春坂 咲月のレビュー一覧
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ネタバレ第6回アガサ・クリスティー賞優秀賞受賞作。
和服(着物)と主人公・八重の過去に纏わる謎解き。日常の謎の連作短編ミステリー。
ハヤカワ文庫かつアガサ・クリスティー賞優秀賞受賞作となると、お堅い小説を想像したけれど、書影から受ける印象通りの作品でした。(ライト文芸にあたるのでしょうか?)
最初の2話は着物(和装)に関わる謎解き。3話目から主人公・八重の過去の謎に踏み込んでいく展開で、この辺りからページをめくる手が止まらなくなりました。
琥珀さんのキャラクター、最初に思っていたものから、どんどんズレていった気がします。割とさらっとした性格かと思ってましたが、一途というか…。
着物に関する蘊蓄が満載。
和装の知識がないので、ちょっと調べてみたくなりました。(特に着物の柄)
面白かったので、続編も読んでみようと思います。 -
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ネタバレ着物(や俳句など昔の知識と)に纏わる連作短編ミステリ。仕立て屋琥珀(探偵役)と女子大生八重(前作では女子高生だが、成長)のコンビ。
①旧暦屋、始めました
八重、旧暦屋で働くことに(琥珀の元で)。
人形に隠されたメッセージの謎。
半衿の色、かちん色。勝つ色とも言う。
鰹は昔から〈勝つ魚〉とか〈勝つ男〉に繋がるとされて、武家に好まれていた。着物の意匠にも、なっている。
目には青葉 山ほととぎす 初かつお
の句。
視覚〈青葉〉、聴覚〈ほととぎす〉、味覚〈初鰹〉。目、耳、口。見ザル、聞かザル、言わザル。人形に隠されていたのは、山口素堂の句。
鳩時計、カッコウ時計。
②セルの頃
タカムナ。「好きな女がいる。付き合ってほしいと何度言ってもはぐらかされている」
セルジュの仲間を探してきたら、考えてもいい。
serge
サージ。羊毛の織物、ウール。
当初はセルジ、音のせいで〈セル地〉。省略されて〈セル〉。
〈探して着たら〉だった。
③小さく満ちて
帰宅したら白い便箋に
〈琥珀色の風が次のように娘に伝えて参りました。旧暦屋にない蜜とはなんでしょう?〉
蜜は花に通じている?
菖蒲柄の襦袢。
琥珀と八重、一つ屋根の下で寝るが、酔った琥珀の着物を脱がせただけで、何も起こらず。
花色衣。
祭文の、様子がおかしい?
琥珀が祭文に貸した露草蛍の着物。
西瓜の着物に着替えたのは?
八重が帰ろうとしたら雨。
琥珀「八重さんを、帰したくないから、外へ出られないくらい強い雨を、と祈っていた」
西瓜の着物に着替えた。
誰何。
八重の一番長い昼
紅花染めの衣と雨絣、骸骨の襦袢はストレートな愛の告白だった。けれどくゆりさんは、出すのは安ワインからの感覚でサの字に披露した。
厄介事、全部同じ人間能仕業だった。
八重のテストだった。
旧暦屋にない蜜。
まことの花。
琥珀色の「風」が「次」のように「娘」に「伝」得て参りました
娘を女こ花の時期だと解釈すれば、
風姿花伝を意味してた。
全体的にミステリとしては地味。どれもこれも、これは〜を意味していて(とか〜の見立て、とか〜と解釈できる)などの謎解きだが、飛躍が必要なのとか作者の中でしか完結してないのではと思ってしまう。連作短編として一応繋がっているが、納得感はあまりない。
琥珀と八重の関係も進まないこういう手のものでは進まないのがいいことでもあるので欠点ではないが。しかし、琥珀がいい歳なので、思わせぶりなことだけいつも言って、何も手を出さないのはただの拗らせ童貞でしかなく琥珀に対しては不の感情の方がでかい。
文章は読みやすいかな。専門用語が多いのに、たまに現代口語とか字の文に入ったりするバランスはいい。しかし、専門用語がさらりと流されるので、よく分からないまま進んでしまう(あとでまたでたときに置いてけぼりになる)。読み方や意味をすぐ忘れてしまうから、たまにもう一度説明してと思うが、ここは読者の知識量によるところが大きいから難しいか。
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ネタバレイケメン仕立て屋と女子高生の着物ミステリ(短編と中編)。
①着物を着ると泥棒になる?
