藤えりかのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
キム・フックさんのベトナム戦争
少女が裸で逃げる写真、これは見たことがあるそう思って読み始めたが、全く理解していたものが違うものであった。
戦争と言う殺人と、国と政治、浅いものではあるがすっかり引き込まれて考えさせられた一冊だった。
そもそも裸で逃げる少女ではなかった
ナパーム弾で一瞬にして着ていた衣服が溶かされどうしていいかと彷徨う少女なのだと知った。
もちろん逃げているとも言えるが、取るもの取らず逃げていると思っていたのでそうではないと知り
ナパーム弾って…と恐ろしさについて知った。
溶かされた衣服が皮膚も蝕むのは言うまでもない。
身体の多くの皮膚に火傷を負い、彼女の運命が幾つもの出来事 -
Posted by ブクログ
1972年6月8日。ベトナム南部の農村でのナパーム弾による爆撃。火傷をおい逃げ惑う少女の写真はピューリッツァー賞を受賞する。「ナパーム弾の小説」とカメラマン達のその後の50年を、追った力作ノンフィクション。
少女の名はファン・ティ・キム・フック。全身に大火傷を負いながら奇跡的に生き長らえる。しかし続く傷痕の痛みと政府のプロパガンダに利用され監視される生活。
ベトナム戦争後の政府の混迷に奔走されながら逞しく生きるキム・フックとあの写真を通じたカメラマン、医師らとの出会いと絆。
ベトナム戦争の集結を早めたとも言われる一枚写真を通じた大河ドラマ的なノンフィクション。
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Posted by ブクログ
表紙絵に採用された写真は有名である。中心にいる少女は、一番目立つポジションにいるが故に、とりわけ衝撃的だ。衣服を身にまとっていない。眉を顰める人もいよう。この写真は、のちに、「戦争の恐怖」と名付けられたが、ナパーム弾の少女、という呼び名もある。撮影者は、ニック・ウト氏。ベトナム戦争の象徴となったこの写真によって、ピューリッツァー賞を受賞。子どもたちを支援し、キム・フックさんとも交流を続けた。
衣服をまとっていないのは、別に邪な意図ではない。彼女の衣服は、ナパーム弾で一瞬で焼かれてしまった。映っていない背中は、火傷している。衣服を身にまとっていようといまいと、彼女には重要ではなかった。もっ