中江兆民のレビュー一覧

  • 三酔人経綸問答
    お馴染みの洋学紳士、豪傑君、南海先生の3人がヘネシーを飲みながら経綸について語り合うという本を現代語に訳したもの。100年も前の話だけど、中身はまだ舞台を現代にしても通じるんじゃないだろうか。
  • 一年有半
    原文は漢文調で書かれたものであるが、懇切丁寧な注とともに口語文に訳されていて、たいへんに読みやすい。もちろん、原文に触れるに若くはないかもしれないが、書かれている内容を通じて、作者のことを身近に感じることができるという意味では、むしろ口語訳の方がいいのではないかと思われる。
  • 一年有半
    中江兆民について思い出したので、新訳文庫に入っているのを発見して、紐解いた。原文は漢文調とはいえ学の無い大学生でもなんとか読めたのだから、何をわざわざ訳する必要があるのだろう、悪口を言おうと目論んでいた。

    そうすると、訳文と同量の注がついていて、この40年間に画期的に進んできた中江兆民研究の成果を...続きを読む
  • 三酔人経綸問答
    1.この本を一言で表すと?
    平和主義と武装主義の議論を対話形式でまとめた本。

    2.よかった点を3~5つ


    2.参考にならなかった所(つっこみ所)
    ・なぜ対話形式の内容になっているのだろうか?
    ・立憲制と民主制を区別しているのはなぜだろうか?
    ・洋学紳士は「狂暴な国は決してないことを知っています...続きを読む
  • 三酔人経綸問答
    明治時代に、このような知識人がいたということを知れただけでもまず読む意味があった。
    大正から令和の時代の今までの歴史を振り返ると、その慧眼に驚く。
  • 三酔人経綸問答
    大酒飲みの南海先生の家に、自由平等・絶対平和の追求を主張する洋学紳士君と軍備拡張で対外侵略をと激する豪傑君がやってきて、それぞれの主張を述べて南海先生も持論を述べ、夜が明けて紳士君と豪傑君が帰るまでの話。
    物語が書かれた時代というところをイメージできた方が、それぞれの主張の背景みたいなものがリアルに...続きを読む
  • 三酔人経綸問答
    翻訳が分かりやすくてすいすい読めるし、想像以上に書かれている内容が今読んでも古びておらず面白い。(これが明治20年(1887年)時点で書かれていた驚き…)もちろん原文も収録されてます。
    豪傑君、西洋紳士君、南海先生の3名による正解のない議論(あえて読者に「そこ」を考えさせる構成)に加え、脚注と解説で...続きを読む
  • 三酔人経綸問答
    中江兆民 「三酔人経綸問答 」

    明治時代に日本の未来像を考えた本

    戦争を放棄して民主制か、アジアに侵略して欧米と戦うか、二項対立式な論述だが、民主制も侵略主義も実現困難とし、進化を待てとする 著者の結論は 歯切れが悪い

    論争の中から 自由民権運動や征韓論の問題点を洗い出しているように思う


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  • 三酔人経綸問答
    南海先生、紳士君、豪傑君の三者による対談形式。分量の半分以上は原文や解説なので、新訳の本編自体は短い。

    洒落のきいた文章と、単純簡潔な構成(ヘーゲルの弁証法的?)でさっと読ませるが、中身は大問題に真っ向から取り組むもの。現代の憲法九条に関する議論もほぼこの本で語られていることにすっぽり収まりそう。...続きを読む
  • 一年有半
    タイトルは筆者の残り余命から。基本的には世の中を斬るみたいなスタンスで伊藤博文辺りをガンガン攻撃する物申すスタイルで合間に文楽や自分の身体について触れている。
    1年半という寿命を短いと思うようなら50年あっても足りない。今を大切に生きろ、というのは至言。