高坂勝のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ自分もいわゆるダウンシフトした一人であるため、ある程度共感というか納得はできた。成長を絶対的是とする価値観しか持てなかった人には良書であろう。
一方で著者の独りよがりに見える部分も多々ある。ダウンシフトが視界によぎる人って、著者のように行動力のある人は少ないのではないだろうか。著者は自分のことを怠け者とか横着者とか言っているが、自営はもちろん自炊や下手したら外出している時点で怠け者ではない。友人も多そうだし、妻帯者で子供もいるようだ。
著者の言うダウンシフトとは所詮生活レベルのダウンシフトであり、意識はむしろアップシフトしている。要は"意識高い系"である。人は、少なくとも自 -
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ネタバレ本書は、経済成長至上主義がもたらす社会、個人個人への悪影響、それを脱するための方策として「半農半X」の生き方に転換すること、を説いている。
まず、経済成長至上主義の害について。強迫観念となった「成長」至上の考え方は、社会のレベルでは戦乱、環境破壊、経済格差の”創出”、をもたらし、個人レベルでは、経済的な困窮や仕事での無理な負荷が心身を壊し、休職・失職、最悪の場合自殺を選ぶよう追い込まれる。高坂氏も、小売業勤務時代、電車が来ると「あの電車に飛び込めば楽になるかもしれない」と考えた。また、本書冒頭では、市場が全体として縮小する中、常に前年比アップの目標を課され躁鬱病による休職に追い込まれた、優秀 -
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良い本だと思います。
タイミングや環境が重なれば、誰かを救うことの出来る「希望」が詰まってるように感じました。
しかし、大量消費の社会で動くことを楽に思ってる人やそんな中働いていても喜びややりがいを感じる人も少なからずいる訳で、ダウンシフトが一番であるような主張には??が付きます。
私自身も引っ越しを機に田舎との繋がりが増え、その忙しさにやりがいや嬉しさを感じてますが、別に会社や社会を否定するつもりはありません。
私の田舎ではサラリーマンと自営業の人びとが入り混じって、楽しく拡がりを持って過ごしているように感じるからです。
ようは過ごし方や感じ方であって、著者の考え方には凄く共感も多く感心しま -
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著者の自分語りが多い。
会社員なんてどうせこうだから可哀想。と否定的な意見が強い人。
従業員100人以上の会社社長の息子に生まれて、海外に行ったり、大学もMARCH。
会社辞めて自由に生きようという環境や才能の素地があったのだろう。
普通の人が同じことやってもこんなに上手く行かないのではないでしょうか。
一方で、
売上を無理にあげなくても店は成立して生きていけるという計算や、
掃除機を買うとコンセント挿したり片付ける手間が増えるから買わない。
半農半職、冬期甚水不耕起栽培で実質20日間労働で米が作れる。
など作者ならではのダウンシフトによる視点が新鮮で目から鱗だった。 -
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ネタバレ基本的な主義主張には賛同だし、「総自給社会」「社会に不満を言うのでなく自身が望む社会を体現する」など素晴らしいメッセージも多数。
ただ、以下のような世代的な根底の違いも多々感じた。
私は90年代生まれのバブル崩壊後の世代。正社員として働き30代も近いけれど、年収は260万程度。それでもそれなりに日々を楽しくミニマムに生きている。そして私の周りには同じような同世代がゴロゴロいる。そんな世代の自分からすると、『ダウンシフトして年収350万、それでも楽しく生きてます!』という論旨は、逆に驚きであった。年収350万でダウンシフト、稼がない暮らしなのかあ…
解説にも似たようなことが書かれていたけれど -
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言いたいことはよく分かったし、共感できる部分も多かった。
ただ、みんななんで消費者やってるかというと「面倒くさいから」なんだよね。「次の時代」のあり方が良いのはなんとなく分かるけど、そのための労力をかけるくらいなら金で解決した方が楽で、結局資本主義は労力というコストを低減させてくれるシステムで、それに抗うのはなかなか厳しい。
筆者も言ってるけど、自分に合う部分だけ取り入れるというのは尤もで、そうすると結局自分のように、成長には否定的だけど、快適で楽な生活は欲しいので、他者には成長を目指してもらって、自分は資本主義社会にフリーライドするという結論に行き着くのは擁護してもらえるのだろうか。 -
Posted by ブクログ
「減速して自由に生きる」に引き続き本著を手に取った
著者のような生き方に憧れを抱くが、前回に比べて政治批判、原発反対の内容が色濃く、前作と比較してまとまりのない文調であったように感じた
人によっては所々価値観の押し付けのように感じてしまうかもしれない
本著を読むにあたっては前作の「減速して生きる:ダウンシフターズ」(ちくま文庫)を読んでからにすべき。
著者は、「資本主義社会での経済成長に身を任せるだけの生き方」以外があることを自ら実践し、行動している
半農半X、地産地消、田舎暮らし、小さく生きる
現代社会の常識だけにとらわれず、様々な生き方、暮らし方を提示してくれている
漠然と