麗羅のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
30年振りに復刊されたというこの小説。
全く古さを感じる事なく読めました。
戦時中、満州で暮らしていた日本人と朝鮮人の一人の青年との話。
人間関係が複雑に絡み合っていて、途中混乱しそうになりましたが、そこは何とかクリア。
終戦後夫を殺された桜子を日本へ送り届ける為に奮闘する朝鮮人のクレ。
恋愛小説ではないものの、熱いロマンを感じました。
ミステリとしても楽しめましたが、
残留孤児の問題や、近隣国と日本の関係性、色々な事を考えさせられました。
余談ですが私の母は、私が幼い頃に、ある国の事を研究し博物館を作る仕事に就いていました。
その関係で私もその国へと母と行き、
戦後残留孤児となってしま -
Posted by ブクログ
終戦直後の満州、行く手を阻むソ連軍の目をかいくぐりながら故郷へ帰ろうとする日本人達の逃避行。それを支える“クレ”の思いは、世話になった主人の妻である“桜子”を無事に日本へ送り届けることだったが…
物語序盤は、終戦直後の混乱する時代を背景に、道連れの女性達も含めた思惑も交錯しつつの逃避行。色恋あり、危険ありの人間ドラマで、リーダビリティ高し。
その後36年の時を経て起こる殺人事件。時代を跨ぎ、“中国残留日本人孤児”の社会的テーマも含めながら進む犯人探しと失踪人探し。あからさまな伏線により、読者目線では“真相”に気がついてしまうが、当事者の気持ちを思うとやるせない。肉親の安否を案ずる残された人 -
Posted by ブクログ
仙台出張した際、現地の人と話してお互い本が好きなことが分かり、好きな本の話で盛り上がる。本好きとしてはなかなか楽しい一時。そんな彼に進めてもらい、早速読んでみる。
第二次世界大戦後、中国に残されてしまった女性が日本に帰ろうとする、月日は流れ、日本に残された息子が、長い年月を経た後、母がどのように日本に帰ってこようとしてかが分かり、それに伴い不審な事件が起こると言う話。
中国残留日本人の話を聞くと、そのたびに戦争の恐ろしさ、人の弱さ、大衆の恐ろしさを改めて感じ、やるせなくなる。母の帰国話、現代の息子の話で場面は切り替わりながらだが、話は淡々と進んで行くので、迫力感は物足りなく、ある程度先が読