牧久のレビュー一覧

  • 転生 ~満州国皇帝・愛新覚羅家と天皇家の昭和~

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    【歴史とは物語である、といわれるが、溥儀、溥傑を取り巻く人間ドラマは、虚構の物語の世界をはるかに超えている】(文中より引用)

    清朝最後の皇帝であるとともに、満州国の初代にして唯一の皇帝として担ぎ上げられた愛新覚羅・溥儀とその弟の溥傑。壮絶な人生を歩んだこの2人を軸としながら、戦前・戦中・戦後の日中関係、そして満州国の存在を振り返った歴史ノンフィクション大作です。著者は、『昭和解体』、『暴君』などで知られる牧久。

    現代日本にとっては遠い存在となり、なんともすれば忘却の彼方に追いやられようとしている満州国の歴史を、愛新覚羅家という内側から活写することに成功した傑作。あまりに深く折り重なる歴史のドラマにため息すら覚えるほどの重厚さでした。

    戦後のエピソードはほとんど知らないことばかりで刮目させられました☆5つ

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    2022年12月13日
  • 暴君~新左翼・松崎明に支配されたJR秘史~

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    マングローブ枯れたり。という一言に尽きる。
    思い返せば松崎氏死後のこの手の文献に触れたことはなかった気がするけれど、大塚社長以来、着実に革マルの「牙を抜く」労政が実行されていたのだなあと認識。他方で共産革命にはスリーパーが不可欠なのかしら、とも思ったり。
    思想の是非はともかくとして、松崎氏は個人として相当魅力的な人物だったのでしょう。これを歴史として捉える時代に生きているのが幸運なのかどうなのか。
    かつて駒場の学友会に切り込もうと冗談交じりで語りながら結局果たせなかったアマチュアジャーナリストとしては、嫉妬とともに最大限の敬意を表する次第です。

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    2020年10月17日
  • 昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実

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    国鉄栄枯の歴史を国鉄内部の目線で描いたルポ。
    鉄道ファン向けに描かれるような東海道新幹線開通や世間の様子ではなく、国鉄がJRへ解体されるまでの組織と政治の話に特化していて、その人間の織り成すドラマはあまりにも金と欲にまみれて重苦しい。

    変わり続ける政治家、利権をむさぼる労働者、不明瞭な責任の中で愛されなかった国鉄という組織が、国鉄三羽ガラスと言われる井出、松田、葛西の三人の官僚を中心に終息を迎える。
    筆者はベテランなだけあり、(ドラマ的な描き方をしている部分もあったが)可能な限り事実を書こうとしていたように思われる。

    心底悔やまれるのが、福知山線事故の責任を感じた井出が国鉄改革回想録2000ページをお蔵入りさせたという話。
    本書はこちらも参考にされているとのことから、他の国鉄関連書籍を読んだ上で再読したいと思った。

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    2020年07月06日
  • 昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実

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    国鉄が労使対立と巨額の債務のなかで迷走を続け、分割民営化されるまでのドキュメント。親方日の丸で統制の取れない職場の実態が生々しい。

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    2020年04月26日
  • 昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実

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    本来は、国鉄の解体が昭和の解体であるということを、すぐに分からなければならないのでした。
    いや、本当に勉強になりました。

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    2020年04月03日
  • 昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実

    購入済み

    国鉄のことを知りたくて

    生まれた時からずっーとJRだった世代です。
    今でも時々JR東日本の労働組合がニュースになり、折角なら国鉄時代の労働組合からその問題を紐解いていこうと購入を決めました。
    国鉄と労働組合の関係が丁寧にまとめられていて、問題の根幹を良く理解できました。
    次はJRの労働組合についての本を読み進めていく予定です!

