吉田 エンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
世界の終わりの壁際に
ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作品。
読み始めて、どういう世界なのか、何があったのか、いや、何が起こるのかとストーリを追っていくうちに、気がついたら市外のごみごみした廃墟を駆けていた。とても疾走感があり、先へ先へとページをめくりたくなる。
主人公片桐とヒロイン雪子の出会いは全くの偶然でありながら必然にも思える。そして妙に人間くさい人工知能もとい電脳のコーボとも。
常に生死の境をすり抜けていく緊迫感の中で、片桐の最初の相棒である融通の利かない人工知能クリエや余計な気まで回してみせる電脳コーボとの会話は楽しい。
登場人物はどの人間もしっかりと輪郭を持っていて読み応えがあっ -
Posted by ブクログ
フラグメンツの力を使って這い上がろうとしていたりして、大虐殺が起きたあたりまでは面白かった。
壁の外も酷いけど中も違う意味で酷い、でも俺たちは壁の中で頑張るぞ!的なオチには唖然。
さっきまで壁に憧れていたのも、自分たちを犠牲にして繁栄していると知った今、壁を憎んでいるのも分かる。
でもあの最後は解せない。
途中から主題が変わってきているような気がした。
でも設定自体は好きだった。
フラグメンツは自分もやってみたいと思った。ちょとウィクロスみたいでとても楽しそう。
壁の中の人々の様子は現代を生きる自分たちにも当てはまりそう。
余談だが、壁の中や外と聞くと某進撃漫画を連想してしまう。