鈴木浩三のレビュー一覧

  • 地形で見る江戸・東京発展史

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    TOKYOウォークという都内を20㎞ぐらい歩くイベントがあります。ちょいちょい参加して思うのは東京の地形の面白さ、です。平らなコースでずっと歩きやすいと思っていると、意外に高低差があって坂の上り下りが連続したり。そして川の流れ、商店街の通り、お寺のある場所、広い公園、線路の配置…それぞれが地形と連環してる?と感じて手にした新書です。勘で選んだ本ですが、かなり堪能しました。去年読んだ本で陣内秀信「水都 東京」というリバーサイドから見た東京という面白い新書がありましたが、本書はそれとはちょっと違う水の流れから見た東京です。水が流れる、水を流す、ポンプの無い江戸時代は必然的に自然の高低差を計算するこ

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    2023年04月03日
  • 地形で見る江戸・東京発展史

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    いわゆる江戸の発展と、現在の東京が地理的に成立する過程を当時の地図や写真を挟みながら説明している。
    同様なものは、江戸か東京のどちらかなので、江戸の普請から連なる環状線を見ると感慨深い。
    星5は付けすぎかもしれないが、碌に感想も書かず低評価なのはいただけない。

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    2023年01月20日
  • 地形で見る江戸・東京発展史

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    江戸東京の都市の発展を追う本を買うと、不思議と東京都水道局の方にぶち当たりますね……。この本の著者も水道局の方ですが、水道局にいると高低差を意識するので自然に地形を意識するのかしら。

    面白いのは前半の江戸時代。水道だけでなく天下普請での河川改修や八丁堀の港湾なども地形を絡めて説明しています。港湾では、日本橋から宝町の間の昭和通りのあたりって、櫛状に埠頭が沢山突き出した地形だったのが驚きでした。
    後半の明治以降は機械動力で地形を乗り越えてしまうせいか、地形とのかかわりが薄い東京発展史に思えました。

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    2024年03月18日
  • 地形で見る江戸・東京発展史

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    <目次>
    第1部  近世
     第1章  もともとの江戸・東京
     第2章  地形を活かした江戸と江戸城
     第3章  上水と地形
     第4章  地震・水害・大火と地形
    第2部  近現代
     第5章  江戸を受け継いだ東京
     第6章  鉄道発展の時代
     第7章  人口増加とインフラの整備
     第8章  多摩の工業と住宅

    <内容>
    タイトルに偽りがあるわけではないが、著者は東京都水道局の人。第1部第3章のような部分が本筋。確かに地形と上水の筋は一致するようで、その地図もなかなか面白い。ただ近現代はあまり地形の話は出てこない。人文地理学の教科書のようになっているのが残念。戦前の軍部基地の地形との関係や戦後のニ

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    2023年01月07日
  • パンデミックvs.江戸幕府

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    外国と接する機会の増えた江戸時代、麻疹やインフルエンザやコレラによるパンデミックに対する幕府の対応が解説された一冊です。
    “御救(おすくい)”という給付金制度や江戸時代版GoToキャンペーンの遊山奨励など、COVID-19対策と同様のものを江戸幕府が前例として行っていたことに感心しました。
    医療水準は現在と違いますが当時の出来得る限りの手当があった背景には、町民や窮民による打ち壊しへの恐怖があると記述されています。
    今の日本ではデモはあっても打ち壊しや暴動は発生しないでしょうが、だからといってその場しのぎの手当が正しいわけではありません。
    太平の世は幕府が一所懸命に維持してきましたが、政府にな

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    2021年02月22日
  • パンデミックvs.江戸幕府

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    ネタバレ

    <目次>
    プロローグ
    第1章   押し寄せる感染症~江戸の歴史は「感染症の歴史」
    第2章   感染症と幕府のBCP
    第3章   パンデミックと救済のシステム~米や銭の給付はスピード勝負
    第4章   想定外が続いたパンデミック対策~次々と遭遇したインフルエンザ・麻疹・コレラの流行
    第5章   パンデミックvs経済政策~政策ツールの総動員…自助・共助・公助で乗り切る
    エピローグ

    <内容>
    タイムリーなテーマだが、気楽に読める書き方ではない。かなり詳細に江戸の町でのパンデミック対策を論じている。基本は寛政の改革で松平定信が命じた「七分積金」をシステムを利用しているが、優秀な市井に詳しい町奉行(遠山

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    2021年01月13日
  • 江戸の都市力 ──地形と経済で読みとく

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    論文調の堅苦しい文体で読みにくかったけど、経済の観点から江戸が語られていて興味深い内容だった。特に最終章の「都市問題とセーフティネット」は、現代の日本も学ぶべき点がいっぱいありそうな気がする。

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    2018年07月20日