牧久のレビュー一覧
-
【歴史とは物語である、といわれるが、溥儀、溥傑を取り巻く人間ドラマは、虚構の物語の世界をはるかに超えている】(文中より引用)
清朝最後の皇帝であるとともに、満州国の初代にして唯一の皇帝として担ぎ上げられた愛新覚羅・溥儀とその弟の溥傑。壮絶な人生を歩んだこの2人を軸としながら、戦前・戦中・戦後の日中...続きを読むPosted by ブクログ -
マングローブ枯れたり。という一言に尽きる。
思い返せば松崎氏死後のこの手の文献に触れたことはなかった気がするけれど、大塚社長以来、着実に革マルの「牙を抜く」労政が実行されていたのだなあと認識。他方で共産革命にはスリーパーが不可欠なのかしら、とも思ったり。
思想の是非はともかくとして、松崎氏は個人とし...続きを読むPosted by ブクログ -
国鉄栄枯の歴史を国鉄内部の目線で描いたルポ。
鉄道ファン向けに描かれるような東海道新幹線開通や世間の様子ではなく、国鉄がJRへ解体されるまでの組織と政治の話に特化していて、その人間の織り成すドラマはあまりにも金と欲にまみれて重苦しい。
変わり続ける政治家、利権をむさぼる労働者、不明瞭な責任の中で愛...続きを読むPosted by ブクログ -
国鉄が労使対立と巨額の債務のなかで迷走を続け、分割民営化されるまでのドキュメント。親方日の丸で統制の取れない職場の実態が生々しい。Posted by ブクログ
-
生まれた時からずっーとJRだった世代です。
今でも時々JR東日本の労働組合がニュースになり、折角なら国鉄時代の労働組合からその問題を紐解いていこうと購入を決めました。
国鉄と労働組合の関係が丁寧にまとめられていて、問題の根幹を良く理解できました。
次はJRの労働組合についての本を読み進めていく予定で...続きを読む -
長らく日経新聞において、国鉄及びJRを担当する社会部記者として前作「昭和解体ー国鉄分割・民営化30年目の真実」で国鉄民営化の歴史をまとめあげた著者が次に選んだ対象は、JR東日本の労働組合を長年実行支配し、かつ自らも核マル派のイデオローグであった松崎明である。
本書は、平成最大のタブーとも呼べるJR...続きを読むPosted by ブクログ -
【”妖怪”と呼ばれた男・松崎明の”呪縛”からJR東日本が「完全に解放される日」は、”日本の失われた二十年”どころか平成まるまる三十年間をかけて、ようやく近づいてきたということなのだろう】(文中より引用)
旧国鉄において「鬼の動労」と恐れられた労働組合を率い、民営化後もその絶対的な影響力を保持し続け...続きを読むPosted by ブクログ -
半強制的に組合に入らされている若手や中堅に、昔はこんなことがあったと知る意味でおすすめ。信じられないようなことがあったんだなと、驚くと思う。Posted by ブクログ
-
国鉄解体の正史 関わる人達の営みはドラマチック トップ中曽根総理の覚悟
それにしてもよくあれだけの改革が出来た
あれがあったから日本航空 日本郵政はまだ容易だったのだろう 前例主義
現代は「社会保障」誰も手がつけられず、財政と国家の破綻を座して待つばかり
本当に安倍首相は時代認識も、歴史的使命観も...続きを読むPosted by ブクログ -
とにかく詳しい。一度読み返さないと消化しきれない。組合幹部は何がしたかったのだろうか。いやはや。3人組のうち、東日本は動労に屈し、西日本は尼崎をやり、東海だけはまだ大きな失敗をしていないが、はたして葛西は無事一生を終えるのだろうか。あそこが1番危なそうなものだが… すごい時代だけど、そんなに昔のこと...続きを読むPosted by ブクログ
-
これは本当にすごい本、というか凄すぎる内容の本だった。
明治国家の西洋化の象徴として新橋ー横浜間の鉄道が最初に通され、終戦直後には復員兵を数十万単位で引き受け、64年の東京五輪では新幹線を通したが為に赤字転落をした国鉄は最終的には、職員27万人、累積赤字37兆円(!)となり、複雑な労使関係、より複雑...続きを読むPosted by ブクログ -
1987年4月1日は国鉄が民営化され、JR各社が発足した日にあたり、今年は民営化から30年という節目となる。30年が経過したものの、民営化の際に議論された問題は全てが解決したわけではなく、むしろJR北海道の経営問題のように、深刻さを増すものもある中、日経新聞の記者であった著者が、民営化時の首相であっ...続きを読むPosted by ブクログ
-
国鉄改革の裏舞台を、政治、国鉄当局、労働組合、それぞれの立場から詳細に記録したもの。
「未完の国鉄改革」「国鉄改革の真実」にも、触れていないことが多く、語られている。Posted by ブクログ -
二人の人物を中心にベトナム独立運動が語られています。
15歳で仏領インドシナに渡り、「大南公司」を興して成功した実業家・松下光廣。
ベトナム王国初代嘉隆帝の長男で皇太子だったものの早世したグエン・カイン(阮景)の末裔で、日本に亡命して独立運動を推進した畿外侯クォン・デ(彊柢)。
フランスの植民地であ...続きを読むPosted by ブクログ -
東日本旅客鉄道株式会社。
日本国有鉄道から分割民営化され、会社名の通り東日本一帯を管轄する巨大企業だ。
子会社は70社あり、事業の中身は多岐に渡る。
これだけの大きな会社なので、当然従業員も多くなる。
しかし組合は一枚岩ではなく、いくつも分裂して増えていった。
その組合を仕切っていたのが、本書で書...続きを読むPosted by ブクログ -
国鉄は戦後も公共企業体として再出発しながらも政治との蜜月が続き、利権化されていた。さらには戦後の民主化政策で労働組合が力を増し、五十五年体制を作り上げる。国鉄はまさに昭和の腐敗した歴史の象徴であり、それが解体していく様は圧巻。
また、中曽根首相の先見の明、断固とした決意、圧倒的な政治感覚には目を見張...続きを読むPosted by ブクログ -
国鉄、そしてJRの労働組合の指導者であり、革マル派の中心人物である松崎明。本書はその人物伝であったが、民営化後のJRの実像というところに興味が向く。国鉄分割民営化はかなりの荒療治。当然、大きな副作用が出るはず。そう思っていたが、実際にそれが何なのか長らく知ることはなかった。「国鉄の現況は態度の悪い国...続きを読むPosted by ブクログ
-
先日読んだ同著者の「暴君:新左翼・松崎明に支配されたJR秘史」が裏の歴史だとすると、先に書かれた本書は国鉄改革の表の歴史である。
国鉄分割最後まで分割・民営化に反対した国労の歴史は戦後まで遡る。
シベリア抑留から帰国した、田中角栄の戦友、細井宗一から国労の歴史が語られる。
機関助士廃止反...続きを読むPosted by ブクログ -
「いいぞ!」
「団結用意!」
「ナンセンス!」
今では思い出したように、同僚とふざけあって使うこれらの言葉も、かつて存在した労働組合の用語である。
本書とほぼ同時に発売された西岡研介「トラジャ」に続いて読み終えた。
今でこそ、労働組合なんてものもあったよね、と笑って言えるけど、昔は...続きを読むPosted by ブクログ