理化学研究所 脳科学総合研究センターのレビュー一覧
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ブルーバックス「つながる脳科学」を読みました。
一般向けに書かれている書籍ですが、かなり専門的な言葉も使われていて、難しいと感じる部分もあったのですが、脳科学の広い分野について、実際に研究をされている方たちから見た研究の話は、とても興味深いものでした。
分野や方向性の違う研究の話を「つながる」というキーワードでまとめて1冊にしていて、9章分、それぞれ違う研究者の話。トータルとしての脳科学、ということではなく、脳科学のいろいろな研究話の詰め合わせ的な本でした。こういう、広い範囲のいろいろな詰め合わせ的な書籍も面白い。
ニューロンの反応や、それを観察するための技術についての話や、空間・記憶・ -
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第1章 記憶をつなげる脳
「記憶」は脳のどこにどのように蓄えられ、どのようにして思い出されるのか?そのメカニズムが明らかになりつつある。なんと、記憶を人為的に想起させたり、経験していない記憶を作ることまで可能になってきている。
第2章 脳と時空間のつながり
いま自分がどこにいるのか、時間がどれくらい経ったのか、私たちはどうやって認識していると思うか?じつは頭の中には、地図や時計のような役割をする神経細胞があって、それらがあって、それらがじつに巧妙な働きをしている。
第3章 ニューロンをつなぐ情報伝達
脳には1000億もの神経細胞が詰まっていて、複雑につながりあっ -
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私は、脳と呼ばれる物質から意識や心が生じるメカニズムを知りたい。それも、専門家の言葉ではなく、日常生活の言葉による解説、太い線で描いたラフ・スケッチのようなものが欲しい。安易ではあるが、本当にそう思っている。
本書は、いろいろな話題をカバーしている。9つの章には、それぞれの面白さがある。特に「第3章 ニューロンをつなぐ情報伝達」、「第5章 数理モデルでつなげる脳の仕組み」、「第6章 脳と感情をつなげる神経回路」などが関心を惹く。一度ではわからないから読み直す必要がある。
それはそれでよいのだが、一方、不安も生じてくる。脳科学の研究が進むほど、研究領域が多岐にわたって細分化され、その一つの細分 -
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「つながる」をキーワードに、九つの視点から脳の仕組みを知ったり考えたりする本です。難しいところはありますが、おもしろいです。エキサイティング。ディープラーニングがニューロンネットワークを元にした、脳をモチーフにしてそこから発展した仕組みであることも述べられています。でも、作っておきながらディープラーングがどうしてこれほど上手くいくのかという仕組みはよくわかってないそう。
さて、シナプスやニューロンが情報を扱う仕組みからはじまり、空間や時間の認識がどう行われているか、嗅覚のメカニズムはどうなっているのかなどを、どのような仕組みの実験を用いてそれらを解き明かしていったか、その創意工夫の面から始め -
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日本にはブルーバックスがある。本書は、日本における脳科学の研究施設である理科学研究所の脳科学総合研究センター(BSI: Brain Science Institute)の研究者が、創立20周年を機にその研究成果をまとめたものだ。こういうものを一般人に届く新書で出せるのはブルーバックスさんしかいない。研究者の人にとって自分の研究を一般の人に届ける手段があることは励みになることではないかと思う。複数の研究者の方々によって書かれたこの本はその限界もあり、とても素晴らしいという程ではないが、偉そうに言うことではなく、熱意も感じられるそれなりな本に仕上がっている。
「アルツハイマー病」が少なくともその -
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脳について様々なことが明らかになっていて驚く。脳の本は何年も読んでなかったので、革新的な研究手法と緻密な研究成果には驚かされるし、この方面の研究の面白さも強く感じる。
〇〇が分かりました、と同等以上の重さで、どのような方法により何を調べ、なぜその知見に至ったか、が書かれており、科学の本としてとてもまっとうな作り。
それでも脳という未知の領域にちょっと踏み込んだぐらいのことしか明らかにされていないのだが、明らかになったことを応用することで世界がよりよくなりそうな希望も見える。
心は脳の機能であるのは間違いないが、脳を解明することで心がこんなにも明らかになるのか、というのは今更ながら感じ入っ -
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本書は、理化学研究所脳科学総合研究センターの利根川進センター長をはじめとする、メンバー9名による共著。
同センターは脳科学に関する学際的な研究の必要性の高まりを受けて1997年に設立され、本書は、センター設立20周年を機に、現在までの脳研究でどこまでのことが分かり、或いはまだ分かっていないことについて、「つながり」をキーワードに明らかにしたものである。
1.記憶と脳のつながり~記憶はどのように作られ、どのように脳に蓄えられ、どのように思い出されるかのメカニズムが、今や明らかになりつつある。
2.時間と空間のつながり~脳の中には、時計や地図のような役割を果たす神経細胞(ニューロン)があり、それに