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    2020年03月09日
  • 暴君~新左翼・松崎明に支配されたJR秘史~

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    長らく日経新聞において、国鉄及びJRを担当する社会部記者として前作「昭和解体ー国鉄分割・民営化30年目の真実」で国鉄民営化の歴史をまとめあげた著者が次に選んだ対象は、JR東日本の労働組合を長年実行支配し、かつ自らも核マル派のイデオローグであった松崎明である。

    本書は、平成最大のタブーとも呼べるJR東日本と核マル派の悪しき蜜月を首謀した松崎明という人間にスポットを当て、どのようにその支配が完成し、ついには破綻に至ったのかが丹念に描かれる。

    松崎明の死により労組の力が弱体化し、ついには3.5万人の組合員脱退によりJR東日本は核マル派の呪縛から逃れられるわけだが、一方ではJR東日本はまだその影響下にあるとされる。こうした事実が本書によって明らかにされ、JR北海道という会社が、真っ当な経営に戻ることを切に願う。

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    2019年09月29日
  • 暴君~新左翼・松崎明に支配されたJR秘史~

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    【”妖怪”と呼ばれた男・松崎明の”呪縛”からJR東日本が「完全に解放される日」は、”日本の失われた二十年”どころか平成まるまる三十年間をかけて、ようやく近づいてきたということなのだろう】(文中より引用)

    旧国鉄において「鬼の動労」と恐れられた労働組合を率い、民営化後もその絶対的な影響力を保持し続けた松崎明。その半生を丹念に記しながら、JRに彼が深く遺した影響について考察した作品です。著者は、日本経済新聞社で社会部長などを歴任した牧久。

    読んだ前と後とで同じ事象に対する見方が変わる一冊というのがたまにあるのですが、本作がまさにそれ。長年に渡って地道に、そして真摯に取材活動を続けてきたからこそ著すことのできる作品だと感じました。硬派なテーマですが、読めば多くの方が素晴らしい読書体験を積むことができる名著かと。

    今年のトップ10に入ってきそう☆5つ

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    2019年07月17日
  • 昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実

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    半強制的に組合に入らされている若手や中堅に、昔はこんなことがあったと知る意味でおすすめ。信じられないようなことがあったんだなと、驚くと思う。

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    2019年05月19日
  • 昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実

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    国鉄解体の正史 関わる人達の営みはドラマチック トップ中曽根総理の覚悟
    それにしてもよくあれだけの改革が出来た
    あれがあったから日本航空 日本郵政はまだ容易だったのだろう 前例主義

    現代は「社会保障」誰も手がつけられず、財政と国家の破綻を座して待つばかり
    本当に安倍首相は時代認識も、歴史的使命観も持ち合わせていない 不思議
    東條首相と似ているかもしれない 
    日本は時代の転換期に人を得ない国

    国鉄解体は壮大なドラマであるが、歴史的には必然
    それでも山あり谷あり、筋書きは読めない

    3人組ほかブレナイ人々 「私」のない人

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    2018年11月10日
  • 昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実

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    とにかく詳しい。一度読み返さないと消化しきれない。組合幹部は何がしたかったのだろうか。いやはや。3人組のうち、東日本は動労に屈し、西日本は尼崎をやり、東海だけはまだ大きな失敗をしていないが、はたして葛西は無事一生を終えるのだろうか。あそこが1番危なそうなものだが… すごい時代だけど、そんなに昔のことでもなく、今でも過激にストが打たれたら、怒り狂った民衆が駅員に襲いかかることができるのだろうか。

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    2018年05月07日
  • 昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実

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    これは本当にすごい本、というか凄すぎる内容の本だった。
    明治国家の西洋化の象徴として新橋ー横浜間の鉄道が最初に通され、終戦直後には復員兵を数十万単位で引き受け、64年の東京五輪では新幹線を通したが為に赤字転落をした国鉄は最終的には、職員27万人、累積赤字37兆円(!)となり、複雑な労使関係、より複雑な労労関係、そして半国家組織であるが故の絶え間ない政治の介入により1980年代初頭には瀕死の重体となっていた。この国鉄を「分割民営化」して再生させるという1点に執念を燃やした国鉄キャリヤ組の井出、松田、葛西の"改革3人組"と脆弱な党内基盤ながらも抜群の政治センスを発揮して"戦後政治の総決算"を特に国鉄民営化において実現しようとする政治家、中曽根康弘らが主役のこの物語(まぎれもない実話だが)は、様々な困難で複雑な状況を乗り越えながら、最初の検討(第二臨調)から6年越しで分割民営化を成し遂げていく、それはすなわち国鉄の巨大な労働組合(国労、動労など)を分割することであり、それは全国的な労働組合連合である総評の中核を消滅させることにつながり、最終的には総評を基盤とした左派政党である日本社会党を減退、変容させることにつながった。つまり国鉄の分割民営化は昭和日本国家の解体へとつながった訳である。

