龍膽寺雄のレビュー一覧

  • シャボテン幻想
    ひとつひとつの描写が過不足なく、とかく面白い。様々なシャボテンについて、エピソードを交えながら書かれたエッセイ(?)的な読みもの。ところどころで、シャボテンと人間が引き比べられて(シャボテンのほうがもちろんすぐれている)おり、なるほどなるほどとにやにやしながら読んだ。幻想文学――靄の中をただうろつか...続きを読む
  • シャボテン幻想
    竜胆寺雄というとモダンガールを主人公としたモボモガ小説という認識だったのでサボテンについて徹頭徹尾書いている本書は驚きの連続だった。長生きをした晩年はサボテンの研究者だったとは知らなかった。サボテンについて無駄に詳しくなっただけでなく、植物であるはずのサボテンに情念のようなものが込められているように...続きを読む
  • 龍膽寺雄 焼夷弾を浴びたシャボテン
    全く知らない著者。
    園芸界では有名なのだろうか。
    確かに、並々ならぬシャボテン愛を、端々に感じた。
    戦争中の話は特にそうで、こんな人もいたんだという驚きとともに、皆が皆、暗澹と窮々と生きていたいただけではないことに、不謹慎ながら、なんだか笑えるし、ほっとした。

    科学的な内容であっても、どこかしらに...続きを読む