未由、今度七五三。
着物はいやと駄々をこねる。
「キモノを、来たらドロボウになる!」
嘘つきは泥棒のはじまり。
おばあちゃんからもらった絵本。
七五三の着物のことで言い合いに、祖母と親。
いちいち口を出すなと言われた祖母。
だから、うそつきのことを未由ちゃんに吹き込んだ。着物を、着せようとしたら孫が嫌がって、息子夫婦が困れば いい、そのくらいの気持ち。
②呪いまじない、解くほど
呪いのシュシュ。
シュシュを作ったのは、呪うのが目的でなかった。
柄のすべてに吉凶両方の意味。
鱗文を避ける年配の方はいるが、最近では厄除けの意味合いてま使われることも多い。
③花の追憶
ここから最後まで同じ話。ヒロインの過去に纏わる話。
実の父から、
いざとなったら名前を使いなさい。「辻が花」のことを聞かれたら、自分のことだとそういいなさいり名前がお前と花を護ってくれるはずだ。
琥珀からの愛の告白。
ヒロインの過去。
口の横の大きな僕夜の男。押し入ってきた男。
無理やり、服も脱がされてしまう(辻が花を探すため)。
実の、父、知り合いから「辻が花」を盗んで捕まった。父は無罪を主張
④辻が花の娘
ほくろ、変装。怪石。
琥珀と父は知り合いだった?
「八重の名に因んだ日に」
父から能伝言と祖母から教えられた。
八重を逆さにすると、18。八重は今年18歳。
今年の8月8日?
琥珀、八重の族が押し入ってきた直後、八重の家にいた。誰かがきたので、八重も泣いていたし、部屋が荒らされていたので犯人扱いされると思い、逃げ出した。
⑤花を追え
7月初めに封書。
「葉月八日に奈良の君の家で待ってて」
本来八重とは幾重にも重なっているという意味なので、どんな花でもいい。
八重の桜ではなく、八重の牡丹
八重、牡丹の名。
「辻が花」が出てくる一番古い絵巻き。
「辻が花」、牡丹の模様。
ムッシュー、観月会の席にいた。
父が信じた「辻が花」、縫い締め絞りではなく、赤い染め。
ムッシュー、父を殺してた(犯人)。
15年前の盗難事件は、古裂を巡る争いではなく、深見(父)の学会発表を阻止するため。
絵巻き、琥珀が用意した偽物だった。犯人を罠にかけた。
銀さん窃盗はしてない。琥珀がムッシューを釣るための芝居だった。
「辻が花」、着物の一部に仕立て直して娘に遺してた。
ミステリ的には面白さはたいしてないので、着物似関する蘊蓄を知るライト文芸的な気持ちで読むと面白いと思う。
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Posted by ブクログ
笛の教室に通う女子高生で主人公「八重」と、ふとしたきっかけで出会う仕立て屋の「琥珀」が着物にまつわる事件に挑んでいくお話です。
前半は日常で起こる事件を解決に導いていく流れとなっており、着物や花にまつわる事柄が多く出てきて面白かったです。特に花が持つ旧来の「意味」に関しては興味深く、色んな花について調べたくなりました。
後半は主人公の八重を取り巻く謎に挑んでいくのですが、こちらも先が気になるよう展開でハラハラしながら読むことができました。ただ、前半の展開がゆっくりしているので中だるみしてしまう可能性有りです。
また、季節の描写が細かく描かれており、メイン舞台も仙台ということもありちょっとした旅情も感じる事が出来ました。 -
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ネタバレ最初の方は、中断しつつ読んでいたが、中盤からは一気に読み進めた。
着物について全く無知なので、模様など検索しつつ、楽しみました。
ミステリ小説は往々にして気分の悪くなる犯罪が描かれるが、辻が花の古裂が、犯罪を犯してまで手に入れたいものなのかと思ったらちょっと気分が悪くなった。
主人公が琥珀さんを好きになる描写や、琥珀の「人魚姫かと思ったら自分が人魚」という点はややわかりづらかったけど、主人公も琥珀もしっかりキャラクターが描かれているし、歌にちなんだ謎解きも興味深い。続編を書く従ってきっとさらに読みやすく面白くなると期待。
巻末のアガサ・クリスティー賞選評も面白く読んだ。