尾高邦雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ウェーバーによる1919年1月の講演。時は第一次大戦直後。ドイツは敗戦、革命、飢餓の混迷の只中にあった。解説によると、ウェーバーは愛国的な人物であったらしいが、この時代背景を考えると本当に気合のこもった講演である。講演ゆえに、勢いに任せたような面白さもある。
学問と政策の違いが説かれ、学問は主観的な価値判断から自由でなければならず、教師は政治的立場を生徒に押し付けてはならないとされる。一方、この講演は学問と言うより政策の口調で語られている。しかし学問はそれ自身が知るに値するものかどうかという前提については答えることができない、と言うのだから、学問の意義を語るには政治の言葉を用いるしかないのは -
Posted by ブクログ
語り口からM.ウェーバーという人間に親しみを感じられた。こんなに熱い人だったのか!と。
翻訳者は読みやすさをかなり考えたというからその努力のたまものだろうか。本当に大学で彼の講義を受けてるみたいな気分になった。
☆学問は工場で何かを作るときみたいにただ決められた製法にしたがって進められるものではないよ。作業と情熱が合体した時に生まれる。でも、その思い付きが降ってくるのは予期しないときだったりもする。
☆政治家の街宣は批判を受けるけど大学の講義室は基本的に傾聴者のみが集まるし力関係もあるからなおのこと教師は自分を律しなければならない。
☆教師の一番大事な仕事は生徒に「都合の悪いこと」を認めさせる -
Posted by ブクログ
『職業としての政治』がよかったので読んでみたのだが、コチラは馴染めなかった。おそらく書物としての価値はあるのだろうけど、例示があまりにも宗教に偏りすぎていて、どうにも理解しづらい。内容も、いわんとしていることはなんとなくわかるのだけれど、ただ一概に正しいとはいえない気もする。たとえば、学問と政治を分離せよというが、もちろんそれは間違った主張であるとまではいえないけれど、ある事柄を教授するという時点で完全に中立ではないのであって、それは見方によっては政治的なのだから、もうちょっと具体的に述べてくれないと、たんなる空理空論に終わってしまう。『政治』のほうは当事者ではないから反論も思い浮かばなかった