アンドリ・S.マグナソンのレビュー一覧

  • タイムボックス

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    悲しく壮大なファンタジーで、とても感動的な物語なのだが、とにかく読んでいておもしろい。次はどうなる!と先を知りたくて知りたくて、一気に読んでしまった。ラストシーンが美しく、心を打たれる。読後のあまりの感動の大きさにその日の夜なかなか寝付けなかったほど。個人的にはここ数年で一番のお気に入り。この作品に出合えて良かった。

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    2021年05月20日
  • タイムボックス

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    経済危機をやり過ごすため、世の中のみんながタイムボックスに入る。
    その間誰も何もしなかったので、当然世の中はめちゃくちゃに。実は、それは遥か昔、世界の始まりの国パンゲアで起こったことに端を発していた。
    現代社会への痛烈な批判と示唆が含まれた意欲作。
    個人的には、登場人物に共感できなかったのと、場面展開の荒さが気になって、心から入り込めなかった。

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    2025年09月16日
  • タイムボックス

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    ミヒャエル・エンデの『モモ』のような話?と思いながら読み始めた。

    経済危機が悪化した現在から逃れようと、人々はタイムボックスに入る。ボックスから出てきたシグルンは、変わり果てた町でグレイスに出会う。グレイスは、シグルンら子どもたちに「オブシディアナ姫の物語」を聞かせて…。

    動物に人間を襲わせ世界征服を果たしたパンゲア国の王、ディモンと、時間の箱に閉じ込められたオブシディアナ姫を中心に物語は進むが、一番おどろいたのはこの場面!

    「こびとの首がころがった瞬間、刃の下で石の床が割れ、裂け目がひび割れ、谷間になり、深い峡谷になる。そこに水が流れこんで水路となり、ついには波だつ海となった。パンゲア

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    2025年09月17日
  • タイムボックス

    ネタバレ 購入済み

    幻想

    長いながいファンタジー。
    幻想的で,残酷で,悲しくて,道徳的。
    宗教的で,哲学的。

    あまりにも悲惨な運命を辿ったオブシディアナ姫。
    時間を征服することとは,天国に行くことなのかもしれない。

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    2021年01月20日
  • タイムボックス

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    物語の中に物語があると思っていたら,物語の前に物語があった.永遠も自分の時だけが止まるという事では悲劇でしかない,タイムボックスは呪いである.

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    2016年12月18日
  • タイムボックス

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    ネタバレ

    アイスランド文学賞を受賞した、との事前情報なしで読めばよかったかも。
    いきなりフケイキが終わるまでタイムボックスに逃げ込む選択をする大人たち。はて?タイムボックスに経済危機が去ったと知らせるのは誰なんだろう。
    昔話風に始まる今はないパンゲア国のオブシディアナ姫の物語。父のディモン王は妻に先立たれた悲しみを癒すため、動物に人を襲わせてはならぬ、という戒めを破る。更に姫を大切に思うあまり時間を止められる箱に姫を閉じ込める。そして世界征服のため、戦いに明け暮れる。
    オブシディアナ姫は何も聞かされず、箱から出る度にどんどん周りの人たちは歳をとっていく。知らぬ間に再婚していた父王と新しい王妃の間には2人

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    2025年09月16日
  • タイムボックス

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    時間をテーマにしたファンタジー。パンゲア国の王様は、姫がいつまでも美しいままでいられるように、姫を時間が止まる魔法の箱に入れてしまう。その箱を開くのは、過ごす価値のある特別な日だけ。一年のうち、数日しか箱の外に出ることのできない姫は、周りの時間の流れから取り残され、いつしか人々から崇められる存在になる。彼女が欲しいのは友だちだったのに。

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    2016年12月29日