    内容の詳細は省略するが、読み終わって思うことは、"これこそが政治である"ということである。職員25万人、国民の足を担う巨大組織の大改革には策謀と裏切り、変節、保身、増悪、執念などの様々な情念が宿り、さらに利権や選挙、組織の存亡など具体的事象も絡まり最終的には労組同士の殺し合いにまで展開してく、まさに人間世界の悲劇、喜劇のすべてがそこに表出されているように思える。この組織の人間の情念をすべて賭けたすさまじい権力闘争に比べれば、いまの政治状況などはすべて児戯に等しく思えてしまうのである。

    なお、「凄すぎる内容の本である」と評したが、このものすごく複雑で経過年数も長大な大河ドラマの詳細を調べつくし、かつ読者を迷わせることなく理解させる筆者の構成力、筆力も驚かざるを得ない本であった。とても分かりやすく淡々と事実を構成して語ってくれているのだが、これほど凄みのを感じる本も本当に珍しいと思う。

    前回読んだ「愛国とノーサイド」に続き、私が生まれる少し前、私が全然知らない日本がそこにあったことだけは間違いない。うーん凄すぎる。

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    2017年06月17日
  • 昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実

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    1987年4月1日は国鉄が民営化され、JR各社が発足した日にあたり、今年は民営化から30年という節目となる。30年が経過したものの、民営化の際に議論された問題は全てが解決したわけではなく、むしろJR北海道の経営問題のように、深刻さを増すものもある中、日経新聞の記者であった著者が、民営化時の首相であった中曽根康弘をはじめとする政治家、国鉄職員として民営化をリードした若手職員、日本最大の労働組合として強い影響力を持ちながらも、その闘争戦術の拙さから崩壊の一途を辿った労働組合幹部らなどへのインタビュー、膨大な一次資料に基づき、民営化に至った歴史をまとめた一冊。

    読み終えて思うのは、この国鉄民営化という出来事が、経済学的な側面から見れば、当時の先進国がこぞって志向していた「小さな政府」を民営化という形で具現化したものであるのは当然のこととして、国内の政治情勢の観点から見ると、国鉄労組の動員力を背景につけた社会党の勢力を弱め、自民党による「55年体制」を終焉させる(そしてそれとほぼ時を同じくして昭和も終焉する)という中曽根康弘の強い意志に表れであったということである。当時の政治的な権謀術数は、当時官房長官を務めていた後藤田正晴の「情と理」にも詳しく、それと重ねて読むと、その凄まじさと、「かつての日本の内閣は、沖縄返還(佐藤栄作)や国鉄民営化(中曽根康弘)など、ある特定の政治的命題を遂げるのだという強い意志を持っていた」という同士の評をよく理解することができる。

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    2017年04月08日
  • 昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実

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    国鉄改革の裏舞台を、政治、国鉄当局、労働組合、それぞれの立場から詳細に記録したもの。
    「未完の国鉄改革」「国鉄改革の真実」にも、触れていないことが多く、語られている。

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    2017年03月20日
  • 「安南王国」の夢―ベトナム独立を支援した日本人

