尾高邦雄のレビュー一覧

  • 職業としての学問

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    ウェーバーによる1919年1月の講演。時は第一次大戦直後。ドイツは敗戦、革命、飢餓の混迷の只中にあった。解説によると、ウェーバーは愛国的な人物であったらしいが、この時代背景を考えると本当に気合のこもった講演である。講演ゆえに、勢いに任せたような面白さもある。

    学問と政策の違いが説かれ、学問は主観的な価値判断から自由でなければならず、教師は政治的立場を生徒に押し付けてはならないとされる。一方、この講演は学問と言うより政策の口調で語られている。しかし学問はそれ自身が知るに値するものかどうかという前提については答えることができない、と言うのだから、学問の意義を語るには政治の言葉を用いるしかないのは

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    2018年11月05日
  • 職業としての学問

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    語り口からM.ウェーバーという人間に親しみを感じられた。こんなに熱い人だったのか!と。
    翻訳者は読みやすさをかなり考えたというからその努力のたまものだろうか。本当に大学で彼の講義を受けてるみたいな気分になった。
    ☆学問は工場で何かを作るときみたいにただ決められた製法にしたがって進められるものではないよ。作業と情熱が合体した時に生まれる。でも、その思い付きが降ってくるのは予期しないときだったりもする。
    ☆政治家の街宣は批判を受けるけど大学の講義室は基本的に傾聴者のみが集まるし力関係もあるからなおのこと教師は自分を律しなければならない。
    ☆教師の一番大事な仕事は生徒に「都合の悪いこと」を認めさせる

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    2016年04月09日
  • 職業としての学問

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    ネタバレ

    ザッヘ(日々の仕事)に帰れとのこと。学問を何かの為に用いようとするものに進歩はない。現在でも通ずる普遍性をこの文章は持っている。

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    2015年01月12日
  • 職業としての学問

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    昭和初期くらいに翻訳されており、分かりにくい日本語が多く、理解できない部分もあった。しかし、内容は普遍的な内容で、今読んでも不足のない、ためになる内容だった。学校の先生といわれる人や大学で教鞭をふるっている人たちにはぜひとも読んで貰いたい内容だった。

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    2015年12月03日
  • 職業としての学問

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    by同志社雑誌推薦→page32まで

    仕事(ザッヘ)職業への献身の必要ーーー個性も自我も没却して仕事ザッヘに献身することが、その仕事の達成を通じて永遠の個性ある自我を生かす道である。
    (あとがきより)

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    2014年08月04日
  • 職業としての学問

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    『職業としての政治』がよかったので読んでみたのだが、コチラは馴染めなかった。おそらく書物としての価値はあるのだろうけど、例示があまりにも宗教に偏りすぎていて、どうにも理解しづらい。内容も、いわんとしていることはなんとなくわかるのだけれど、ただ一概に正しいとはいえない気もする。たとえば、学問と政治を分離せよというが、もちろんそれは間違った主張であるとまではいえないけれど、ある事柄を教授するという時点で完全に中立ではないのであって、それは見方によっては政治的なのだから、もうちょっと具体的に述べてくれないと、たんなる空理空論に終わってしまう。『政治』のほうは当事者ではないから反論も思い浮かばなかった

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    2014年04月06日
  • 職業としての学問

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    ネタバレ

     文章が硬く読みにくかった。しかしそれをかみ砕き、納得し理解できたとき、共感と感動を覚えた。わからない部分もあったが、読んで身に付いたものがあると思う。

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    2014年03月16日
  • 職業としての学問

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    学問への厳しい態度が伺える。ただし学者は専門分野に閉じこもるべきだというのはあまり納得できない。学際的なことも大事だと思うが。

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    2013年06月11日
  • 職業としての学問

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    90年前の講演をまとめたものだが、これだけの内容を一度聴いただけなら分かりにくいだろうと思った。

    学問の分類や役割説明が丁寧でした。
    価値についても主観的にならないようにしてるようだったが、意図が先行している気がした。

    高揚する聴衆に客観的な論理から選択肢を与えて、考え方のバランスをとらせようとしていたのだろう。

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    2013年02月01日
  • 職業としての学問

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    この場合の職業はドイツ語のBeruf(英語のcalling)で、神に召喚される、使命という意味合いがある。学問はドイツ語のWissenschaftで、科学であり、そして知識の体系化といった意味合いもあると思う。
    ウェーバーの回りくどい話し方に苦戦するが、ドイツ思想をしっかり学んでから読み返すと、すごく含蓄あると思うかも。

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    2023年01月27日