グレン エリック ハミルトンのレビュー一覧
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ネタバレカテゴリは”ハードボイルト”と迷わず選べる、カチカチのハードボイルト。
最近は、サイコ的な味付けや派手なアクション場面がウリの作品が多くなってきて、それはそれでいいのだけどこういう硬派な作品が少なくなってきているので嬉しい一作。
10年ぶりに祖父の連絡で軍から帰省してきた主人公の目の前で祖父が襲われる。重体になった祖父を襲った犯人は…。
プロットは一見単純なんだけど、実は良く練ってあってラストまで全く飽きない。しかし、メインプロットと同等、もしくはそれ以上に味わい深いのが主人公と祖父の関係。
現在の物語と交互に描かれるのが、主人公の幼少時代から祖父から逃げるように入隊するまでの日々で、孤独 -
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グレン・エリック・ハミルトン『眠る狼』ハヤカワ文庫。
タイトルに惹かれて購入。帯に書かれたリー・チャイルドの『初球ホームランだ!』という言葉が、この作品の全てを見事なまでに表現している。デビュー作とは思えない程の巧みなプロット、伏線、予想外の結末と、驚く程の完成度なのである。作品全体の雰囲気としては、リー・チャイルドのジャック・リーチャー・シリーズの第1弾『キリング・フロアー』を彷彿とさせる。
10年前に故郷を離れ、海外で軍務に就いていたバン・ショウの元に祖父のドノから『家に帰ってきてほしい』という弱気な手紙が届く。急ぎ帰郷したバンを待ち受けていたのは銃撃を受け、死の淵をさまよう祖父の姿だ -
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ネタバレ「帰ってきてほしい」10年前に故郷を離れ海外で軍務に就いていた主人公バンのもとに、ずっと音沙汰の無かった祖父からの手紙が届く。プロの泥棒である祖父の弱気な手紙に胸が騒いだバンは急いで帰郷した。だが、到着した彼を待っていたのは頭に銃撃を受けた祖父の姿だった...。人事不省の祖父を前に事件の真相を追う決心をしたバンは祖父の仕事仲間に協力を仰ぐ。
事件を追う現在のバンと過去の祖父との出会いと別れが交互に語られクライマックスへと向かう
とにかく祖父の頑固さとプロとしての矜持、そして滲み出る優しさがたまらない傑作です。
祖父の仕事仲間の爺さん連中のキャラクターも濃厚で最高なんです(※泥棒です) -
Posted by ブクログ
帰ってきてほしい――10年前に故郷を離れ陸軍で海外勤務についていたバンに、長い間音沙汰の無かった祖父から届いた手紙。ベテランのプロの泥棒である祖父の弱気な言葉に胸が騒いだ彼は、10日間の休暇をとって帰郷する。だが空港からなつかしき祖父の家に着くと、そこでは頭に銃撃を受けた祖父が倒れていた! 人事不省の祖父を問い詰めることも出来ないバンは、手掛かりを求め、旧知の仲である祖父の仕事仲間に協力を仰ぐ。どうやら祖父は最後の大仕事を行なっていたらしいが……ミステリ新人賞三冠を制した、昂奮と哀愁がクロスするサスペンス!
冒険小説のエッセンスもあって、なかなか楽しめた。