある人から見たら恵まれているとも見えるかもしれない)特段不幸なエピソードが起こっているわけではないのだけれども本人としては確実に日々がつらいというその主観的なつらさをなかったことにせず拾い上げたことが、多くの人からの共感を生み、この本の新しさと魅力となっているのではないかと思った。