相川千尋のレビュー一覧

  • キングコング・セオリー
    とても素晴らしい。
    決して浅はかな怒りではなく、心の芯から世界に対して響かせる強烈な怒号であり、それゆえに啓蒙的で何よりもパンク。
    とりあえずパンクで生きたいね。
    階級闘争の意識を絶望的なほど持ち合わせていない日本人こそ読むべき本。
  • キングコング・セオリー
    セックスワークイズワークには同意できないのでずっと避けていた本だが読んで良かった。洞察力にあふれた言葉がこれまで言語化できてなかった感情に名前をつけてくれる。

    ただ、やはりセックスワークイズワークの理屈は最後までさっぱり理解出来なかった。売春はどれほど条件が整備されていても解離症状が出ていないかぎ...続きを読む
  • キングコング・セオリー
    痛快!だけどシリアス。
    『家事や育児のように、女性の性サービスは無償でなければならない。金は自立を意味する。売春がモラルを乱すのは、女性がそこに喜びを見出さないからではなく、女性が家の外で自分で金を稼ぐからだ。』
    セックスワークイズワーク、という言葉があるけど、それが正しいか私にはわからない。著者は...続きを読む
  • キングコング・セオリー
    フェミニズムについて、フランスの本。
    気になったところ覚書とつらつら感想。
    「無理やり足を開かれても絶対に男を傷つけるなと教える一方で、レイプという犯罪から立ち直ることは絶対にできないと私に吹き込んだ社会に対して怒っている」
    本当に、性被害について、社会は、被害者はこう感じるべきを押し付けすぎ。
    ...続きを読む
  • キングコング・セオリー
    ガンッと頭に衝撃を受けるような作品。
    デパントにしか書けないような非常にメッセージ性のある文章だと感じる。
    おそらく批判しようと思えば色々な点で批判できるだろうけど、誰かがこういうことを書かねばならなかったんだと思う。
    間違ってる、とか偏りすぎ、というような印象をいったん置いておいて、素直に受け入れ...続きを読む
  • キングコング・セオリー
     本書は、「フランスの人気女性作家ヴィルジニー・デパントが、17歳のときに受けたレイプ被害や個人売春の経験をもとに、性暴力や売春、ポルノの本質について独自のフェニズム理論を展開する自伝的エッセイ」(訳者あとがき)である。

     著者の怒り、ストレートな物言いが、現在の男と女の関係に安住しているオトコの...続きを読む
  • キングコング・セオリー
    第3章 堕落しきったこの女をレイプすることはできない
    p46
    逆に、1960年代のアルジェリア戦争以来フランスの男が戦争に行っていないせいで、「民間人」へのレイプは確実に増加している。

    p49
    警官どもの法律は、男の法律だ。

    p67
    レイプはなによりもまず、「男の性欲は本人にはどうすることもでき...続きを読む
  • キングコング・セオリー
    フランスの女性作家ヴィルジニー・デパントによるフェミニズム・エッセイ。

    「私はブスの側から書いている。ブスのために、ババアのために、男みたいな女のために、不感症の女、欲求不満の女、セックスの対象にならない女、ヒステリーの女、バカな女、「いい女」市場から排除されたすべての女らしさたちのために。」
    ...続きを読む
  • キングコング・セオリー
    『キングコング・セオリー』ヴィルジニー・デパント、相川千尋訳、2020/11/26、柏書房

    f:id:ariel_1226:20210112225455j:plainf:id:ariel_1226:20210112225510j:plain



    リズムのよい文体と率直な文章が心地よいフェミニズム...続きを読む
  • キングコング・セオリー
    何でこれを手に取ろうと思ったのか、その経緯は忘れてしまったけれども、いつも読む本とは毛色が違って読んで良かったと思う。

    女であることは、その良さも悪さもわかった上で生きてきたつもりだが、もしかして…?と思わせる作品。
    昔の自分だったら反発したかもしれない。