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    ネタバレ

    二人の人物を中心にベトナム独立運動が語られています。
    15歳で仏領インドシナに渡り、「大南公司」を興して成功した実業家・松下光廣。
    ベトナム王国初代嘉隆帝の長男で皇太子だったものの早世したグエン・カイン(阮景)の末裔で、日本に亡命して独立運動を推進した畿外侯クォン・デ(彊柢)。
    フランスの植民地であったベトナム独立のために奔走したこの二人の事跡を中心に、第二次大戦前の知られざる日越交流史が述べられています。
    ベトナム側では、独立運動のオピニオン・リーダー、ファン・ボイ・チャウ(潘佩珠)や、南ベトナム初代大統領となったゴ・ディン・ジェム(呉廷琰)、その他の独立運動家たち。
    日本側では、犬養毅や大川周明らの支援者たちや、仏領インドシナに渡って商売をしていた人々など。
    松下光廣を中心とした在留邦人たちの活動を通して、仏領時代のベトナムの実態が描かれています。
    大川塾出身のアジア主義者たちの活動と、日本軍部の思惑なども。
    日露戦争の勝利によって日本に期待したベトナム人たちは東遊運動によって日本に留学したものの、国際社会の一員たらんとする日本はフランスと敵対できず、日越双方ともに苦悩。
    やがて第二次大戦勃発による日本軍のインドシナ進駐も、結局はベトナム人たちの期待を裏切る侵略行為に過ぎなかった点が克明に。
    日本の唱える「アジア主義」も「大東亜共栄圏」も、「アジアの解放」などではなく、所詮は欧米に代わって帝国主義支配を目指した侵略であった事実が証明されています。

    大戦後はフランスからの独立、南北分断、ベトナム戦争を経た統一、それら歴史的事件と松下光廣の事業の変遷も。
    松下光廣の生い立ちのところでは、故郷・天草と「からゆきさん」について述べられているのが面白いです(^O^)
    近代ベトナム史と、近代日本のアジア政策の実態について学べる名著です。

    ニン、トン♪

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    2012年05月14日
  • 暴君~新左翼・松崎明に支配されたJR秘史~

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     東日本旅客鉄道株式会社。
    日本国有鉄道から分割民営化され、会社名の通り東日本一帯を管轄する巨大企業だ。
    子会社は70社あり、事業の中身は多岐に渡る。
    これだけの大きな会社なので、当然従業員も多くなる。
    しかし組合は一枚岩ではなく、いくつも分裂して増えていった。
    その組合を仕切っていたのが、本書で書かれた松崎明氏である。
     若い世代にはピンとこないだろう。
    そもそも、ストライキ、だの革マル派・中核派、セクト・アジトなどと言う言葉からしてもはや歴史教科書の「現代史」に出てきた単語だけれども、ほんの30年前まではリアルな言葉として、企業や上層部には響いていた。
     しかし数年前にJR東日本の最大労組から一斉に3万人以上もの組合員が抜けた。
    理由は様々だが、組合が言うように、「脱退工作」が行われただけでは人は動かないだろう。
    新たな労組が生まれたし、これまでの労組も残っているが、多くの元組合員たちは戻っていない。
     なぜだろう?
     労組そのものは悪ではない。使用者に対抗する正当な手段であり、それによって守られるべき労働者がいるのも理解しているつもりだ。
    だが、入らなければ昇進に響き、政治運動が行われ、使用目的が不明瞭な高い組合費を収めなければならず、レクへの参加が必須の労組が果たして現代に賛同を得られるか?無理だろう。
     本書で描かれた松崎氏によって確かにできたばかりの企業が安定した面もあるだろうし、会社もそれを利用していたのだろう。
    けれども、彼のやり方は、正しくなかった。
    力をちらつかせ、意に沿わなければ潰すやり方は正しくない。
    そして、力で支配する相手を利用した会社も、やはり正しくはなかった。
     私は暴力と恐怖で支配するやり方は間違っていると思う。
    それは誰に対しても同じだ。
    単純に会社が、労組が良い悪いではなく、どんな場合であっても、恐怖で人を支配する事はあってはならない。
    JR東日本が、これからも継続していくためにも、より多様性と柔軟性を大切にする企業であってほしいと思う。

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    2020年12月13日
  • 昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実

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    国鉄は戦後も公共企業体として再出発しながらも政治との蜜月が続き、利権化されていた。さらには戦後の民主化政策で労働組合が力を増し、五十五年体制を作り上げる。国鉄はまさに昭和の腐敗した歴史の象徴であり、それが解体していく様は圧巻。
    また、中曽根首相の先見の明、断固とした決意、圧倒的な政治感覚には目を見張るものがある。
    以前読んだ国鉄改革の本は、葛西の視点によっており重視しているポイントも違うように感じたので、そちらも改めて読み直し比較してみたいと思った。

