春見朔子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
とても面白かったです。
こういう空気感、好きです。
千景とまゆ子のふたりの視点から交互に、世界が紡がれていくのですが、ふたりともそれぞれ良い感じです。仲良しの女の子の二人暮らしだな、と思ってたら読み進むにつれてあれ?と思って、そっかー!となるのですが、二人暮らし、素敵だなと思いました。
わたしも結婚している自分が想像できないので、千景の、向いていない、という気持ちがよくわかりました。
「さみしさも、愛情も、電気信号に過ぎない。」という文章があって、それはわたしもすごく落ち着きます。
初めましての作家さんでしたが、今後も追いかけていきたいです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ千尋とまゆ子は高校の同級生。
偶然再会し、同居を始めるのだが、この2人の関係がどうも謎。女同士のねちねちではなく、さばさばというか、いったいどういう過去があったのか。
おうすけ君が連れてきた2匹のカタツムリ。
カタツムリにオスとメスはいないのだそう。
でも、繁殖するという不思議な生き物。
オスとメスがいない、これがキーワード。
読み進めていくうちに、まゆ子は広川という苗字で、見た目は女性、でも性別は男性だということが分かる。
そういう生き物。
男性とか女性とかで区切るのではなく、その人として見ている千尋。
淡々としてるんだけど、そこが逆にいい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ第40回すばる文学賞受賞作品。
とても平易な文章で読みやすい。最初の方ではラノベを連想したほど。構成はちょっとだけ変わっていて、二人の主人公の視点がごく短いスパンで替わりばんこに書かれている。短い、というのがポイント。
テーマの一つは多分、トランスジェンダー。それにしても最近純文学系新人賞って、同性愛とかジェンダー問題をテーマにしたものがよく受賞するなあ。何故? 流行なんだろうか。
内容はそんなに目新しいものではなかったけれど、「心が女/男」という表現に対する作中人物の回答は興味深かった。確かに普段、「私は男だ!」とか「女だ!」とか強く意識することはないだろう。「かんがえたことない」のが普通