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    2021年02月15日
  • 暴君~新左翼・松崎明に支配されたJR秘史~

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    国鉄、そしてJRの労働組合の指導者であり、革マル派の中心人物である松崎明。本書はその人物伝であったが、民営化後のJRの実像というところに興味が向く。国鉄分割民営化はかなりの荒療治。当然、大きな副作用が出るはず。そう思っていたが、実際にそれが何なのか長らく知ることはなかった。「国鉄の現況は態度の悪い国労であり、その組合員さえ切ってしまえば、真面目な職員だけになる。民営化後は競争原理も働きすべてがうまくいく」そんなイメージ世間に抱かせ、分割民営化を成功と思わせる演出。もちろん実態はそんな単純ではない。そこに当局側、経営側に弱みができる。
    それをうまく利用したのが松崎であり、結果的に革マル派という前時代的な思想も延命させてしまう。国鉄分割民営化ははっきり失敗だとわかる。ただ、ではどうすればよかったのかという答えは謎である。

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    2020年04月22日
  • 昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実

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     先日読んだ同著者の「暴君:新左翼・松崎明に支配されたJR秘史」が裏の歴史だとすると、先に書かれた本書は国鉄改革の表の歴史である。

     国鉄分割最後まで分割・民営化に反対した国労の歴史は戦後まで遡る。
     シベリア抑留から帰国した、田中角栄の戦友、細井宗一から国労の歴史が語られる。

     機関助士廃止反対運動、マル生粉砕、スト権スト。
     国鉄当局と国労との泥仕合の中で分離した動労など、労使関係は累積赤字とともに悪化の一途をたどる。

     そして国鉄再建の道として示されたのが分割・民営化案だった。
     しかし、審議される頃には国鉄総裁はレームダック、運輸省と国鉄上層部は分割・民営化案を潰しにかかる。
     手を結んだのは、国鉄若手官僚と政府だった。

     これは国鉄解体にとどまらない。
     昭和62年4月1日にJRとして新しく発足したその日は、昭和の解体と言っていいほどの意味を持っていた。
     これが国鉄解体、表の歴史である。

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    2020年01月20日
  • 暴君~新左翼・松崎明に支配されたJR秘史~

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     「いいぞ!」
     「団結用意!」
     「ナンセンス!」

     今では思い出したように、同僚とふざけあって使うこれらの言葉も、かつて存在した労働組合の用語である。
     
     本書とほぼ同時に発売された西岡研介「トラジャ」に続いて読み終えた。
     今でこそ、労働組合なんてものもあったよね、と笑って言えるけど、昔は組合のことなんて喋れる雰囲気の会社ではなかった。
     2018年初の三万五千人の大量脱退(俺もその一人だけど)でようやく、この労働組合に関する話がタブーではなくなり、相次いで出版されるようになったんだろう。

     先に読んだ「トラジャ」では、前半をJR東労組と革マルの関係について、後半では未だに労使関係が続くJR北海道とJR貨物の現状について書かれている。

     本書「暴君」では、全学連まで時代を遡り、革マル派の成り立ちから、松崎明の生涯を追っている。
     
     両書を読み終えて、ようやくあの組織の息苦しさ、横柄さが理解できてきた。
     「統一と団結の否定」「積極攻撃型組織防衛論」を軸に、変革か打倒かの二択を迫る。
     そこに組織の本質があった。 

     今では労働組合に属していない宙ぶらりんの状態が続く。
     賃上げは政府が企業に対して指導しているし、ブラック企業はSNSで晒されるこの世の中。
     労働組合不要論が起きている。
     翻って、ギグワーカーによる新たに労働組合を組織する動きもある。
     昭和型の労働組合から、新時代の労働組合へ。
     労働組合に対する、新たな定義が必要なのではとも思う。

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    2020年01月04日